らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

2012-01-01から1年間の記事一覧

「春は馬車に乗って」横光利一

最近、入院中の父の見舞いの帰省やらなんやらで、なかなか本が読めませんでしたので、久しぶりに読んでみました。といっても今回読んだのは、不治の病で入院している妻と、それを見守る夫の話なんですけれどもね(^_^;)冒頭から読んでいくと、病院のベッド…

【閑話休題】オフィスのお話五編

今日は秋の気晴らしに、オフィスの愉快な仲間達?との、ショートショートを、いくつかお送りしようと思います。これは全て実話です(^_^;)「飛蚊症?」数日間ずっと、書類監査をしていた先輩が、思わず目をつぶって、苦しそうに呻(うめ)いた。「うわっ、や…

【クラシック音楽】同曲異楽器の魅力 ヘンデル パッサカリア

このところ、父の病の話ばかりでしたので、今日は久しぶりに音楽の話をしようと思います。前に「同曲異演奏の魅力」というテーマで書きましたが、今回は、「同曲異楽器の魅力」です。自分のクラシック音楽の好みを一言で言いますと、「シンプルな美しさ」に…

【父の病】8

帰省2日目は時間に余裕があったので、現在小学5年の姪っ子とテニスをしました。姪っ子のテニスの活躍ぶりについては、以前お伝えしましたが、http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/9818426.html実は、かくいう自分も、中学の時、テニス部で活躍したな…

【父の病】7

8月末に帰省して、父を見舞って以来、1ヵ月半ぶりに名古屋に帰省しました。9月末に父が転院したので、新しい病院の様子を見に行くことと、来るべき自宅療養に備えて実家の片付けなどしなければいけませんでしたので。本当は転院する際、帰省したかったの…

【閑話休題】もぞ肥ゆる秋

今年も、早いもので10月になってしまいました。天高く馬肥ゆる秋。先日、会社に、珍しく元同僚の女性が来ていました。その人は三十代前半で、すっきりした美しい顔立ちの、しっかり者の女性なんです。エレベーターでばったり会うなり、彼女は、「まあ、も…

【9月総括】

秋は来ぬ紅葉は宿に降りしきぬ道踏み分けてとふ人はなし秋が来て紅葉が庭に降りしきるけれどもそれを踏みわけて訪れる人もない秋はこのような静寂なところで、もの思いに耽ったり、本を読むことができれば、言うことないんですけれども。この歌に詠まれた空…

【クラシック音楽】作曲家と自筆楽譜

人は、作曲家の創り出す音楽によって、その作曲家がどんな人であるかイメージする傾向にあると思います。例えば、バッハなら静謐、モーツァルトなら優美、ベートーベンなら勇壮、ショパンなら繊細というような感じに。しかし、今日は、ちょっと趣向を変えて…

【プロレス】4 東洋の神秘 ザ・グレート・カブキ

この間、仲良しのブロ友さんの記事で、お住まいの地方にプロレスの興業が来て、人気若手レスラーに会ったという話をしていました。ブロ友さんは若い女性ですから、そのイケメンレスラーの笑顔が素敵だったと、楽しそうに話していました。確かに現在活躍して…

「虔十公園林」宮澤賢治

先日、宮澤賢治を知るための作品として挙げさせていただいた「虔十林公園」ですが、巷では、あまり有名とはいえないかもしれません。しかし、この作品の主人公虔十(けんじゅう)の生き方が、宮澤賢治の生き方と重なり合うと感じる部分も多々あり、ぜひ読ん…

団栗(どんぐり)忌(仮)  宮澤賢治

実は、先週の9月21日は宮澤賢治の命日でした。この前、記事でも書きましたが、正岡子規の命日は糸瓜忌と呼ばれており、他にも、芥川龍之介は河童忌、太宰治は桜桃忌などと名づけられていますが、宮澤賢治にはそのようなものがありません。それならばと、…

【テレビ番組】大河ドラマ「太平記」鎌倉幕府滅亡の回

「耳無し芳一」の記事から、平家→源氏→北条氏と、時の支配者の盛衰を追ってゆく過程で、このドラマを視聴しました。1991年に放送された大河ドラマです。自分が見たのは、20~23回が収められた第6巻で、「足利決起」「京都攻防」「鎌倉炎上」「凱旋…

「病牀六尺」正岡子規

実は、本日9月19日は「糸瓜忌」といいまして、正岡子規の命日にあたります。なぜ糸瓜(へちま)かと申しますと、子規辞世の句である 糸瓜咲て痰のつまりし仏かな 痰一斗糸瓜の水も間にあはずをとゝひのへちまの水も取らざりきなどから取られていることに…

「耳無芳一の話」小泉八雲 おまけ話

平清盛が平治の乱で実権を握って20年で清盛が死去し、その5年後、壇ノ浦の戦いにて平家は滅亡しました。平家が栄華を極めたのは、たかだか二十数年間。例えて言うなら、21世紀になり実権を握って、今年くらいに一族全滅してしまうくらいの期間です。本当…

