らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【字余りのうた】11 ほととぎす

この記事は「ほととぎす」と題していますが、決して新緑の中でほととぎすの美しい歌声を聴いたという内容ではありません(^_^;)世の中はゴールデンウイークに入り、中には10連休という方もいらっしゃるようですが、自分は前にも述べたように新しい部署に異…

「お伽草子 浦島さん」追記 太宰治

【字余りのうた】の記事でも申し上げましたが、NHKで放送されている「日めくり万葉集」を毎日視聴しています。その中でいわゆる浦島伝説に関する長歌が紹介されていました(巻9 1740 高橋虫麻呂)。五七調のリズミカルなテンポで話が進み声に出して…

「お伽草子 浦島さん」太宰治

今回は「浦島さん」です。「お伽草子」はイメージ的には酒場かバーで太宰治と一緒に飲んでいて「太宰、またこの前みたいな面白い話一丁してくれよ」「よしきた、それじゃあ今日は浦島太郎だ」てな感じで彼の周りにみんな集まってわいわい耳を傾ける的な楽し…

「御伽草子 瘤取り」太宰治

実を言うとブログで太宰治作品の感想はあまり書きたくありませんでした。というのは作品外の作者の情報が出回り過ぎて読む時にそれに引きずられてしまい作品そのものを味わうことがなかなか難しいからで、どうしても太宰治の一連の言動行動のフィルターを通…

【人物列伝】5  野口シカ追記

おまイの。しせ(出世)には。みなたまけ(驚き)ました。わたくしもよろこんでをりまする。なかた(中田)のかんのんさまに。さまにねん(毎年)。 よこもり(夜籠り)を。いたしました。べん京なぼでも(勉強いくらしても)。きりかない。いぼし(烏帽子:…

【人物列伝】5  野口シカ

「野口シカ」の名前だけで、誰かわかる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。野口英世の母といえば、日本で知らない者はいないくらい知られた人物でしょう。野口英世の母というと、目を離したすきに赤ん坊の英世が囲炉裏に落ちて左手を火傷し、不具になっ…

【閑話休題】遺書

以前【閑話休題】で辞世の句というテーマの記事を書きました。辞世の句とは死に臨んで自分の生を振り返り歌に詠むものをいい、その人の死生観が凝縮されており誠に興味深いものです。何も辞世は短歌や俳句に限りません。普通に遺書とされる文章も同じです。…

【人物列伝】4 孫ピン 後編

先の戦いから歳月が流れホウ涓率いる魏は今度は韓の都を攻めました。それに対し再び斉は孫ピンを軍師として韓の救援に派遣しました。 今回救援相手が趙から韓に変わっただけで、パターン的には前回の戦いと同じですので、斉は前回同様魏の都を攻める戦術を取…

【字余りのうた】10 猫と雨宿りその後

「先に猫と雨宿りした軒(のき)を通りし時に詠む」雨の軒(のき)先に宿りし猫は居ぬ寝息静かに添い寝するかな【字余りのうた】7の続編といったところです。昨日横浜は朝早くから1日中突風混じりの雨でした。朝の散策で先日猫と雨宿りした軒(のき)を通…

【人物列伝】4  孫ピン 中編

続きです。孫ピンが魏から脱出し、故郷斉に帰り将軍田忌の客となりました。当時は食客といって、有力者が個人的に有能な人物を雇うことがよく行われていたのです。その食客の頃孫ピンの合理的な思考を象徴するエピソードがあります。ある時斉王を初めとする…

【告知】異動

いつもブログ愛読いただきましてありがとうございます。私事でございますが、仕事で異動がございまして少々忙しい部署に移ることになりました。今までのようにほぼ毎日の投稿は無理になりそうですが、週に2~3回のペースで投稿したいと思っております。そ…

【人物列伝】4  孫ピン 前編

孫子の兵法というものをご存知でしょうか。後世の軍事の戦略戦術に大きな影響を与えたのみならず、日本ではビジネスなどに応用したハウツー本まで出版されたりしていますね。兵法というと軍事学というようなもので、取っつきにくいと思われる向きもあるかも…

【字余りのうた】9 妻恋

「弟橘媛(おとたちばなひめ)に縁深い妻恋神社の散り行く桜を見て詠む」春爛漫弟橘媛(おとたちばなひめ)の花飾り春風に舞いまばゆくひらめく今日は用向きで成田に行ってきました。横浜はほぼ桜は散ってしまいましたが、成田は少々北に位置するため、まだ散り…

【字余りのうた】8 猫と雨宿り

雨やどり猫が宿りし軒(のき)を借り二人静かに雨だれを聴く今日の朝横浜は久しぶりに雨が降っていました。 よほどの大雨でない限り朝に散策をするのですが、 途中で雨足が激しくなってきたため、 一時避難で雨宿りをしようとすると、 軒に先客の猫が居り、…

【人物列伝】3  高杉晋作 ドラマ『JINー仁ー』を見て

今テレビで人気医療ドラマ『JINー仁ー』が始まり話題になっています。簡単にあらすじをいうと、現代から幕末にタイムスリップした医師が、 現代医療を駆使して幕末の人々の命を救うというものですが、 実在の人物も登場し、坂本龍馬や西郷隆盛の手術などもし…

