らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【けっさんさん9月課題分】小説「名月」

「本日は中秋の名月です。各地好天に恵まれ、お月見日和となるでしょう」朝のラジオがニュースを伝えた。「そうだ、今日は十五夜か。これはぜひ中秋の名月で一句詠まなきゃ」今年になって和歌や俳句をかじり始めた僕は会社に行く支度をしながらそんなことを…

【閑話休題】一冊だけ携帯できるとしたら

自分が視聴している「日めくり万葉集」には月ごとにテキストが発売されており、そこには各回紹介する和歌及び選者の解説・感想の他に「万葉を探す旅」「万葉という時代」というような連載記事が掲載されている。その中に番組のナレーションをつとめる檀ふみ…

【万葉集2011】18 昨日こそ君はありしか

今回感じ入った歌ですが「空に浮かぶ雲」を題材としたものを紹介します。昨日こそ君はありしか思はぬに浜松の上に雲にたなびく大伴三中昨日まで君は世にあったのに(一緒にいたのに)思いがけなくも(今日は)浜松の上に雲となってたなびいている この歌は奈…

「愛撫」梶井基次郎

この作品、題名だけを見ると何か艶めかしい内容なのかと思いきや、残念ながらそのようなものではありません(^_^;)これは猫が大好きな梶井基次郎が、猫好きの読者にのみ贈る、猫好きファン限定の猫かわいがりの作品なのです。それを題して「愛撫」というわけ…

【人物列伝】16 趙奢(ちょうしゃ)

趙奢(ちょうしゃ)は廉頗と同時期に活躍した武将です。2人を比べると両方とも名将ではありますが、タイプが異なります。野球の投手に例えれば廉頗は25勝13敗って感じの華のあるタフな豪腕投手、趙奢は15勝3敗の地味ながら,クレバーな負け数の少ない…

【閑話休題】天気予報2(台風)

この前天気予報の話をしましたが、実をいうと自分の脳内には天気予報感知システムが内蔵されております(^_^;)それは急激に気圧が低くなってこれから天気が悪くなると必ず頭が痛くなるというものなのですが、今日も昼過ぎ辺りから頭が重く冴えない状態が続い…

【万葉集2011】17 うらぶれて物は思はじ

今回感じ入った歌はうらぶれて物は思はじ水無瀬川(みなせがは)ありても水は行くといふものを詠み人知らずしょんぼりと(立ち止まって)物思いなんかするもんですか水無瀬川(のように)目には見えなくとも水は流れてゆくと申しますもの「水無瀬川」とは、…

【映画】八つ墓村 おまけ

子供の頃、「八つ墓村」にショックを受け、地図で八つ墓村を探したがみつからなかった。それもそのはず。それはフィクションの地名だったからに他ならないが、ブログ友達のご指摘により、八つ墓村の名前は近隣の地名岡山県真庭郡八束(やつか)村(現在の真…

【映画】八つ墓村

1977年松竹横溝正史原作野村芳太郎監督 萩原健一(寺田辰弥)渥美清(金田一耕助)小川真由美(森美也子)山崎努 (要蔵・久弥・庄左衛門(三役))夏八木勲(尼子義孝) 小学生の夏休みにテレビで放送されていたのを見てからずっとトラウマになった映画。自分的…

【テレビ番組】大河ドラマ「平清盛」後編

さてドラマはやはり脚本です。どんなに役者が実力派揃いでも、脚本がへなちょこだとへなちょこドラマになってしまいます。例えていうなら軍師や作戦参謀の立てる作戦がまずいと、兵士が猛者ぞろいでも戦に負けるようなものです。では来年の「平清盛」の脚本…

【字余りのうた】32 曙の月

「中秋の名月をみて詠む2」曙(あけぼの)のたなびく雲の桃染めの波間に浮かぶ白き月かな朝起きて散歩に出かけたら中秋の名月は西に傾いており結構ぎりぎりでした。でも夜の月とは違う魅力的な姿を見ることができましたよ。ちょっとこの句、美味しそうなス…

