さ行の作家
ハインリッヒ・シュリーマンと言うと、 当時伝説上の存在であったトロイの遺跡を掘り当てた人物として、 まずもって名を知られていますが、 もう一つの顔として、英語、オランダ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、ギリシャ語など十数ヵ国の…
ブログで初めて書いたクラシック音楽の記事「シューマン ピアノ協奏曲とウルトラマンセブン」https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/10139121.htmlロベルト・シューマンは、クラシック音楽史に残る大作曲家の一人ですが、単にそれだけに留まる人物ではあ…
すっかり秋も深まってきました。今回はそれにふさわしい題名の作品を。この作品は明治時代に生きた女流作家素木しづによるものです。素木しづについて、ご存知の方はあまりいらっしゃらないと思うのですが、彼女の略歴を紹介しますと、明治28年、札幌に生ま…
維新期の薩摩隼人たち最終巻は、宮崎から鹿児島までの山中の逃避行と城山での西郷の自決について描いています。西郷軍が、宮崎から北上するあたりから、もはやこれはもう戦争ではありません。政府軍の追跡を逃れる逃避行というべきでしょうか。それがひたす…
西南戦争の頃の熊本城の様子9巻は西南戦争最大の激戦田原坂の戦いから、それに破れた西郷軍が熊本城攻略を放棄し、南の宮崎まで転戦するまでのお話です。先の8巻で、司馬遼太郎さんが乃木大将の事を辛口に書いているという話をしましたが、それと同様の辛…
若き日の乃木大将。西南戦争時は少佐でした。この巻は、西郷が西南戦争で鹿児島を出発するところから、熊本城を攻撃し、田原坂の戦闘が開かれようとするところまでが描かれています。冒頭、作者は、維新前までは西郷は策略家と言っていいほどのキレる人物で…
先日、漫画家のさくらももこさんが亡くなったとのニュースが流れました。さくらももこさんの代表作といえば、テレビで30年以上も放送されている自伝的作品「ちびまる子ちゃん」が真っ先に思い浮かびます。サザエさんの長谷川町子さん、クレヨンしんちゃん…
ひょんなことで、岐阜から東京にトラックの荷台に乗ってやって来てしまった迷い猫ルドルフと、地元の野良猫イッパイアッテナが東京の下町で繰り広げる人(猫)生劇。この作品、ちょっと前に映画化されまして、簡単なあらすじと物語の雰囲気はこちらの予告編…
言わずと知れた日本を二つに分けて行われた戦国時代最後の天下分け目の大合戦。日本全国のほとんどの大名を巻き込んで、雌雄を決した戦いで、この司馬遼太郎「関ヶ原」は、戦いに臨んだ大名達の人生観や思惑といったものを見事に描き分けています。ある者は…
この作品は、平成の時代が始まってまもなく朝日新聞に連載された30年後の日本社会がどうなったかを予測した未来小説です。著者は「峠の群像」などの作品で有名な作家堺屋太一氏。堺屋氏は団塊の世代というネーミングの創造者もであり、 自身が政策立案に関与…
今回は司馬遼太郎の作品。といっても、これは中学の教科書のために書き下ろされたものだそうです。司馬遼太郎といいますと、やはり数多の歴史小説ですが、その執筆のための調べものをしていると、主役でなく脇役のような人、脇役ですらなく、いわゆる通行人…
ただただ過ぎてゆくもの帆をかけた舟人の齢春夏秋冬明日から12月です。早いもので、今年もあと1ヶ月となりました。 枕草子、最後の記事は〇〇なもの。自分はなぜ枕草子に魅力を感じるのか。源氏物語は誰でも書けるというものではないが、枕草子は誰にでも…
枕草子はどのようにして世に生まれ出ずることになったのでしょうか。最後の段に、それが綴られています。322段この草子は、私の目に見え、心に思うことを、おそらく人の目には止まるまいと思って、退屈で、うら寂しい里に下がっている間に書き集めたもの…
月のいと明かきに川を渡れば牛のあゆむままに水晶などの割れたるやうに水の散りたるこそをかしけれ月のとても明るい夜、牛車で川を渡ると車輪が回るにまかせてまるで水晶が砕けるように水が飛び散るのはとても美しい 一番最初の記事で、清少納言は、絵画的…
清少納言 肖像(おそらく想像図(^_^;))男編続きです。清少納言は夫橘則光とはうまく噛み合わなかったものの、宮中では、なかなか人気があって、結構いろいろな男性にモテたようです。有名どころでは、藤原斉信、藤原行成という男性の名前が挙げられます。…
