らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2011-01-01から1年間の記事一覧

【万葉集2011】29 新しき 年の初めに

これが今年最終の記事になります。今年最後に最も感じ入った歌は新しき年の初めに思ふどちい群れて居れば嬉しくもあるか道祖王新しい年の初めに気の合った仲間たちで集まっていると嬉しいことだよこの歌に多くの言葉は不要でしょう。古今貴賤を問わず、思う…

【閑話休題】年賀状

皆さん、年末いかがお過ごしでしょうか(^^)自分は昨日から会社が休みになり、休みの初日はふとんに蓑虫のようにくるまって日柄過ごしておりました。昼間ふとんにくるまって過ごすって気持ちいいですね~(^_^;)しかし、いつまでもそうしているわけにもいかず…

100分de名著「銀河鉄道の夜」宮澤賢治 最終回 ほんとうの幸い

最終回のテーマは「ほんとうの幸い」。今回はもう1人ゲストが来ていて、その人がほとんど話をしていましたが、この人は本当に必要だったのかなあ。せっかくのパルバースさんが、ただの置物になっていました。ゲストが複数人いるならば、それぞれの意見を照…

「寒戻りの梅」或る日の二人の風景

けっさんさんの自作小説の課題は12月締切のものはありません。しかしそれでは寂しいので一編書いてみました。先月の自作小説でいただいた投稿の中で、もっと登場人物の具体的な人物像や関係といったものを、ふくらまして欲しいという趣旨のものがありまし…

【万葉集2011】28 筑波嶺の をてもこのもに

今日はクリスマスですね。昨日はコミカルなクリスマスの記事をお届けしましたので、今日はちょっと真面目な、クリスマスにふさわしい内容のものをお届けしようと思います。今回最も感じ入った歌は筑波嶺(つくはね)のをてもこのもに守部(もりへ)据(す)…

【閑話休題】クリスマスのお話四編

皆様にHappy & Merry Christmas!です(^^) 今日はクリスマスらしい?話でお楽しみください。その1「破戒僧」子供の頃、父の実家で住職をしている伯父が、楽しそうに言った。「もぞくん、メリークリスマス!」寺の本堂には、それはそれは立派なクリスマスツリ…

100分de名著「銀河鉄道の夜」宮澤賢治 第3回 みんなつながっている

今回のテーマは「みんなつながっている」というものでした。冒頭、パルバースさんが「私はあなたであり、あなたは私であり、全ての人はつながっている。のみならず、山や光、動物や昆虫など自然に存在するもの全てともつながっている」という賢治の意識につ…

【万葉集2011】27 衣手に 水渋付くまで

今回最も感じ入った歌は衣手(ころもで)に水渋(みしぶ)付くまで植ゑし田を引板(ひきた)我が延(は)へ守れる苦し或者袖に水垢がつくほど苦労して植えた田んぼなのになあ鳴子をつけた縄を巡らせて見張りをするのはつらいものだ自分が子供の頃は母親から…

【字余りのうた】41

静寂な夜明け前の散策にて詠むしんとした青き夜空に青い雲またたく星に猫の目の月ブログの知り合いの方には、素晴らしい自由詩を書かれる方が何人もいらっしゃいます。自分は自由詩はあまり作れないのですが、その方々に刺激を受けて、自由詩っぽい定型詩を…

【閑話休題】となりのトトロ作戦

昨日、以前所属していた課の有志で忘年会がありました。メンバーは20代から40代までの男のみ!まあ男だらけの忘年会というところです(^_^;)こういうメンツが揃った時にする話といえば、「どうしたらモテるか?」これに尽きます(^_^;)メンツの中に、40…

100分de名著「銀河鉄道の夜」宮澤賢治 第2回 悲しみから希望へ

第二回冒頭「銀河鉄道の夜」のストーリー紹介で、ジョバンニとカムパネルラがどこまでも一緒に行こうと誓い合った直後、カムパネルラの姿が消えてしまうシーンのアニメーションの作りは、非常に良かったと思います。そのシーンのBGMは宮澤賢治が作曲した…

【万葉集2011】26 田子の浦ゆうち出でて見れば

今回最も感じ入った歌は田子の浦ゆうち出でて見ればま白にそ富士の高嶺に雪は降りける山部赤人田子(たご)の浦を通り眺めのよいところに出て望み見ると真っ白に富士の高嶺に雪が降り積もっている11月末あたりからずっと曇り続きで、首都圏から富士を拝む…

【字余りのうた】40 月蝕

「皆既月蝕の月をみて詠む」月蝕の欠けたと思はばすぐ満ちて白き月明かり窓に差し込む昨日は11年ぶりに全国で皆既月蝕が見られたそうで、首都圏は天気に恵まれ、きれいに拝むことができました。夜10時過ぎ、ほぼ真上の天頂に月が差しかかった時、次第に…

【テレビ番組】日本有線大賞

年末が近づいてきましたね。年末のテレビ番組といえば、紅白歌合戦、レコード大賞などですが、近年レコード大賞などは事務所間のしがらみや選考方法の不透明感から、視聴率などはあまり芳しくないようです。しかし自分はその中で、日本有線大賞だけはなんと…

100分de名著「銀河鉄道の夜」宮澤賢治 第1回 賢治の伝言

見終わった感想は、う~~ん、そうですね。宮澤賢治及び「銀河鉄道の夜」の事について今回がほぼ初めてという方には、分かりやすい構成で良かったと思います。ただし既にそれなりの知識があって、作品も読んでいらっしゃる方には、やや掘り下げ不足に感じた…

