らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

ダンテ・アリギエリ

「神曲 地獄編」エピローグ その2 ダンテ

エマニュエル・スウェデンボルグ。これが前回予告した、ダンテとは異なるユニークなあの世を展開した人物の名前です。1688年スウェーデン生まれ。ダンテより遅れること400年。日本では忠臣蔵や暴れん坊将軍徳川吉宗と同じ時代に生きた人です。自然科…

「神曲 地獄編」エピローグ その1 ダンテ

長かった地獄の旅もやっと終わりました。地獄の世界を見て、皆さんはどう思われたでしょうか。確かに悪鬼どもに様々な責め苦を受け、永劫に苦しみから逃れられない世界は恐ろしい。しかし自分が思ったのは、少々へそ曲がりではありますが、きちんと秩序立っ…

「神曲 地獄編」ラスト・インフェルノ ダンテ

第八圏第八の壕は権謀術数をもって他者を欺いた者の地獄。はるか谷底に蛍の群れのように至るところに点々と火が輝いているのが見える。よく見ると、その火の中では権謀術策で世を渡ってきた亡者たちが地獄の業火に包まれて焼かれている。一見美しい蛍の光だ…

「神曲 地獄編」中世ヨーロッパの倫理観 ダンテ

残りの地獄について述べる前に、今までいろいろ地獄を見てきましたが、どうして地獄がこの順番なんだろうと疑問に思ったりしたことはなかったでしょうか。これは700年前のダンテの時代の中世ヨーロッパの倫理観が今とは異なることから生じたものと思われ…

「神曲 地獄編」5 ダンテ

長かった地獄も残すはあと第八圏と第九圏のみ。一気に読もうと思い、勇んで読み始めると、第八圏は欺瞞(ぎまん)の罪を働いた者の地獄で十の種類の壕に分かれていると知り少々心が折れた。深い…地獄は深すぎる(^_^;)ちなみに欺瞞の罪の10種類とは女衒(ぜ…

「神曲 地獄編」4 ダンテ

地獄の中の地獄第六圏は異端者の地獄。あらゆる宗派の異端の教主と門徒が火焔の墓孔に葬られている(画像参照)。異端を信仰しているというのは精神の根幹たる信仰を誤った者だから一番深い地獄と思いきや、9つのうちの6番目と知って少々意外な感じ。ちな…

「神曲 地獄編」3 ダンテ

第四圏は貪欲者の地獄。浪費と吝嗇の悪徳を為した者が重い金貨が詰まった大きな袋を転がしながら「なぜ貯める!」「なぜ浪費する!」と互いに罵り合いせめぎ合う。トルストイ曰わく「金は糞尿と同じだ。溜めれば溜めるほど悪臭を放ち、ばら撒けばばら撒くほ…

「神曲 地獄編」2 ダンテ

さて第一圏を通過すると地獄の裁判官ミノスがまちかまえていて1人ずつ裁きを受ける。日本でいう閻魔大王にあたる。ミノスは人の形をしながら獣の尻尾を持っており(画像参照)、亡者をその尻尾で打つと尻尾が体に巻きつき、たくさん巻かれた者ほど罪が重く…

「神曲 地獄編」1 ダンテ

冒頭で暗い森に迷い込んだダンテは尊敬する古代の詩人ヴィルギリウスに導かれ、地獄を案内されることになる。ここでダンテが巡る地獄を概説すると、それはすり鉢状の大穴の形をして一番深い部分は地球の中心にまで達している。最上部の第一圏から最下部の第…

「神曲 地獄編」プロローグ ダンテ

おそらく現在の天国地獄のイメージのほとんどはダンテ「神曲」からきていると思われる。「神曲」はイタリア文学最大の古典とされ、世界文学史上でも最も有名な作品のひとつとされる。ダンテは日本の鎌倉時代末期に主にイタリアのフィレンツェで活躍した詩人…