【字余りのうた】31 中秋の名月

「中秋の名月をみて詠む」中秋の名月眺めど歌出(い)でずうんうん唸って先っぽも出ず狼男になってもおかしくないくらい満月の光を浴びて唸っていたんですけど、歌が全く出てこず諦めて帰宅しました。やっぱり夜はいい発想が浮かばないんです(^_^;)朝じゃな…

【テレビ番組】大河ドラマ「平清盛」中編

中編です。主人公以外に決まったラインナップを見ていくと平忠盛(清盛の育ての父)中井貴一白河法皇(後白河の曽祖父・清盛の実父)伊東四朗あー、来年の清盛はそういう路線で行くのかって感じです。御落胤説は「平家物語」や「源平盛衰記」にも記述されて…

【テレビ番組】大河ドラマ「平清盛」前編

今年の大河ドラマは…えーっと何でしたかね(^_^;)とにかく来年は「平清盛」です(画像参照)。平清盛というと源氏の憎き敵役でどちらかというと悪玉として書かれることがほとんどでした。でも自分は結構清盛を評価してます。非常に大雑把ですが、源氏と平家を…

「富嶽百景」太宰治 おまけ

昨日「富嶽百景」太宰治の記事を掲載しましたが、実はこの作品、今回初めて読んだものではありません。実は高校1年の時国語の教科書に載っており、ひと通り授業で学習した作品なんです。長い年月を経て、なぜこの作品が記憶に引っかかっていたかというと「…

「富嶽百景」太宰治

太宰治が心中未遂やら離婚で心身共にぼろぼろになり、機一転のため甲州に滞在し、数ヶ月間富士と向かい合って時を過ごすことになる。基本的に作者は富士が嫌いらしい。冒頭、実際の富士の姿を鈍角でのろくさで、決して浮世絵に描かれているようなすらと高い…

【字余りのうた】30 蝉の亡骸

「仰(あお)向けに転がる蝉の亡骸(なきがら)を見て詠む」命(いのち)尽くし蝉大の字の秋の空自宅のすぐ近くに大きな寺がありまして、その広い墓地の敷地内の大きな楠(くすのき)にとまって、夏の間、蝉がうるさいほど鳴いておりました。 それがこの数…

【閑話休題】天気予報

ここ数年天気予報を見るとよくあるのが東京「晴れ時々曇ところにより雨 降水確率40%」といったもの。この予報だと外れる方が難しいんじゃないのといつも思ってしまいます。犯人の推理で「犯人は男もしくは女」ていうのに似ていますね(^_^;)気象予報士の制…

【万葉集2011】16 萩の花尾花葛花 枕草子 第70段 草の花は

枕草子 第70段草の花は、撫子が美しい。唐の撫子は言うまでもないが、大和撫子も申しぶんない。女郎花、桔梗、朝顔、刈萱、菊、壷すみれなども実に美しい。竜胆は枝振りはそれほどでもないが、他の花が全て霜で枯れてしまっても、とても華やかな色合いで…

【万葉集2011】 16 萩の花尾花葛花

今回感じ入った歌は萩の花尾花葛花なでしこが花をみなへしまた藤袴朝顔が花山上憶良萩の花尾花(すすき)、葛の花なでしこの花女郎花(おみなえし)そして藤袴朝顔(桔梗)の花(これが秋の美しい花々の名前だよ)秋の美しい花々の名前を並べただけで歌がで…

【人物列伝】15 廉頗(れんぱ) おまけ

先日中国戦国時代の武将廉頗について書きました。【人物列伝】の記事を書く時はその人物について通してみるようにしているのですが、この時代の人物についてまとまっているのは、司馬遷の史記くらいしかないんですね。その理由は、秦の始皇帝が中国を統一し…

【人物列伝】15 廉頗(れんぱ)

廉頗(れんぱ)は今から二千数百年前の中国戦国時代で活躍した武将です。若い頃から戦場をかけめぐり武功を立て勇気のあることでその名が鳴り響いていました。現役として戦場で活躍することおよそ50年。今回自分が廉頗を特に取り上げたのは、生涯現役を志…