夏目漱石
少し前、夏目漱石が朝日新聞に転職した際、新聞に掲載した「入社の辞」という文章の記事を書きました。その中で漱石は、江戸っ子の彼らしい負けず嫌いな気持ちを前面に押し出しながらも、非常にユニークな、まるで小説「坊ちゃん」の中から主人公が出てきた…
文学に興味がある方にちょっとしたニュースがあります。朝日新聞が夏目漱石「こころ」連載100周年を記念して、明日4月20日朝刊より当時の仕様で全110回再連載するとのニュースを耳にしました。http://www.asahi.com/articles/DA3S11042831.html自分…
今年も自分の会社にもフレッシュマンの面々が入社してきました。彼らを見ていると社会に対する期待や意気込みというものが感じられ、見ていて、とても気持ちのよいものです。また一方で、初めて踏み出した社会への戸惑い、不安感のようなものも垣間見えて初…
この追補の記事では、「こころ」の感想というよりは、なぜ作中のKや先生が死に至ってしまうのかという、人間心理のメカニズムというか、陥りやすい罠というか、それを鋭い洞察力、観察力で見抜いた漱石について、記事を書いてみようと思います。「こころ」…
第4回は最終回で、作家島田雅彦さんがゲストでした。冒頭、島田さんは「こころ」というのは女性には共感を得られないのではないか、お嬢さんは蚊帳の外だし…ということを言い出したので、自分は、それを解説してくれるのかと思わず期待しました。「こころ…
今回のメインテーマは、なぜKは死んだか。サブタイトルは「自分の城が崩れる時」。番組では、こういう時に通常用いられるのは「殻」という言葉であるが、後に自ら築き上げたものということで「城」と表現した。とのことでした。しかしながら、自分に一番ぴ…
前に、自分が高校生の時分に「こころ」を読んだ時、作中の「私」と同じように先生に惹かれるものがあったという話を書きました。なぜ自分は先生に惹かれたのか。そのような先生とはどんな生き方をした人であったのか。これが今回の放送のテーマになります。…
記事遅くなりました(-.-;)新年度で会社の業務が少々たて込んでしまったりで、本日の掲載となってしまいました。でも釈迦の記事は書いていたよね?と、つっこまれるかもしれません。あの記事は、花祭りの日に、天から何かがドカンと降りてきて、なぜかスラス…
夏目漱石「こころ」は、個人的に、ちょっと思い入れのある作品なんです。自分は高校生の国語の授業で「こころ」に出会いました。それ以来なんとなく惹かれるものあり、全編を何度となく繰り返し読み直したりしました。なぜ当時の自分は「こころ」に惹かれた…
明後日4月3日水曜日からNHK Eテレで「100分de名著 こころ 夏目漱石」が放送されます。http://www.nhk.or.jp/meicho/今回の「こころ」は、4月毎週水曜日全4回で第1回4/3第2回4/10第3回4/17第4回4/24時間は23時から23時25…
ロンドンオリンピックも、あっという間に終わってしまいましたね。自分も、最終日の男子マラソンを見ていましたが、選手達が走るロンドン市内の様々な街並みに、歴史と伝統、そして新しい文化の息吹きのようなものを感じました。今回は、そんなロンドンで、…
今年の大河ドラマも終了し、年末の「坂の上の雲」が始まりました。それに伴い、昨年までの放送分も再放送されましたが、その中で主人公秋山真之の海軍兵学校時代からの親友広瀬武夫の戦死シーンなどが含まれておりました。当ドラマをご覧の方は周知かもしれ…
ラストの第十夜はストーリーがやや支離滅裂なところがありますが、漱石ってこんな夢を見るんだという物珍しさとストーリーがコミカルな事から結構気に入っています。この夢の主人公は漱石ではなく、町内一の好男子で、善良な正直者の庄太郎という男です。漱…
第七夜漱石は大きな客船に乗って、あてどなく来る日も来る日も大海を航海しています。漱石自身、この船がどこに向かっているか知りませんし、船員に聞いても納得いく答えは返ってきません。自分がこれからどこへ行くのか、心細さと不安感を抱いたまま船は進…
第三夜はなかなか恐ろしいホラーの夢です。小泉八雲、泉鏡花ばりの怪談ものになっています。余談ですが、夏目漱石は小泉八雲の後任として、東京大学で教鞭をとりましたが、学生の間で前任の小泉八雲の人気は高く、生真面目な授業だった漱石はかなり割を食っ…
昨日ブログ友達の記事で自分の夢を綴った、とても面白いものを読みました。それに触発されて、青空文庫所蔵の作家の中にも、自らの夢について著作しているものはないかと考えてみたら、思い当たったのが夏目漱石「夢十夜」。夏目漱石が自ら見たという夢を題…
両親をほぼ同時に病で失った「先生」は信頼していた叔父に裏切られ、遺産を横領された挙げ句、故郷と完全に決別することになる。この時、まだ10代の「先生」は孤独感、不信感の極みにあり、家を失い路上をさ迷う捨て猫のような心情だったでしょうが、ひょ…
「両親と私」の章は前後の章に比べ論じられることが少ないように思う。しかしこの章は田舎の「両親」と「先生」の生き方とを対比して、「先生」の生き方を浮きぼりにする最終章の前提となる重要な章だと思っている。「私」の田舎の両親家族は至って普通の人…
夏目漱石「こころ」は長くベストセラーを続けているらしい。その理由はどこにあるのだろうか。ふとした気まぐれで今回高校生の時以来「こころ」を読み返してみた。「私」は鎌倉の海水浴場で不思議と興味ひかれる「先生」と出会う。東京に戻って「私」は「先…
「一輪花瓶に挿した東菊」図柄としては極めて単簡な者。これが子規が親友漱石に残した唯一の自筆の絵であるそうだ。どんな絵か見たくてネットで調べてみたが該当がない。漱石私有でその死後どこかへいってしまったのか今となっては見ることができない。漱石…
自分はつい数年前まで夏目漱石と正岡子規が大学時代からの友人だということを知らなかった。知ったきっかけは司馬遼太郎「坂の上の雲」を読んだことから。ただこの小説は秋山好古真之兄弟が主人公のため、子規と漱石の交友関係については一歩譲るところがあ…