【クラシック音楽】指揮者三編

今日はクラシック音楽のコンサートにつきものの、指揮者についてのお話をいくつか。「踊るおじさん」あれは数年前、子供でも入場できる、ある音楽祭のコンサートに行った時のこと。曲が最高潮に盛り上がり、オーケストラも指揮者もノリノリで、自分も演奏に…

「耳無芳一の話」小泉八雲

小泉八雲の「耳無芳一の話」、改めて読んでみると、不思議に、知らず知らず、物語の音というものに意識が向いてしまいます。芳一を連れて行く鎧武者の甲冑がこすれる音、連れて行った先の、女達のひそひそ声。芳一がかき鳴らす琵琶の弦の音と、しんと静まり…

「双子の星」宮澤賢治

9月になり、中秋の名月も近づいてきて、ブログでも、ちらほら、お月さまにまつわる話を目にするようになりました。それでは。というわけではありませんが、今回、自分は、星にまつわる宮澤賢治の物語を。この「双子の星」は賢治が21歳の頃書いた、きわめ…

【クラシック音楽】同曲異演奏の魅力 ラ・カンパネラ

前回、初めてクラシック音楽というものに出会って、またたく間にCD所有4000枚になったという話をしました。へえー、4000曲もいろいろな曲のCDを集めたんだ。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。同じ曲のCDが何…

【閑話休題】パラリンピック

いつもはほとんど夢を見ることがない自分ですが、この前、なぜか鉄棒で、大車輪をしている夢を見ました。大きな円を描いて、ゆっくり、ぐるん、ぐるんと鉄棒を回っていました。着地も、木の葉がはらはらと大地に降り立つような、きれいで静かな着地。明日が…

【8月総括】

命(いのち)尽くし蝉大の字の秋の空これは昨年の今頃詠んだ歌です。http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/6027534.html8月もいつの間にやら過ぎ去り、9月になってしまいました。日中はまだまだ暑いですが、朝夕は涼しい風が吹き、過ごしやすくなり、…

【クラシック音楽】クラシック音楽とのなれそめ

最初にお断りですが、記事中、音源のページを貼りますが、全部聴く必要はなく、冒頭の2、3分聴いていただければ十分です。ビビビと来るものがありましたら、ぜひ全部お聴きください。また、本を読みながら、パソコンを見ながらの、ながらで聴いていただけ…

【クラシック音楽】クラシック音楽とウルトラセブン

この記事は、9月から掲載しようとしているクラシック音楽の記事で、こんな感じのを書きますというお試し版のようなものです。なお、記事中、音源のページを貼りますが、全部聴く必要はなく、冒頭の2、3分聴いていただければ十分です。また、本を読みなが…

【映画】バルトの楽園

今回紹介する映画は「バルトの楽園」。「ばるとのがくえん」と読みます。「バルト」とはドイツ語で「ひげ」を意味し、松平健演ずる松江豊寿収容所所長やドイツ人捕虜が生やしていた髭をイメージしているそうです。「楽園」は「らくえん」と「音楽の楽団(が…

「さようなら」田中英光

先日、ロンドンオリンピックにちなんで、「オリンポスの果実」というオリンピック選手の青春を描いた、田中英光の作品を紹介しましたが、今回は、その遺作「さようなら」です。彼の言うように「さようなら」という言葉は、他の外国語の言葉に比べると、切な…

【旅】行き帰りの道すがらにて 異文化コミュニケーション編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、その行き帰りの道すがらにも、いろいろな出会いや出来事があるものです。今回はとりあえず最終回。異文化コミュニケーション編です。「中国人と…」あれは、ニュージーランドを一人旅した…

【旅】行き帰りの道すがらにて 夜行バス編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、その行き帰りの道すがらにもいろいろな出会いや出来事があるものです。今回は夜行バス編です。「あー♪極楽極楽♪」自分は今まで日本全国いろいろ行きましたが、時には、夜行バスというも…

【旅】行き帰りの道すがらにて 車編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、その行き帰りの道すがらにも、いろいろな出会いや出来事があるものです。そこで今回は、今までの旅の道すがらであったお話を、いくつか紹介したいと思います。今回は車編です。「白煙を…

【父の病】6

実は今、実家の名古屋から横浜に戻る途中の新幹線の中です。はからずも2週連続の帰省になってしまいましたが、自分の仕事など諸事情により、9月前半まで帰省できなくなりそうので、父の自営関連の管理の件で仕方なく…今回は、姪っ子甥っ子も弟のお嫁さんの…

「倫敦消息」夏目漱石

ロンドンオリンピックも、あっという間に終わってしまいましたね。自分も、最終日の男子マラソンを見ていましたが、選手達が走るロンドン市内の様々な街並みに、歴史と伝統、そして新しい文化の息吹きのようなものを感じました。今回は、そんなロンドンで、…

【父の病】5

6月16日に父が倒れて、早いもので2ケ月が経とうとしています。入院中の父の見舞い及び諸々の用事を兼ねた帰省は、もう今回で4回目になりました。父は、と申しますと、相変わらず意思疎通のようなものはできないものの、70代になったばかりというのは…