2012-01-01から1年間の記事一覧
これが今年最後の記事となります。今年も1年間、どうもありがとうございました。午後から少しの期間ですが、実家に帰省しますので、次の記事は年明けの三が日のいずれかにと思っております。なお、2012年総括は、年明け、松が取れるまでにはしようと思…
クリスマスが終わりますと、街は年の暮れに向かって、がらりとその雰囲気を様変わりさせます。正月のお飾りなどが売られ始め、わずかになった年末の日々は、年始に向けて、慌ただしさを増してゆきます。今回取り上げる作品は、樋口一葉「大つごもり」。「大…
あれはいつの時だったか、今から5年くらい前のことになるかと思います。年末も押し迫ってきた暮れの時期、自分は、青森の弘前(ひろさき)に、出張で出向いておりました。月曜朝一番に関連の役所に入らねばならなかったので、前もって週末に弘前入りしてい…
「週末冬眠」今日は横浜も雪になってもおかしくない冷たい雨が降っています。今年の冬は例年より一段と寒いですね。自分、寒いの苦手なんです。まあ暑いのも苦手なんですけどね(^_^;)寒いと、なんだかよくわからないんですけど、やたら眠いんです。冬のふと…
「二割引」先日、飲食店が何軒も入っている、とある駅ビルのベンチで、仕事も終わって、ちょっとひと息ついていました。夜8時頃だったでしょうか。自分の隣に座っていたのは、地元の中学生らしき女子2人。ベンチの真ん前にある中華料理屋が、店前でテイク…
先日、宮澤賢治の「フランドン農学校の豚」という作品の記事を書きました。人間と家畜とのかかわり合い方、ひいては人間と動物との共生をテーマとする物語でしたが、記事を読んで下さったブロ友さんとのやり取りで、こんな漫画がありますと、紹介していただ…
前回予告しました、神尾真由子さんの素晴らしい迫力、集中力と庄司紗矢香さんの豊かな歌心の、両方を兼ね備えているともいえる演奏家とは。その人の名を、五嶋みどりさんといいます。神尾さんや庄司さんのようなコンクール優勝経験はありません。というか、…
「盛岡にて」自分は、今でこそダイエットなどと言っていますが、少し前までは、食べても食べても全く太りませんでした。体をよく動かしていたせいか、食欲もなかなか旺盛で、いつだったか、握り寿司100貫食べたこともあります(^_^;)そんな自分が一度は食…
今までクラシック音楽の記事で、いろいろな演奏家を紹介してきましたが、残念ながら、もう既に亡くなられてしまった方もいらっしゃいます。が、しかし、今現在活躍中の素晴らしい演奏家もたくさんいます。ことにヴァイオリンにおいては、ここ日本において、…
今まで、様々な宮澤賢治作品について触れてきましたが、彼の作品は、自然の表現とそこで生きる人々の表現が、とても美しく、優しい気持ちになれるものが多いですよね。しかしながら、それらとは、ちょっと毛色の異なる作品もあるんです。ブラックユーモアと…
皆さん旅行に行くと、その目的の一つに、ご当地のグルメを味わうということがあるようです。しかしながら、自分はそれほどグルメに興味があるわけでなく、事前に下調べして、その店に行ってみるということは、まずありません。ただ、札幌で博多ラーメンを食…
師走に入りましたが、最近どうも運気が下降気味です(-.-;)なんと言いますか…ついてないことが頻繁に起きているような気がします。仕事で厄介なことを丸投げされるし…仕事帰りの夜、スーパーに寄り、レジを済ませた直後に、値引きのシールが貼られるし…夜遅い…
週末、久々に、会社の人達とカラオケに行ったのですが、歌っている歌で、その人の生きてきた時代の雰囲気などが、なんとなく想像できることがあります。1970年代に子供時代ど真ん中だった40~50歳くらいの人は、意外にカラオケでアニメソングなども…
昭和22年に冷凍カプセルに入った少年が、30年後の昭和52年に目覚めて、その世界をかいま見るという物語。昭和52年というと、自分は既に生まれていて、それなりに物心もついていました。母親(親バカ)に言わせると、小さい頃は、那智黒のような黒い…
そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあひだから、夕陽は赤くななめに苔の野原に注ぎ、すすきはみんな白い火のやうにゆれて光りました。晩秋の、非常に色彩豊かな、絵画的ともいえる美しい描写で始まるこの作品。苔の野原の夕陽の中で、すきとほつた秋の風か…
