らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【3月総括】

3月はなんと言っても東日本大震災に尽きます。【2月総括】を見ると呑気に当たり前のように3月も同じように続くと思っていますがそうではありませんでした。自分はせいぜい帰宅難民もどきで済みましたが、東北では大勢の人が亡くなられたし避難所で生活し…

【字余りのうた】4 うぐいす

「朝の散策にて鶯の初鳴きを聞いて詠む」鶯(うぐいす)の初鳴き淀(よど)まずほうほけきょ春待ちわびて備えたるかな自分が住んでいる横浜では例年より8日遅い桜の開花宣言がありました。今朝散策しておりましたらいきなり完璧に「ほーほけきょ」と鶯が初…

【辞世の句】1 高杉晋作

自分は短歌俳句の類をあまり詠みませんが、 他人のものをみるのは結構好きで、 その中でも辞世の句は自分の好きなジャンルです。 自らの死に臨んで一生を振り返り、 歌に詠むという習慣は日本特有のものでしょうか。身分を問わず多くの人がそれぞれ辞世の句…

【人物列伝】3  高杉晋作 エピローグ

数年前のある春の日自分は会社に出張を命じられた。「4月14日山口県防府及び下関に出向いて業務をするように」思わず嬉しくて飛び上がった。なぜならその日は高杉晋作の命日だったからだ。1866年8月第二次長州征伐が高杉晋作の活躍もあり、長州藩優…

【人物列伝】3  高杉晋作 後編

前編で高杉晋作及び彼の属する長州藩は、日本の先駆けであったと言いました。しかし最初から長州藩の全てが、高杉晋作の味方であったわけではありません。前編でも述べましたが、先駆けになるとはスマートでかっこいいものでなく、苦しくて乗り越えられそう…

「蜜柑」芥川龍之介

自分が小学校6年の時、社会科だけは教務主任の先生に教えていただきました。先生は授業の余った時間で、よく短編の小説を朗読してくださいまして、朗読と言っても本を見ながらでなく、身振り手振りをまじえながら表情豊かに話してくださいました。 みんな…

【東日本大震災関連】決断と実行

今日の朝、ネットでニュースを見ていたら次のような記事に目が止まりました。「災害ボランティア担当の辻元清美首相補佐官は26日、大阪ボランティア協会などが大阪市内で開いた勉強会に出席、「阪神大震災を乗り越えた力を東北の被災者に与えていこう」と…

【人物列伝】3 高杉晋作 前編

今回は高杉晋作を取り上げたいと思います。ご存じの方も多いと思いますが、一応略歴を紹介しますと1839年生~1867年死(享年27)。長州藩士。当初尊王攘夷の志士として活躍。奇兵隊など諸隊を創設し、長州藩を倒幕に方向付け重要な役割を果たした…

「月夜のでんしんばしら」宮沢賢治

宮沢賢治の名前を知らない日本人はほとんどいないでしょう。 パッと浮かぶ作品としては「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」というところでしょうか。 しかしその他の短編も興味深いものがいくつかあります。今回読んだ「月夜のでんしんばしら」もそのひと…

「赤ちやん」平山千代子

しかし平山千代子さんの作品は、屈託がない無邪気な初々しさにあふれています。いい意味でアマチュアっぽいといいますか、読んでいて思わずほんわかした気持ちになります。この作品は18歳で彼女が病気で亡くなった時、遺品整理をしていたお父様が、彼女の…

【字余りのうた】3 戻り寒

今日は所用で北関東に来ています。あいにくの曇り空で、顔に当たる雹混じりの北風がとても冷たく感じます。この時期は暖かい日と寒い日が一進一退で、徐々に春になっていくという感じですが、今年は気のせいか寒い日が多く、春の訪れが遅いような気がします…

「夏目漱石先生の追憶」追記 寺田寅彦

「先生からはいろいろのものを教えられた。俳句の技巧を教わったというだけではなくて、自然の美しさを自分自身の目で発見することを教わった。同じようにまた、人間の心の中の真なるものと偽なるものとを見分け、そうして真なるものを愛し偽なるものを憎む…

「夏目漱石先生の追憶」寺田寅彦

今回は寺田寅彦が師匠の夏目漱石を懐かしみ出会いから死に至るまでを回想した随筆です。彼が熊本の旧制高校時代の英語の先生が夏目漱石だったそうで、この文章の寺田寅彦は先に読んだ「俳句の精神」と異なり、すっかり旧制高校の学生服を着た生徒に戻り親愛…

「転校」平山千代子

自分は「転校」という小説のことも、平山千代子という女性のことも全く知らなかった。 なんでも1944年に二十歳前に亡くなられたようだ。ふむふむと読み進めると、現代の女の子が書いたと言われてもおかしくない十代の女性の瑞々しい感性が、平明な文体で…

【人物列伝】2  寺田寅彦

現代物理学(量子物理学)が可能にした原子力の利用を開始してから、まだ60年程度です。また日本の東海発電所において最初の原子力発電を開始されたのが1966年ですから、歴史としては50年ちょっとです。原子核反応により発生するエネルギーは、化石…

