らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2013-01-01から1年間の記事一覧

【クラシック音楽】グレン・グールド 前編

以前、クラシック音楽の記事で、もし無人島にたった一人の演奏家のレコードしか持っていくことができなかったら…ということで、チェリストのジャクリーヌ・デュプレを紹介しました。今回は、そのデュプレとどちらを選ぼうか最後まで迷うであろう演奏家の話…

【人物列伝】25 ラザロ・スパランツァーニ 自らを実験台にした科学者達

先日、自らの体を実験台に睡眠の法則を発見しようとした、という記事を書きましたが、これは自分自身のオリジナルの発想というわけではなく、歴史上脈々と受け継がれてきた、偉大な科学者の先人の生き方に倣って試みたものなんです。その種本は、「自分の体…

【クラシック音楽】若きベートーベンの音楽

ベートーベンというと、交響曲第5番「運命」や第9番「合唱付き」のように、重厚で、心にずしんと来る曲想のものを、思い浮かべる人が多いのではないかと思います。それはベートーベンが耳の重大な疾患にもかかわらずそれに打ち勝ち、人類の至宝となるよう…

【閑話休題】2020年東京オリンピック決定雑感

この前の日曜の明け方、2020年のオリンピック開催地が東京に決定しました。自分は土曜日、仕事やら、いろいろで夜遅くまで出かけていて、帰ってきたのが午前1時頃だったので、その流れで、そのまま開催地決定の成り行きをテレビで見守っていました。帰…

【閑話休題】睡眠に関する人体実験について

自らを実験台とし、人間の記憶の性質を解き明かしたエビングハウスに捧ぐ…8月総括でも述べましたが、ここのところ勤め先の仕事が非常に忙しく、満足に睡眠も取ることができないような日々がずっと続いておりました。最初は、もう眠くて仕方なかったのです…

【8月総括】

8月は会社のちょっと大型の受注とタイトな納期により会社の仕事が超絶に忙しくなってしまい、特に後半、自分自身の記事もあまり書けず、また皆さんのブログに訪問することもままならず、大変申し訳ありませんでした。1日1時間くらいはブログの時間を取り…

「西瓜」永井荷風

去り行く夏に捧ぐ持てあます西瓜ひとつやひとり者荷風冒頭の俳句が、この作品の雰囲気というものを非常によく表しているように感じます。永井荷風は、主に大正から昭和の戦後にかけて活躍した文筆家です。代表作は「墨東綺譚」など。これは少し前に映画にも…

「戦国の長嶋巨人軍」志茂田景樹

先日、織田信長と桶狭間合戦の記事を書いた際、実はこの作品のことが頭にあって、記事を書こうか迷ったのですが、まあ夏休み最後のご愛嬌ということで、今回掲載することにしました。この本の要旨をかいつまんで言うと、ジャンル的には、一時期大いに流行り…

「西瓜」岡本綺堂

お盆は終わりましたが、まだまだ暑い夏の日が続いていますね。夏といえば思い浮かぶものといえば、やはり「西瓜」でしょう。冷蔵庫で冷やして、赤いみずみずしい果肉をしゃきしゃきと食べると一時(いっとき)夏の暑さを忘れます。そして、もうひとつ夏とい…

【閑話休題】ご当地ゆるキャラ

昨今、ご当地ゆるキャラというものが大流行しています。その中でも、ずば抜けて存在感を示しているのが、こちらのくまモン(熊本県)バリィさん(愛媛県今治市)の2つでしょう。この2つのキャラの勢いは凄まじく、遠く離れた首都圏でも、そのキャラをかた…

【絵画】「風立ちぬ原画展」横浜そごうにて

お盆真っ只中も相変わらず仕事だったのですが(-.-;)いつもより仕事が少し早く終わった、そのちょっとした隙間を利用して、横浜そごうで行われていた「風立ちぬ原画展」に行ってきました。http://www.ghibli.jp/10info/009341.html上のサイトにも説明があり…

【旅】広島原爆の旅 20年後の原爆ドーム

時が経ち、再び広島を訪れたのは、最初に訪れた時から20年ほど後のことでした。会社の出張で広島に出向いたのですが、20年ぶりに見た原爆ドームの感想は、随分年老いたなという印象でした。建物が時の経過で朽ちたというのとは、ちょっと違うんです。年…

【旅】広島原爆の旅

小学3年の夏休みは、広島への旅となりました。それは個人旅行という形ではなく、広島原爆体験を聞く親子ツアーというようなパックツアーだった記憶があります。そのツアーは昼間はフリーでしたので、宿につくとすぐ、原爆ドームと原爆資料館を見学に行きま…

【字余りのうた】51

雛たちの生命(いのち)が尽くす光かなもぞ先日、自分の住む近隣の駅ビルに、人々が集まって、何かを見ている光景に出くわしました。なんだろうと思って近づいてみると、駅ビルの1階のテナントの入り口を照らすライトの上に、小さな燕の巣が、ちょこんと乗…

【人物列伝】24 織田信長 前編

先日掲載しました菊池寛「桶狭間合戦」は、信長が成功した理由を、新井白石の言葉を借りて次のように述べています。父信秀の富国強兵政策をよく引き継ぎ、京に近く交通の便もよい、豊かな尾張という地の利もよく生かした。これは間違っているとは申しません…

