らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2013-01-01から1年間の記事一覧

【12月総括】

1年って本当に早いですね。今年はその印象が特に強く、何度かまばたきする間に1年が過ぎ去ってしまった感じがします。今回これが今年最後の記事となります。皆さん、1年間大変お世話になり、本当にありがとうございました。さて12月の読書は「雪景」山…

「積もった雪」金子みすゞ

上の雪さむかろな。つめたい月がさしていて。下の雪重かろな。何百人ものせていて。中の雪さみしかろな。空も地面(じべた)もみえないで。金子みすゞは、東日本大震災の年、テレビCMの「こだまでしょうか」の詩で、一躍広く知られるようになりました。今…

【閑話休題】四季折々に思い出す歌 秋冬クリスマス編

先日、サトウハチローの詩の記事で、秋というと、彼が作詞した「小さい秋みつけた」が、真っ先に思い浮かぶという話をしました。その話をしながら、じゃあ他の季節はどうなんだと、ふと思いまして、それぞれの季節にイメージする歌を考えてみました。春夏秋…

【クラシック音楽】年末の第九

もうすぐクリスマスですね。あと10日ほどで年も暮れます。1年というのは本当に早いものです。年の暮れ、巷でよく耳にするようになるのが「第九」のメロディ。そうです。ベートーベンの交響曲第九番「合唱つき」ですね。年末になるとコンサートも第九づく…

「むかしはどこにも匂いがあった」サトウハチロー

むかしはむかしは なんともいえないすてきな匂いが どこにもあった 学校の帰りの 裏道は空気の匂いが あふれていたお寺のがけには 青ごけの涼しい匂いが ならんでた 遊びによくくる 友達はあんずの匂いが いつもしたおしゃべりしだすと たまらなく鼻へと匂…

「雪景」山村暮鳥

山はぷりずむ山山山山上さらにまた山雪のとんがりきららかに天をめがけ山と山とは相対して自らのひかりにくづれつ雪の山山きらりもゆる雪山山山のあいだに於いて折れたる光線せんまんの山を反射す http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/ad/8aa1c4144db17…

【閑話休題】第1回忘年会

先週末、今年はじめての忘年会がありました。これから何度か忘年会に出ることになりそうなんですが、今回は、前に部署が同じだった人達と。都合で少し遅れて着いたのですが、会場の居酒屋は、もうほぼ全員出揃っており、既に飲み食いが始まっておりました。…

【閑話休題】年末芸能三題

年末になりますと、にわかに芸能関連のニュースで賑やかになってきますよね。もう今年もそんな時期になりました。その中から特に印象に残ったものをいくつか。「流行語大賞」今年の流行語大賞候補として、「今でしょ!」林修(東進ハイスクール・東進衛星予…

【11月総括】

皆さま、師走の休日いかがお過ごしでしょうか。自分は昨日第1回忘年会がありまして、まだちょっと昨日のお酒が体に残っている状態です(^_^;)さて11月の読書は「わがはるかなるラスカル」スターリング・ノース(あらいぐまラスカル 原作)「残された人々…

【人物列伝】28 円谷幸吉 後編

円谷選手の死に衝撃を受けた、もうひとりの人物とは。その人とは、高橋尚子選手を育てた小出監督です。彼は円谷選手の1歳年上で、現役時代には、駅伝の合宿所で同部屋になったこともあり、少なからぬ交流があったそうです。円谷選手は非常に温厚かつ気さく…

【人物列伝】28 円谷幸吉 中編

続きです。川端康成は「円谷幸吉選手の遺書」の中で次のように述べています。「繰り返される「おいしゅうございました」といふありきたりの言葉が、じつに純ないのちを生きてゐる。そして、遺書全文の韻律をなしてゐる。美しくて、まことで、かなしいひびき…

【人物列伝】28 円谷幸吉 前編

巷ではよく、秋は、スポーツの秋ということを言います。その言葉の由来は、どこから来ているかというと、どうも東京オリンピックが10月10日に開幕し、その日が体育の日の祝日と定められて以来、この時季に、体育行事が数多く行われるようになったことに…

「果物」八木重吉

秋になると果物はなにもかも忘れてしまってうっとりと実のってゆくらしい八木重吉 首都圏は、すでに晩秋で、紅葉も色濃く染まりつつある今日この頃ですが、自分は久しく秋を素通りしておりました。毎日朝から夜遅くまで、鉄筋コンクリートのビルの中で、ギ…

【プロレス】7 プロレスの星アステカイザー

久々のプロレスネタです。仮面ライダーなどの、いわゆる特撮ヒーローものには、いろいろなストーリーやシチュエーションがありますが、これはプロレスをベースにした特撮ヒーロー作品です。首都圏には、東京MXテレビという昔の番組をよく再放送する東京ロ…

「残された人々」アレキサンダー・ケイ(未来少年コナン原作)

2013年、今年の夏、引退する宮崎駿監督最後の作品である「風立ちぬ」が話題となりましたが、1978年、NHKで放映されたアニメ「未来少年コナン」は宮崎駿初監督作品。アレキサンダー・ケイ「残された人々」はその原作となります。近未来において、…