【東日本大地震関連】自分にできること2

大震災から1週間が経過しました。被災地各地に救援隊も入り活動を始めましたが、まだ救援物資が全てに行き渡るというわけにはいかず、被災者にとっても支援者にとっても長丁場になりそうな感じです。また福島原発も今日明日という感じの危機感は多少遠のい…

【東日本大地震関連】3・11地震記5

今回でラストです。繰り返しになりますが、震災した際考えたのが、まず「会社家族への連絡」次に「会社自宅にどうやって帰るか」という2点でした。「会社家族への連絡」については2において述べました。「会社自宅にどうやって帰るか」については今回に限…

【字余りのうた】2 桜の蕾

地震当日から音信不通になっていた友人の方から連絡があり、ブログにも無事との記事がアップされていました。その方とは和歌やら俳句の話を楽しくしたことがあり、これからも末長くお付き合いしていきたいと思っていました。この時節ブログが途切れて、ずっ…

【東日本大地震関連】輪番停電と鉄道運休

輪番停電の混乱ぶりはニュースの通りです。実施があまりに急だったので誤解やら流言やら様々飛び交いました。東京23区で輪番停電を実施するかについても東電の社長は実施しないと言い、政府は実施すると言う。トップがこれだけ混乱しているのだから下々の…

【東日本大地震関連】3・11地震記4

遅くなってすみませんでした。続きです。震災した際考えたのが、まず「会社家族への連絡」次に「会社自宅にどうやって帰るか」という2点でした。「会社家族への連絡」については2において述べました。「会社自宅にどうやって帰るか」については、今回に限…

【東日本大地震関連】自分にできること1

本日福島第一原発3号機水素爆発し、自衛隊員ら7人が一時行方不明でしたが生存が確認されました。死地に自ら赴いて懸命に作業されている方々には言葉もありません。そこから送られた電気で自分は暖房をつけ温まり、温かいご飯を食べ、その他諸々の文化生活…

【東日本大地震関連】輪番停電

自分のような一般家庭は停電仕方ないと思っていましたが、予想以上の停電ですね。JRもこれだけ運休するとは。昨日夜寝る時は一言も言ってませんでした。福島の原発が停止したのみで、首都圏にこれだけ支障が出ると思うと背筋が寒くなります。東電ホームペ…

【東日本大地震関連】3・11地震記3

それでは本編に戻ります。繰り返しになりますが、地震時横浜北部で地震にあい、通常であれば電車で会社自宅へ1時間前後で行ける地点におりました。その時考えたのが、まず「会社家族への連絡」次に「会社自宅にどうやって帰るか」という2点でした。「会社…

【東日本大地震関連】3・11地震記 おことわり

昨日続きをすぐ投稿すると言いながら遅れてすみません。福島宮城の知人の無事がわかりましたので、少し話をしていました。他のブログやニュースなど見ていると自分の体験など被災にも入らないのではないかと思い、体験記事を書くのも恥ずかしく思われました…

【東日本大地震関連】3・11地震記2

今日一日テレビに釘づけでした。なるべく無駄な電力を使わないよう毛布にくるまって見ていました。甚大な被害に無力感も感じますが、今後も同じような地震が起こる可能性もあります。そこで非常に僅少な情報提供かもしれませんが、昨日の体験を基に役に立つ…

【東日本大地震関連】3・11地震記1

15時前地震が発生した時、自分は横浜北部のニュータウンにいました。お昼休みのカフェで仕事の後処理をしました。最初かすかな揺れを感じましたが、次第に揺れは大きくなり思わず外に飛び出しました。大の大人でも街路樹につかまらないと立っていられない…

「俳句の精神とその修得の反応」‐俳句の精神‐続き 寺田寅彦

昨日の続きです。なんだ昨日の高校国語の教科書みたいな文章かなどとおっしゃらないで。今日読んだ部分は寺田先生が真面目にキテレツなことも論じていてなかなか面白いんですよ。昨日の大雑把なまとめで短歌俳句というのは人間を自然の一部と捉える日本人の…

【字余りのうた】1 春の海

「春」を見に行くといえばまず一番に挙げられるのはやはり「桜」でしょう。次に「梅」辺りでしょうか。しかし「海」もいいですよ。春の海はきらきらしていて磯の香りも心地よく、波の音は少々大きいですが、耳につくものではありません。本日は所用で海辺の…

「俳句の成立と必然性」‐俳句の精神より‐寺田寅彦

「好きなもの イチゴ珈琲花美人 懐手して宇宙見物」寺田寅彦作の短歌です。明治時代の人としてはなかなか洒落っ気のある人ですね。寺田寅彦は夏目漱石の高弟の一人で東大の教授にして物理学者。理化学研究所にも所属していたバリバリの科学者です。この作品…

【人物列伝】1 伊能忠敬

先日千葉県佐原というところに所用で行ってきました。この銅像の人は誰でしょう?ちょっと写真が遠いですけども…まあ白梅のきれいなのはそれなりに映っていますね。答えは江戸時代の測量家伊能忠敬です。彼のことをご存じでしょうか。ごくごく簡略に言うと、…