先日、宮澤賢治「セロ弾きのゴーシュ」の記事で、ゴーシュとは、フランス語で、左利きのことをいい、転じて不器用の意味があるということを申し上げました。そうしましたら、左利きは不器用って、フランス人は左利きの凄さを知らないの?!というツッコミを…
この前の記事で述べましたように、宮澤賢治はクラシック音楽を大変愛好しており、自らもチェロをたしなんでいました。東京に出て、短期の個人レッスンなど受けたこともあったようですが、普段は我流で練習せざるを得ず、腕前は、どうも今ひとつだったようで…
宮澤賢治は、農学校に勤めるようになって、同僚の音楽教師と出会い、その縁でクラシック音楽に触れるようになりました。賢治25歳くらいの時で、最愛の妹トシの死の前後であったといわれます。賢治は、特にベートーベンが大好きで、ベートーベンの交響曲な…
皆さんは、自分のテンションが低い時、どのようにしてモチベーションを上げておられるでしょうか。もちろん、そのまま自然のままに…という方もいらっしゃると思いますが、どうしても仕上げなければならない仕事や勉強がある場合には、そういうわけにもいき…
この作品は、当時無名だった菊池寛が、中央公論の編集者の目に止まり、その名を、世に初めて知らしめた最初の作品です。この物語を一言で言うと、互いに、しのぎを削りながら、文壇で名を成すことを目指す仲間同士の人間模様を描いたものといったところです…
今回は「同詩異曲の魅力」をお送りします。スターバト・マーテルという詩があります。邦訳すると「悲しみの聖母」。中世の13世紀に創られた詩です。悲しみの母は立っていた十字架の傍らに涙にくれ御子が架けられているその間呻き悲しみ歎くその魂を剣が貫…
現在、純文学最高峰の賞といわれる芥川賞を創設し、「文藝春秋」の創設者でもある菊池寛が書いたエッセイ。菊池寛といえば、作家としての力量は、夏目漱石、芥川龍之介らの一流の面々と並べられるとそこそこ程度に甘んじてしまいますが、プロデューサー、つ…
桃色のたなびく雲の流れたる花の香(か)に誘われ我(わ)も流れてゆかん もぞ画像も歌も今ひとつのような気がしますが、久々に朝の散策で創ったので、とりあえず載せてしまいました。急いで見晴らしのいい場所に移動したのですが、着いた時には、もうすっか…
クラシック音楽を定義すると、西洋の芸術的音楽のこと、となるようです。芸術的って何だ?というと大衆的ではない(=ポップスではない)音楽のことだそうです。ポップスは芸術的ではないと言われると、少々物言いもつけたくなりますが、どちらのカテゴリー…
時は昭和二十年代半ば。主人公の青二くんは、親思いの、とても気だてのよい少年です。年の頃、中学入る前後くらいでしょうか。ある日の夜、少年は、夜勤の父のためにお弁当を届けに行き、その帰りに不思議な猫を見つけます。目玉だけが光って、体の部分が透…
前回予告した、リストに勝るとも劣らぬ素晴らしい編曲能力を有し、かつ、凄腕の演奏家という、両方に傑出した才能を兼ね備えた人物とは。その人の名を山下和仁といいます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E5%92%8C%E4%BB%81細かな経歴は…
「空気男」という題名から、職場などで目立たない男の話かと思いきや、さすがにそれは違いました。いわゆる透明人間の話です。ちゃんとした博士が、それを発明しているのですが、その動機が問題です。普通は、世界平和のためとか、人間全体の幸福のためとか…
青空文庫には、純文学の他に、SF小説やミステリー小説の類もたくさん掲載されています。自分の好みが、少々、純文学に偏っているので、なかなかブログに紹介できないんですけども。というわけで、たまには青空文庫収録のSF小説を読んでみようと思い立ち…
グリム童話「白雪姫」というと、継母にうとまれた白雪姫が、城を追われ、七人のこびと達と、森で生活を共にするようになるのですが、継母に騙され、毒リンゴを食べ死んでしまうも、最後は王子様のキスで目覚め、めでたしめでたし。というお話だったと思いき…
続きです。前回紹介しましたヘンデル「パッサカリア」のように、クラシック音楽は、比較的シンプルで、小規模なものだったのですが、19世紀以降、社会が進むにつれ、次第に複雑で大規模なものになっていきました。そうすると、そのような複雑で大規模な作…