らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【7月総括】

7月早々に梅雨が開け、いきなり猛暑の連続で9月までこれが続いたら干上がってしまうと思っていたら、ここ数日の大雨。横浜は寒いくらいの雨の日曜の朝です。霧がかって外はとても静かです。今月の【青空文庫】はダンテ「神曲(地獄編)】に尽きます。プロ…

【人物列伝】13 水戸黄門(徳川光圀)

前の記事のおまけで史実の水戸黄門について少し書きます。水戸黄門こと徳川光圀は徳川家康の孫。水戸黄門とは水戸藩主で中納言(黄門)に任命された者の名称で、徳川光圀を指す固有の名称ではありません。ただ水戸黄門というと徳川光圀のことと一般では通っ…

【テレビ番組】水戸黄門

http://panasonic.co.jp/news/topics/attachment/75885/thumbnail/1_688_387.jpg 水戸黄門が今回のシリーズで終了するそうです。足かけ42年全43部。日本全国を何十周も行脚して悪人を懲らしめてくれて本当にご苦労様でした。この自分、水戸黄門のそれほ…

【字余りのうた】26 蝉の跡

「玄関の木枠に見つけた蝉の抜け殻を見て詠む」玄関をむんずと掴む蝉の跡(あと)早朝散歩していましたらと、ある民家の玄関の木枠に蝉の抜け殻を見つけました。頼りなげな細い木枠をよくぞここまで落ちずに登ったなあと感心しました。ドアのちょうつがいの…

【万葉集2011】13 石麻呂に我物申す

今回一番感じ入った歌は石麻呂に我物申す夏痩せに良しといふものそ鰻捕りめせ大伴家持石麻呂殿に私が物申す夏痩せに効果てきめんということですよ鰻を取って召し上がりなされ万葉時代の自由で屈託のない歌にはいつも驚かされますが、この歌もそのひとつ。大…

「神曲 地獄編」エピローグ その2 ダンテ

エマニュエル・スウェデンボルグ。これが前回予告した、ダンテとは異なるユニークなあの世を展開した人物の名前です。1688年スウェーデン生まれ。ダンテより遅れること400年。日本では忠臣蔵や暴れん坊将軍徳川吉宗と同じ時代に生きた人です。自然科…

「神曲 地獄編」エピローグ その1 ダンテ

長かった地獄の旅もやっと終わりました。地獄の世界を見て、皆さんはどう思われたでしょうか。確かに悪鬼どもに様々な責め苦を受け、永劫に苦しみから逃れられない世界は恐ろしい。しかし自分が思ったのは、少々へそ曲がりではありますが、きちんと秩序立っ…

【閑話休題】地デシ難民

本日正午をもってアナログ放送を終了し、デジタル放送に切り替わり、自分は晴れて地デシ難民になりました(^_^;)忙しいやらものぐさやらでテレビ買いそびれたんですよね~(-.-;)生まれた時からカラーテレビがあり、まさにテレビ漬けで生きてきた自分ですが、…

「神曲 地獄編」ラスト・インフェルノ ダンテ

第八圏第八の壕は権謀術数をもって他者を欺いた者の地獄。はるか谷底に蛍の群れのように至るところに点々と火が輝いているのが見える。よく見ると、その火の中では権謀術策で世を渡ってきた亡者たちが地獄の業火に包まれて焼かれている。一見美しい蛍の光だ…

「神曲 地獄編」中世ヨーロッパの倫理観 ダンテ

残りの地獄について述べる前に、今までいろいろ地獄を見てきましたが、どうして地獄がこの順番なんだろうと疑問に思ったりしたことはなかったでしょうか。これは700年前のダンテの時代の中世ヨーロッパの倫理観が今とは異なることから生じたものと思われ…

【テレビ番組】女子サッカーワールドカップ2011決勝 日本vs米国

告白すると、自分はスポーツ観戦においては超一流の疫病神なのです。野球観戦に行こうとチケット取って球場にいざ行ってみると、贔屓に応援しているチームが初回に7点取られているとかよくあること。テレビ観戦しても自分が応援している時の勝率は10%く…

【字余りのうた】25 竹取物語

「夏の夜の満月の光が地に降(ふ)りたるを見て詠む」かぐや姫降(お)り来(き)たるよな夏の夜の煌々(こうこう)と降(ふ)る満月の光毎日暑い日が続きます。昨日は仕事でかなり遅くなり、夜中とぼとぼ家路についておりました。街灯もついてないのに空か…