「反逆」菊池寛

この物語は、幕末から維新に世の中が大きく変化する時期に、その大波に翻弄されたとある桑名藩士の生き様を描いたものです。いわゆる幕末維新の戦いで負けた側の人々の話ですね。自分達は、長州の高杉晋作、薩摩の西郷隆盛、大久保利通、土佐の坂本龍馬など…

【閑話休題】カラオケ1 歌謡曲の歌詞 the lyrics

昨日は新入社員歓迎会で二次会でカラオケに行きました。大学生の頃は頻繁に行ったものですが社会人になってからは足が遠のき、ここ5年くらいの歌はほとんど知らないんですよね。昨日のカラオケもほぼ1年ぶりくらいで同部署の男女ほぼ同数で10人くらいで…

「一兵卒」田山花袋

田山花袋は日露戦争時従軍記者として戦地の、満州に渡ったとの事ですが、その体験を基に書いた一無名兵卒の話です。冒頭から暗くて重い雰囲気が作品全体を覆っています。それはあたかも寒々とした満州の原野を病身ながら重い装備を背負ってよろよろ歩く主人…

【字余りのうた】7 桜の花びら

「バスの中で女の人の髪の分け目で桜の花びらがゆらゆらしていたのを見て詠む」満員のバスにひとひら涼しげに頭(かしら)にゆらめく桜色かな 横浜では桜の花がきれいに散り咲いている最中です。朝満員のバスに乗っていて、ふと前に立っていた女の人の頭を見…

【字余りのうた】6 川縁のさくら

「川縁の桜が春風に吹かれ散り水に浮かぶをみて詠む」川縁(かわべり)の桜時雨(しぐ)れて水に映(は)え二重(ふたえ)に華やぐ春嵐(はるあらし)かな川沿いの道を歩いていると時折やや強めの春風が吹いていました。その度に桜の花が散り、それが水に映…

【テレビ番組】 歴史秘話ヒストリア「高杉晋作」

視聴した感想ですが、なんといいますか…例えて言うなら、自分が行ったことのないレストランを他人に勧めて、いざ自分も食してみて味が今ひとつで、勧めた人への手前、ちょっとやっちゃったかなというところです(^_^;)まずオープニングのスペインの牛追い祭り…

【テレビ番組】奇兵隊

本日4月13日水曜日22時~22時45分にNHK総合で、歴史秘話ヒストリア「“愛されヤンチャ”革命!~高杉晋作 孤高の革命家」という番組が放送されます。【人物列伝】高杉晋作の記事で取り上げながら画像を載せることができなかった功山寺や桜山神社の…

「よだかの星」 宮沢賢治

よだかという鳥をご存知でしょうか。「よだかは、実にみにくい鳥です。顔は、ところどころ、味噌をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。足は、まるでよぼよぼで、一間とも歩けません。」よだかは容姿が醜いということだけで…

「いてふの実」宮沢賢治

自分がいつも乗り降りしている駅の入り口辺りに大きな銀杏の木があります。大人ひとりでは抱えることができないくらいの大きな木で、その木のすぐ横のビルの2階にあるカフェが自分のお気に入りの場所で、休日などは銀杏が見える窓際の席で本を読んだりネッ…

「桜」2 貧しき信徒より  八木重吉

花がふってくると思う花がふってくるとおもうこの てのひらにうけとろうとおもう八木重吉画像のこの桜は記事を書いたり、詩を作ったり、短歌俳句をひねっているときにいつもお世話になっている桜です。朝の散策でここのところ毎日心を和ませてくれています。…

「桜」1 貧しき信徒より 八木重吉

自分の住む横浜では桜も満開になり、すでにはらはらと桜の花びらも散り始めようとしています。満開の桜というのは昼間は華やいだ雰囲気なのですが、夜に見るとなんとも得体の知れない妖気を発しているような不思議な感覚があります。梶井基次郎の作品に「桜…

「方丈記」鴨 長明

本日読んだのは鴨長明「方丈記」です。冒頭部分の「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。」は無常観を見事に表現した…

「注文の多い料理店 序」宮沢賢治

今回読んだ作品は「注文の多い料理店 序」。 「注文の多い料理店」ではなくそれが収録された本の序文です。なぜ今回物語でなく序文かというと、宮沢賢治を読む際のエッセンスが詰まっており、ぜひとも知っていただきたかったからです。「わたしたちは、氷砂…

「武蔵野」国木田独歩

今回は国木田独歩の代表作「武蔵野」を読んでみました。これは一言でいえば武蔵野の自然賛歌といったもので、小説というよりは、長文の散文詩がごときリズミカルで、武蔵野の自然に対する賛美に満ち溢れています。まるで武蔵野が呼吸をして生きているがごと…

【辞世の句】2 戦国三英傑

戦国武将の辞世の句は秀逸な句が多いんです。平安時代勅撰和歌集に何首も撰ばれている和歌の名手のものより、自分的には好きなものがたくさんあります。戦国武将は常に死と向き合っていて、自分がいつ死ぬかわからない人生を送っていたせいか、死に関する思…