ご存知の方もおられると思いますが、清少納言は結婚していました。それでは相手はどういう男性だったかと言うと、当代きっての才女である清少納言相手ですから、さぞかし風流で才気煥発な人かと思いきや、実はそうではありませんでした。夫の名を橘則光とい…
犬や猫というのは、人間にとって長らくペットとして傍にいる動物で、昔から、犬猫のいろいろな物語があります。千年前の、この枕草子においても例外ではありませんで、犬と猫の話は色々な所で出てきます。枕草子で犬と猫の話と言うと、まず真っ先に浮かぶの…
日本三大随筆と言いますと、枕草子、方丈記、徒然草というわけですが、自分はこの中では枕草子を断然贔屓にしています。徒然草はちょっと説教くさい。 方丈記はどうしても虚無感漂い、元気がない。それに比べると、枕草子は屈託のない明るさがあります。そし…
織田信長という人物は、戦国の日本に突然変異で現れた、新しい人類かもしれないと思う事があります。確かに父親の信秀は有能な武将ではありますが、 中世の因習から抜け出している人ではありませんし、 信長の子供についても、いずれも平凡な普通の人です。…
今年の大河ドラマ「真田丸」で山本耕史さんが石田三成を好演しておりますが、本作品は、堺屋太一氏がその石田三成について書いた歴史小説です。氏の作品を今までいくつか読んできましたが、自分的には彼の最高傑作のひとつだと思っています。石田三成と徳川…
サンタクロースは本当にいるんだろうか?大人になりますと、いわゆる、世間が思い描くようなサンタは実在しないと認識していても、 もしかしたら、上の画像のようなサンタがいるかもしれないとあてどなく街を彷徨(さまよ)う人々(おっさん)はたくさんい…
[ この作品は、絵本作家の下嶋哲朗さんが、沖縄に赴き、沖縄に住む或るおばあちゃんの口から語られた話を聞き書きし、その話を絵本の形にしたものです。実は、自分が小学生の時の夏の読書感想文の課題図書でした。自分は今の今まで、この作品は、沖縄の戦争…
前回、正岡子規の、彼の孤高ともいえる心情の短歌を紹介しましたが、子規はしきりに短歌において写生というものを力説していました。では具体的に写生とはいかなるものをいうのでしょうか。子規は万葉集を範に取り、いくつかの例を挙げていますが、今回は、…
母という字を書いてごらんなさいやさしいように見えて むずかしい字です格好のとれない字ですやせすぎたり 太りすぎたり ゆがんだり泣きくずれたり…笑ってしまったりお母さんにはないしょですがほんとうです今日は母の日ですね。母の日…2回くらいだけ花を…
亡くなった父は、生前、夏場に母と山登りなどをしておりまして、死んだら山に骨を撒いてくれ。というようなことを母に漏らしていたそうです。で、どの山に撒いてくれって言ってたの?と母に尋ねると、中央アルプスの木曽御嶽山の中腹にある賽の河原というと…
もう早いもので1月も半ばを過ぎ、小正月を迎えようとしています。先の正月は非常に慌ただしかったので、この三連休は少し落ち着いて、ゆっくりしています。ところで今年のブログでの目標は、年初の「笠地蔵」の記事で書きましたように、https://blogs.yaho…
むかしはむかしは なんともいえないすてきな匂いが どこにもあった 学校の帰りの 裏道は空気の匂いが あふれていたお寺のがけには 青ごけの涼しい匂いが ならんでた 遊びによくくる 友達はあんずの匂いが いつもしたおしゃべりしだすと たまらなく鼻へと匂…
「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」と、いわゆる往年の世界名作劇場のアニメ関連の話をしてきましたので、最後のオマケとして「あらいぐまラスカル」という作品を紹介しようと思います。http://www.youtube.com/watch?v=1ZxLZMtFLA0これ物語も、アニメの…
先日、織田信長と桶狭間合戦の記事を書いた際、実はこの作品のことが頭にあって、記事を書こうか迷ったのですが、まあ夏休み最後のご愛嬌ということで、今回掲載することにしました。この本の要旨をかいつまんで言うと、ジャンル的には、一時期大いに流行り…
ふるさと兎追いし かの山小鮒釣りし かの川夢は今もめぐりて忘れがたき ふるさと斎藤茂吉にとって、ふるさとの川とは、最上川のことをさすようです。この作品は、茂吉が13歳の時、小学校の先生に引率され、同級生の友達数人と最上川を下る旅に出た時を回想…