らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【映画】バルトの楽園

今回紹介する映画は「バルトの楽園」。「ばるとのがくえん」と読みます。「バルト」とはドイツ語で「ひげ」を意味し、松平健演ずる松江豊寿収容所所長やドイツ人捕虜が生やしていた髭をイメージしているそうです。「楽園」は「らくえん」と「音楽の楽団(が…

「さようなら」田中英光

先日、ロンドンオリンピックにちなんで、「オリンポスの果実」というオリンピック選手の青春を描いた、田中英光の作品を紹介しましたが、今回は、その遺作「さようなら」です。彼の言うように「さようなら」という言葉は、他の外国語の言葉に比べると、切な…

【旅】行き帰りの道すがらにて 異文化コミュニケーション編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、その行き帰りの道すがらにも、いろいろな出会いや出来事があるものです。今回はとりあえず最終回。異文化コミュニケーション編です。「中国人と…」あれは、ニュージーランドを一人旅した…

【旅】行き帰りの道すがらにて 夜行バス編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、その行き帰りの道すがらにもいろいろな出会いや出来事があるものです。今回は夜行バス編です。「あー♪極楽極楽♪」自分は今まで日本全国いろいろ行きましたが、時には、夜行バスというも…

【旅】行き帰りの道すがらにて 車編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、その行き帰りの道すがらにも、いろいろな出会いや出来事があるものです。そこで今回は、今までの旅の道すがらであったお話を、いくつか紹介したいと思います。今回は車編です。「白煙を…

【父の病】6

実は今、実家の名古屋から横浜に戻る途中の新幹線の中です。はからずも2週連続の帰省になってしまいましたが、自分の仕事など諸事情により、9月前半まで帰省できなくなりそうので、父の自営関連の管理の件で仕方なく…今回は、姪っ子甥っ子も弟のお嫁さんの…

「倫敦消息」夏目漱石

ロンドンオリンピックも、あっという間に終わってしまいましたね。自分も、最終日の男子マラソンを見ていましたが、選手達が走るロンドン市内の様々な街並みに、歴史と伝統、そして新しい文化の息吹きのようなものを感じました。今回は、そんなロンドンで、…

【父の病】5

6月16日に父が倒れて、早いもので2ケ月が経とうとしています。入院中の父の見舞い及び諸々の用事を兼ねた帰省は、もう今回で4回目になりました。父は、と申しますと、相変わらず意思疎通のようなものはできないものの、70代になったばかりというのは…

【映画】ライフ・イズ・ビューティフル 「凧になったお母さん」エピローグと共に

さて、この「凧になったお母さん」の物語ですが、「火垂るの墓」同様、助かって欲しいと願う登場人物が、全て死んでしまい、ある意味、救いがない結末といえます。ネットのレビューなどを見ますと、戦争が母親と子供を殺したトラウマとなるような話で、児童…

「凧になったお母さん」原作 野坂昭如

野坂昭如氏は、自らの戦時体験(終戦時15歳)を基にして、いくつかの戦争童話を書いています。これはその中の一編です。野坂氏の作品は青空文庫等では見ることができませんので、まず今回はあらすじベースで記事を書きます。なお、原作をアレンジしたアニ…

「原爆小景」原民喜

戦争が市民に対し、いかに酷い結果をもたらすかについては、現在、様々な媒体を通して、目にすることができます。主なものとしては、ビデオ映像や写真などでしょうが、その他には、絵というものもあります。自分が広島に行った時、原爆資料館で、被爆者が描…

「オリンポスの果実」田中英光

ただ今、ロンドンオリンピック真っ盛りで熱戦が続いていますね。ところで、オリンピックをテーマにした小説があるのか?と問われれば、実は、これがあるんです。田中英光という作家の「オリンポスの果実」という作品なんですが、作者自身、1932年のロス…

「ハナとタマシヒ」平山千代子

平山千代子さんの作品は、これまでにも、いくつか紹介してきましたが、どの作品も、屈託のない、無邪気な十代の女の子らしい初々しさにあふれています。文章だけみると、現代のブログに掲載されていても、違和感のない、時代を超えた瑞々しさを保っています…