2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧
2月は「恋」をテーマに色々な作品を読んできましたが、それを総括するものとして、今回いろいろ紹介してきた渡辺温の作品で締めくくりたいと思います。 今回紹介するのは「アンドロギュノスの末裔」。まずこの作品について述べる前に、アンドロギュノスは何…
その日は冬にしては珍しい大雨が降った日だった。それは、ときには地に水煙を立てるように激しく、そして、それは不意にやってきたため、夕方近く、帰宅する道行く人々の多くは雨宿りを余儀なくされた。その中に、繁華街から少し外れた人通りの絶えた商店街…
今まで恋に関する堅めの記事が続いたので、ここでちょっと歌謡曲の恋の話をしたいと思います。歌謡曲というのはそのほとんどが恋の歌であると言ってもよいかと思います。よくもまあこんなに恋について語ることができるなと思うぐらい、それこそ星の数ほどあ…
今回も引き続き、渡辺温の作品を紹介します。 今回は「赤い煙突 」という作品です。病弱な少女が窓から見える向かいの家の3本の煙突を見ては、煙の出ない真ん中の小さな赤い煙突を、病弱な自分になぞらえ、物思いに沈んでいます。読み進めていくと、これは…
皆さんは前回記事の作品「恋」の作者渡辺温のことを知っておられるでしょうか。今回は彼について少し述べてみようと思います。渡辺温は1902(明治35)年北海道に生まれ、19歳の時、映画筋書懸賞募集に応募した作品「影」が一等に入選、鮮烈な作家デビ…
恋とはとても強いエネルギーを持っていて、時によっては自らを顧みないほどのものであるにもかかわらず、その気持ちを意中の相手に告白する段になると、なぜか途端に内気な恥ずかしがりやになってしまう不思議な内向きものです。 相手になんでこんな嘘を言っ…
国木田独歩は代表作「武蔵野」で知られる作家ですが、武蔵野における里山をつぶさに訪ね歩いて描写した武蔵野の自然の清々しい空気感のようなものが非常に印象に残っています。今回の作品の舞台はおそらく伊豆箱根あたりの温泉街なのですが、冒頭のなにげな…
少し前の記事で、自分は、恋というものは、人にとてつもないエネルギーを与えてくれるものだというようなことを申し上げました。しかしながら、恋の、その一途な思いのエネルギーの大なるゆえに、場合によっては周りにとんでもない事を引き起こしてしまう場…
叡知を集めて仕事がとても忙しい週末普段仲の良い美人の同僚にくだらないギャグを言ってキレられた「今いっぱいいっぱいなんです」その瞬間、何であんなことをしてしまったんだろうと僕は奈落の底に落ちたバレンタインデーも近いというのに俺はなんてことを…
1月も終わりました。毎年感じることですが、1月って結構長く感じるんです。それは今年も同じで、大晦日やお正月がもう3ヶ月くらい前にあったかのような感覚なんです。そのように長く感じる1ヶ月だったにもかかわらず、ブログは低調なスロースタートとなり…