【10月総括】

昨日こそ早苗(さなえ)とりしかいつのまに稲葉そよぎて秋風の吹く詠み人知らずつい昨日田植えをしたと思っていたのにいつの間にか稲の穂が重そうに垂れ秋の風が(その稲葉をそよがせて)吹いている早いもので今年もあと2ヵ月足らずとなってしまいました。…

【人物列伝】27 レナード・バーンスタイン おまけ

先日掲載したバーンスタインの記事のおまけのつもりで、読んでいただければと思います。バーンスタインの記事で紹介したミュージカル「ウエストサイドストーリー」のトゥナイト五重唱ですが、http://www.youtube.com/watch?v=hU-Rt-5vjjU記事を書くため、Yo…

【人物列伝】27 レナード・バーンスタイン 後編

後編です。今回は、まずピアニストとしてのバーンスタインを紹介します。実は、自分が彼の音楽活動の中で最も心惹かれるのが、このバーンスタインなんです。こちらのモーツァルトのピアノ協奏曲第17番の映像をご覧ください。http://www.youtube.com/watch…

【人物列伝】27 レナード・バーンスタイン 前編

グレン・グールド以来の久々のクラシック音楽家の記事になりますが、記事の内容から、今回は【人物列伝】のカテゴリーで紹介したいと思います。今回、紹介する人は、この人です。彼の名は、レナード・バーンスタイン。本来はクラシック音楽の指揮者として活…

「わがはるかなるラスカル」スターリング・ノース(あらいぐまラスカル 原作)

「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」と、いわゆる往年の世界名作劇場のアニメ関連の話をしてきましたので、最後のオマケとして「あらいぐまラスカル」という作品を紹介しようと思います。http://www.youtube.com/watch?v=1ZxLZMtFLA0これ物語も、アニメの…

「赤毛のアン」L・M・モンゴメリ

ちょっとした手違いから、グリーンゲーブルズ(緑の切妻屋根の家)の年老いた兄妹に引き取られた赤毛で痩せぽっちの孤児(みなしご)だったアン。初めは困惑していた二人も、明るいアンを愛するようになり、アンは夢のような美しく移り変わる自然の中で、少…

【陶芸】休日の銀プラ&兜屋画廊作陶展

今日はすっかり台風も去り、久々の秋晴れの休日となりました。ここのところ、家と会社の往復のみの毎日でしたので、思い立って、ひさしぶりに銀座散策に出かけました。今日の銀座はご覧の通り、歩行者天国になっておりまして、所々で、銀茶会というお茶会の…

「台風」与謝野晶子

先週、台風26号が来襲し、今週もまた27号が日本列島を伺う気配の昨日今日となっていますが、本日は、首都圏も厚い雲に覆われた重い空の朝となっています。そこで今回は、与謝野晶子「台風」という随筆を読んでみました。時代は今からちょうど100年く…

「母をたずねて三千里」エドモンド・デ・アミーチス(原作「クオレ」より)

もともと「クオレ」という、イタリアの少年の学校生活を描いた作品の中の、毎月の先生の講話のひとつである「アペニン山脈からアンデス山脈まで」という一編。イタリアの港町ジェノバに住む少年マルコは、両親と鉄道学校に通う兄とで慎ましく暮らしていまし…

「あんぱんまん」やなせたかし

先日、「アンパンマン」の作者やなせたかし氏が、94歳でお亡くなりになりました。1988年に「アンパンマン」のテレビアニメが放映開始されて以来、もう四半世紀も子供達の人気キャラとして、不動の地位を占めているアンパンマン。しかしながら、自分は…

【人物列伝】26 ジョージ・フォーダイス 自らを実験台にした科学者達

ジョージ・フォーダイスは、18世紀に活動したスコットランド出身の医者でしたが、熱を利用して病気を治せないかと、常日頃から考えていました。その前提として、果たして人間は、どれだけの熱に耐えられるか、という命題を自ら検証しようとします。当時、…

【9月総括】

なにか皆さんとお話するのは、久しぶりのような気がします(^_^;)なんやかんやで9月いっぱい忙しく、この前の週末、まとめてブログをやろうと思っていたのですが、土日48時間中40時間寝てしまいまして(-.-;)今日やっと更新することができました。最近の…

「ラムネ氏のこと」坂口安吾

冒頭、筆者とその友人小林秀雄らは、ラムネの話で盛り上がります。ラムネの、あのビー玉の入った瓶はラムネー氏という人物が発明したのだ云々かんぬん。真偽の程は定かではありませんが、ラムネの瓶は、自然に存在するものでない以上、誰かが人為的に発明し…

【閑話休題】社員証

ここのところ堅い話題が続いているので、ちょっと一服ということで。自分の勤めている会社は5年に一度、首からぶら下げる社員証の写真を更新するのですが、先日その更新がありました。新しい写真ができてきて古い社員証と交換するのですが、新しい写真を見…

【クラシック音楽】グレン・グールド 後編

グールドの、自分なりのイメージは、孤高の求道者、修行者といったものに近い感じなのかなと思うところがあります。例えば、僧侶に例えれば、民衆の面前で素晴らしい説法すれば、それを聞いた人々は興奮し賞賛する。しかし、いつしかそれは何が真理かという…