【映画】二百三高地

1980年東映監督 舛田利雄仲代達矢(乃木希典)あおい輝彦(小賀武志)夏目雅子(松尾佐知)丹波哲郎(児玉源太郎)森繁久彌(伊藤博文)三船敏郎(明治天皇)企画協力 瀬島龍三戦争映画というと、反戦的か好戦的かのどちらかの主張が色濃く出されるものがほとんどで…

「艇長の遺書と中佐の詩」夏目漱石

今年の大河ドラマも終了し、年末の「坂の上の雲」が始まりました。それに伴い、昨年までの放送分も再放送されましたが、その中で主人公秋山真之の海軍兵学校時代からの親友広瀬武夫の戦死シーンなどが含まれておりました。当ドラマをご覧の方は周知かもしれ…

【告知】100分de名著「銀河鉄道の夜」宮澤賢治

明後日12月7日水曜日からNHK 教育テレビで「100分de名著 銀河鉄道の夜 宮澤賢治」が放送されます。毎週水曜日全4回で第1回12/7第2回12/14第3回12/21第4回12/28 時間は22時から22時25分までです。解説はロジャー・パ…

【11月総括】

11月の【青空文庫】の読書は堀辰雄「燃ゆる頬」夏目漱石「夢十夜」堀口九万一「東西ほくろ考」中島敦「牛人」伊藤左千夫「野菊の墓」の5作品でした。様々な作家の様々な作品を読むことができて、とても満足しています。中でも「夢十夜」は夏目漱石の意外…

「寒戻りの梅」エピローグ

拙い自作作品を読んでいただいて、皆様ありがとうございます。この作品の最初の構想では、「僕」は彼女の死を知って嘆き悲しみ、時が経ち、幻のように消え去ってしまった彼女を追憶するという内容にして、1記事にまとめようと考えていました。しかし「僕」…

【けっさんさん11月課題分】「寒戻りの梅」後編

東京に帰った僕は、彼女のことが気になりながらも、来るべき大学の試験に向けての準備に明け暮れていた。そんな時、実家から小包が届いた。その中にはいつも通りの食料品などの他に、遅れて届いた年賀状なども入っていた。なにげなく一枚一枚めくって見てい…

【けっさんさん11月課題分】「寒戻りの梅」中編

しばらく二人は、みぞれ雨の降る中、静けさの中の、春の梅園を散策していたが、おもむろに僕が沈黙を破った。「…そろそろお昼でも食べようか」彼女は黙ってうなずいた。園内にあるレストランに入って、温かい食べ物と飲み物を口にすると、彼女は幾分快活にな…

【けっさんさん11月課題分】「寒戻りの梅」前編

僕と彼女は高校三年の時、同じクラスになり知り合った。四月の新学期当初、出席番号順に席が並んでおり、ちょうど同じような名前順だった二人は隣同士の席になった。彼女はショートカットにちょっと癖っ毛で、つぶらな目をした細面の愛らしい子だった。天真…

【字余りのうた】39 秋の茜空

秋深し色づく山の鮮やかに紅(くれない)染まるもみじ葉や黄金(こがね)に色づく銀杏(いちょう)葉は茜の空にさらに映え惹かれて集(つど)う鳥たちの楽しきさえずり心地よくこの穏やかなる秋空がとこしえならんと祈りたりブログの知り合いで短歌をたしな…

【閑話休題】銀座ラビリンス(迷宮)

昨日は東京八重洲に書類等を少々大量に納品する仕事があり、車で横浜から運転して行きました。ちょっと大きめのワゴン車だったのですが、実は自分、車の運転がそれほど得意ではないのです(^_^;)特に夜の運転はです。予定では昼前に出て、明るいうちに帰って…

【万葉集2011】25 秋萩の 散り行く見れば

今回最も感じ入った歌は秋萩の散り行く見ればおほほしみつま恋すらしさ雄鹿鳴くも詠み人知らず秋萩の散り行くのを見ると心晴れず妻が恋しくなるらしい雄鹿が鳴いているよ 皆さんは鹿の鳴き声を聞いたことがあるでしょうか。「ビー」というような鳴き声なんで…

「野菊の墓」考 伊藤左千夫

以前大学生のブログ友達と話をしていましたら、どうも昔の小説は古い感じがして読みづらい。だからどうしても敬遠してしまう。というようなことを言っていたことがありました。確かに明治大正あたりの作品ですと、すでに百年経過していますから、ものによっ…

「野菊の墓」伊藤左千夫

「野菊の墓」は15歳の少年政夫と2歳年上の従姉民子との淡く切ない恋を描いた作品です。子供の頃読んで、ぼやっと覚えていた程度だったのですが、ブログ友達の方が記事に可憐な野菊の画像を掲載してくれたことに触発され(^^)今回読み直してみました。政夫…

【万葉集2011】24 物皆は新しき良し

今回最も感じ入った歌は物皆は新しき良しただしくも人は古(ふ)りにし宜(よろ)しかるべし詠み人知らず物はみんな新しいのがよいただし人間だけは古くなった方がよろしいようだ金曜日の夜、会社を定年退職された方の送別会が行われました。自分も大変お世…

【字余りのうた】38 桃椿

「嵐の中咲きみだれる椿の花を見て詠む」桃椿花の底まで濡れにけり今日の横浜は朝から台風と見まがうような大風と大雨の一日でした。こんな日は家に居たかったのですが、どうしても済ませなくてはいけない用事がありまして、1時間ほど外出しました。傘をし…