「神曲 地獄編」5 ダンテ

長かった地獄も残すはあと第八圏と第九圏のみ。一気に読もうと思い、勇んで読み始めると、第八圏は欺瞞(ぎまん)の罪を働いた者の地獄で十の種類の壕に分かれていると知り少々心が折れた。深い…地獄は深すぎる(^_^;)ちなみに欺瞞の罪の10種類とは女衒(ぜ…

「神曲 地獄編」4 ダンテ

地獄の中の地獄第六圏は異端者の地獄。あらゆる宗派の異端の教主と門徒が火焔の墓孔に葬られている(画像参照)。異端を信仰しているというのは精神の根幹たる信仰を誤った者だから一番深い地獄と思いきや、9つのうちの6番目と知って少々意外な感じ。ちな…

「神曲 地獄編」3 ダンテ

第四圏は貪欲者の地獄。浪費と吝嗇の悪徳を為した者が重い金貨が詰まった大きな袋を転がしながら「なぜ貯める!」「なぜ浪費する!」と互いに罵り合いせめぎ合う。トルストイ曰わく「金は糞尿と同じだ。溜めれば溜めるほど悪臭を放ち、ばら撒けばばら撒くほ…

「神曲 地獄編」2 ダンテ

さて第一圏を通過すると地獄の裁判官ミノスがまちかまえていて1人ずつ裁きを受ける。日本でいう閻魔大王にあたる。ミノスは人の形をしながら獣の尻尾を持っており(画像参照)、亡者をその尻尾で打つと尻尾が体に巻きつき、たくさん巻かれた者ほど罪が重く…

「神曲 地獄編」1 ダンテ

冒頭で暗い森に迷い込んだダンテは尊敬する古代の詩人ヴィルギリウスに導かれ、地獄を案内されることになる。ここでダンテが巡る地獄を概説すると、それはすり鉢状の大穴の形をして一番深い部分は地球の中心にまで達している。最上部の第一圏から最下部の第…

【万葉集2011】12 春日なる三笠の山に

今週最も感じ入った歌は春日(かすが)なる三笠の山に月の舟出(い)づみやびをの飲む酒坏(さかづき)に影に見えつつ詠み人知らず春日にある三笠の山に月の舟が出たみやびな男たちが飲む盃にその影を映して先日七夕の記事で、自分は天の川をほとんど見たこ…

「神曲 地獄編」プロローグ ダンテ

おそらく現在の天国地獄のイメージのほとんどはダンテ「神曲」からきていると思われる。「神曲」はイタリア文学最大の古典とされ、世界文学史上でも最も有名な作品のひとつとされる。ダンテは日本の鎌倉時代末期に主にイタリアのフィレンツェで活躍した詩人…

【字余りのうた】24 天の河

「七夕の夜に宙(そら)を見上げて詠む」天の河瞬(またた)く星は宙(そら)遙(はる)かずっと首都圏に住んでいると、天の川はおろか個々の星の瞬(またた)きさえもほとんど見えず、星空が遙か遠くに感じます。 雨が降って、どんなに空気がきれいに澄んで…

【万葉集2011】11 生ける人つひにも死ぬる

今週最も興味深かった歌は生ける人つひにも死ぬるものにあれば今在る間は楽しくをあらな大伴旅人生きている人はいずれ最後には死ぬものであるから今この世にある間は楽しく生きていようです。この歌、実は5月にも放送されたものです。この番組、選者が多数…

「刺繍」島崎藤村

「刺繍」という美しい題名の小説がふと目にとまった。島崎藤村は非常に美しい詩も書く詩人でもある。刺繍を編むがごとく、どんな美しい言の葉を編んでいくのだろうかと読み始めた。主人公の大塚さんは五十を越える初老の男性で、会社を経営し、家には召使い…

【テレビ番組】江戸の牙

今回は「江戸の牙」。ご存知の方いらっしゃいますか?https://youtu.be/ar0sRqiwOdsどういう時代劇かというとオープニングの口上が全てを語っています。「西暦1837年。当時の江戸の人口は128万4815人。ロンドンをしのぐ世界一の過密都市であった…

「燕と王子」有島武郎

「燕と王子」という題名を見ただけでぴんときた人もいらっしゃるかもしれません。これはオスカー・ワイルドの「幸福な王子(The Happy Prince)」を翻訳したものです。作家の翻訳ものは翻訳家の翻訳と違って、やはりより文学的香りがほのかに漂う素晴らしい…

【6月総括】

6月梅雨の真っ盛りでしたが、首都圏はトータルではあまり雨降らなかったような気がします。しかし昨日の夕立と雷は凄まじかった。雷が落ちると地響きがズズズズンという感じで、ちょっと怖かったですね。落雷の瞬間何か金属の砕けるような音がしたのですが…