【7月総括】

皆さん、夏の日々、いかがお過ごしでしょうか。首都圏ではカーッと強烈な太陽が降り注ぐ暑さはないのですが、非常に湿気が多く、長時間外出していると体がベタする感じで疲れてしまう…そんな感じの気候が続いています。ちなみに今日は横浜港で花火大会があ…

「桶狭間合戦」菊池寛

もしタイムマシーンがあったら、どんな歴史的エピソードを見たいかという話題がよくあります。見たいものは無数にありますが、ドラマチックな瞬間という観点からすれば、浮かぶのは2つ。まずひとつは、幕末の長州で高杉晋作がわずか数十人の同士で決起した…

【テレビ番組】ドラマ「ずっとあなたが好きだった」

1992年夏放映されたドラマ。題名を見ただけで、ピンときた方もいらっしゃると思います。そうです。この人のドラマです。 冬彦さんですよ、冬彦さん(^_^;)最初全くノーマークだったのですが、学校の友達が「変な笑えるおっさんが出てるドラマやっとるか…

「三角形の恐怖」海野十三

△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△冒頭の三角形の列をよくご覧になりましたか。三角形の数を数えるくらいじっくり見ていただいたら、どうぞこの記事をお読みください(^_^;)久々の日本のSF小説のパイオニア海野十三の作品「三角形の恐怖」。ジャンルは、オカ…

【閑話休題】「Captain of the Ship」

「彼は太宰治なんです。」大麻で夫が逮捕された時に、妻の志穂美悦子さんが報道陣に述べた言葉。その夫とはミュージシャンの長渕剛。本当は心が繊細で弱いのに外に対しては虚勢を張って強がっているとかいうような意味合いで、その発言をしたのだと思います…

「回想の太宰治」津島美知子

前回紹介した1994年(平成6年)夏に放送された「人間・失格」~たとえばぼくが死んだらというドラマ、http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/11743208.html実は、最初、「人間失格」という太宰治の小説の題名そのままズバリのドラマタイトルでした。…

【テレビ番組】ドラマ「人間・失格」~たとえばぼくが死んだら

前回紹介した「プロゴルファー祈子」から7年ほど時代が下ります。80年代に全盛だった校内暴力や不良といったものも影をひそめ、時代は、一応の落ち着きをみせた観もありました。しかし、社会は新たな問題に直面しつつありました。それはイジメ問題です。…

【テレビ番組】ドラマ「プロゴルファー祈子」

ドラマシリーズも佳境に入って参りました。このドラマは、1987~88年にかけて放送された作品です。当時、自分はローティーン世代でした。あの大映テレビ製作です。大映テレビ作品というのは、1980年代に一世風靡しまして、必要以上に情熱的な台詞…

「人生論ノート 死について」三木清

久しぶりに読書の記事です。三木清「人生論ノート」というと、小林秀雄などの作品と並んで、高校時代に必ず読めといわれたものです。しかし当時は難しくて、何を言いたいのか全くわかりませんでした。そして、あれから長い年月が経ち、社会経験もそれなりに…

【絵画】「雨 蒸気 速度 グレートウェスタン鉄道」ジョセフ・マロード・ターナー

http://rank.cd-cdn.com/image/upload/w_544,h_544,c_limit,q_100/rankingshare-fa83772040dc11e4a94e06e0b9b52e4f145b5c5302f43d41ad.jpg ちょっとキザな言い方かもしれませんが、絵画との出会いは、恋の出会いと似ているところがあります。それまで眼中に…

【閑話休題】名古屋弁

前回京都旅行の記事での、母の発言は名古屋弁で表記しました。母は生まれてこのかた、愛知県以外では住んだことのない人なんです。しかし、東海地方(愛知岐阜三重)以外の人にとっては今ひとつイントネーションというか語感がつかめなかったかもしれません…

【旅】「京都」 生まれて初めての旅

http://umekouji-misao.cocolog-nifty.com/blog/images/2012/03/11/img_0766.jpg みなさんは生まれて初めて旅をしたところはどこでしょうか。自分は親戚のいる岐阜や三河(愛知県東部)を除けば、最初の旅行は京都でした。小学1年の時のことです。きっかけ…

【6月総括】

紫陽花を愛でる間もなく夏来せり6月は会社の仕事が非常に忙しく、少々ブログはサボり気味でした(-.-;)天気が悪いと気圧が低く、どうしても持病の頭痛が悪化することもあり、ずつない(名古屋弁?調子が悪いとか苦しいという意味です)状態が続きました。が…

【万葉集2013】12 いさなとり海や死にする

いさなとり海や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干(しほひ)て山は枯れすれ詠み人知らずいさなとり海は死ぬのですか山は死ぬのですか死ぬからこそ海は潮が干上がり山は枯れるのです冒頭の「いさなとり」とは海にかかる枕詞で、「鯨魚取」「勇魚取」な…

富士山文化遺産記念【万葉集2013】11 なまよみの 甲斐の国

こちらの画像は、夏の、いわゆる青富士の姿です。天頂に雪をかぶった定番の富士山も美しいですが、夏の凛々しく雄々しい富士もなかなか素晴らしいと思いませんか。なまよみの 甲斐(かひ)の国うち寄する 駿河(するが)の国とこちごちの 国のみ中ゆ出で立てる …