らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

は行の作家

「猫吉親方またの名は長ぐつをはいた猫」 シャルルペロー 楠山正雄訳

今回のテーマは「猫」。猫が出てくる作品といえば、子供の時分一番最初に知ったのが、この「長ぐつをはいた猫」。戦前の邦題で「猫吉親方」と訳されており、ちょっとヘンテコな感じもします。しかし、この物語の、頼りがいのある猫の行動から、訳者は「親方…

「秋果」林芙美子

林芙美子 肖像今回、林芙美子「秋果」という作品、なぜ読み始めたかといいますと、先に紹介した万葉集の歌、恋草を 力車に 七車 積みて恋ふらく 我が心から が、モチーフになっているからなんです。https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/15748629.html…

「大つごもり」樋口一葉

クリスマスが終わりますと、街は年の暮れに向かって、がらりとその雰囲気を様変わりさせます。正月のお飾りなどが売られ始め、わずかになった年末の日々は、年始に向けて、慌ただしさを増してゆきます。今回取り上げる作品は、樋口一葉「大つごもり」。「大…

「原爆小景」原民喜

戦争が市民に対し、いかに酷い結果をもたらすかについては、現在、様々な媒体を通して、目にすることができます。主なものとしては、ビデオ映像や写真などでしょうが、その他には、絵というものもあります。自分が広島に行った時、原爆資料館で、被爆者が描…

「ハナとタマシヒ」平山千代子

平山千代子さんの作品は、これまでにも、いくつか紹介してきましたが、どの作品も、屈託のない、無邪気な十代の女の子らしい初々しさにあふれています。文章だけみると、現代のブログに掲載されていても、違和感のない、時代を超えた瑞々しさを保っています…

「三つの願い(愚かな願い)」シャルル・ペロー

今日、仕事で、出先からファックスする用事がありまして、コンビニに行きましたら、フランカーの中のソーセージが、それはそれは美味しそうな匂いをさせておりました。ちょうどお昼時でしたけれども、諸々の事情でそれを買うことができませんでした(-.-;)「…

「小説」平山千代子

実をいいますと、「らんどくなんでもかんでも2」は昨日でちょうど1周年を迎えました。読書の備忘録的な感じで気軽に始めたのですが、記事の第1号の作品は平山千代子さんの「転校」でした。(記事は修正のため1月11日になっていません)今記事を読むと…

「東西ほくろ考」堀口九萬一

この作品は「ほくろ」に対する東西の美的感覚の違いについて述べたエッセイです。ただしその美的感覚は戦前に関するものであることに要注意です。それによると、従来日本では女の顔のほくろは美貌の瑕疵(きず)とされ、西洋では美貌を増すものとして尊重さ…

「燃ゆる頬」堀辰雄

堀辰雄というと「風立ちぬ」など、どことなく淡く儚いパステルカラーのような純愛を描いた作家というイメージがあります。しかしこの物語はちょっと異色な作品です。パッと読むと、今風の言葉でいうとボーイズラブ風とでもいいましょうか。物語は主人公の私…

「赤ちやん」平山千代子

しかし平山千代子さんの作品は、屈託がない無邪気な初々しさにあふれています。いい意味でアマチュアっぽいといいますか、読んでいて思わずほんわかした気持ちになります。この作品は18歳で彼女が病気で亡くなった時、遺品整理をしていたお父様が、彼女の…

「転校」平山千代子

自分は「転校」という小説のことも、平山千代子という女性のことも全く知らなかった。 なんでも1944年に二十歳前に亡くなられたようだ。ふむふむと読み進めると、現代の女の子が書いたと言われてもおかしくない十代の女性の瑞々しい感性が、平明な文体で…