らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【旅】行き帰りの道すがらにて 異文化コミュニケーション編

旅と申しますものは(ここで旅とは、観光、帰省など諸々を含みます)、
その行き帰りの道すがらにも、
いろいろな出会いや出来事があるものです。

今回はとりあえず最終回。
異文化コミュニケーション編です。


「中国人と…」

あれは、ニュージーランドを一人旅した帰りの飛行機での時のこと。

自分の席の隣は、東アジア系の中年男性。

飛行機の中はヒマなので、
どちらともなく話しかけ、お喋りが始まりました。

彼は中国人の王さんという方で、
山西省黄河中流北岸)出身で、貿易商をしており、
これから大阪に商談に行くとのことでした。

「儲かりますか?」
と自分が聞きますと

「あまり儲かっていないよ。」
と真面目に返答。
やっぱり「ぼちぼちでんなぁ」は、
デーブ・スペクターくらいでないと無理か(^_^;)

自分が、三国志が好きだというと、
王さんは非常に興味を示しました。

自分も本場中国人が三国志についてどういう捉え方をしているか、
とても興味がありましたので、
この機会に、いろいろ質問をぶつけてみました。


三国志上最高の豪傑は誰か?

彼はちょっと考えていましたが、
やはり関羽だろうと答えました。

なぜ呂布張飛ではないのか?と尋ねると

豪傑というのは、武力に秀でているだけではダメで、
部下や民衆から畏敬されていることも、重要な要素である。
そうすると一番バランスがいいのは、
関羽ではないかということでした。

あと関羽は神として祀られていることが、
畏敬の存在であったことをよく表していると言っていました。
ご存知の通り、関羽は横浜中華街の守り神でもあります(関帝廟)。

その時、自分は、中国人の関羽のイメージは、
日本人の菅原道真公(天神様)に対するものと、
似ているのかもしれないと思いました。
それぞれ商売の神、学問の神と位置付けは異なりますが、
両者とも不慮不遇の死を遂げ、
その死後、畏れられつつも敬われ、
各地に祠が作られたという点は、極めて似ています。

次に、三国志上最も智謀に優れた人物は誰か?

これについても、彼はしばらく考えていましたが、
曹操諸葛亮孔明)だと答えました。

2人の優劣は?と尋ねると

彼は2人は優劣をつけられない。
なぜなら、智謀の質が違うからと答えました。

どう違うのかと尋ねますと

曹操はclever、つまり頭が切れるという感じで、
諸葛亮孔明)はwisdom、つまり賢明で知恵に満ちているという感じだと答えました。

それでは、諸葛亮のライバル司馬懿はどうか?
と尋ねたら、

司馬懿は智謀家というよりは、陰謀家だとのことでした。

その他にもいろいろ楽しく興味深い話をしました。

このように書くと2人は何語でお喋りをしたの?
と思われるかもしれませんが、
中国人とは、意外に漢字の筆談で話が通じるのです。

例えば、先ほどの会話でも、
「我好三国志」「我好話三顧礼、関羽千里行」「誰智謀三国志人物?」「誰好三国志武将?」
など、かなりデタラメな筆談でも、十分コミュニケーションが取れます。
あとは中学英語くらいできれば、まず大丈夫なんです。

やはり、まず何よりも、コミュニケーションしたいという意志から、
全てが始まるのかもしれませんね。



「オランダ人と…」

あれは、会社の出張で、新幹線で名古屋に行こうとした時のこと。

自分が新横浜から新幹線に乗り込むと、
隣の席には、身長190センチはあろうかという
長身の白人男性が座っていました。

本当に大柄で、体をたたむように座席に座っていました。
自分が窓側の指定席でしたので、
ちょっとすみません…
と、
ことわって席に着いたところから、
お喋りが始まりました。

彼はオランダ人で、今回は日本企業の視察に来たアントンさんという方でした。

まず日本で最も印象に残ることは?
の問いには、

全てが整理整頓されていて、清潔なこと。とのことでした。
彼は仕事柄、工場などを視察することが多いそうですが、
特に工場内の整理整頓及び清潔さには驚いたとのことです。

オランダはどうして、あんなにサッカーが強いんですか?
の問いには

自分はサッカーにあまり興味がないので、
よくわからないとのことでした。
確かに日本人でも、柔道や相撲に興味ない人いますものね(^_^;)
そんな感じかもしれません。

彼との会話は英語だったのですが、
オランダ語は英語とドイツ語に極めて似ているため、
オランダ人のほとんどは3ヶ国語ができるそうです。
例文など紙に書いてもらいましたが、
確かに英語とドイツ語の中間のような言葉です。

そして、新幹線から見える田園風景が非常に美しいと、
しきりに写真を撮っていました。
季節はちょうど秋で、黄金色の稲穂の季節でした。

実は、その話の過程で、オランダの麦畑の風景の話などもしたのですが、
その時、どうしても「風車」の英単語が思い浮かばなかったんです。

そこで自分がしたのが、筆談ならぬ絵談。

皆さん、ご存知の通り、自分は、絵心においては一角のものがありますので(^^;)、
参照 http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/9218721.html
さらさらっと風車の絵を書いて、それを指し示して、
英語をまじえて、おしゃべりを続けました。

別れ際、彼はお互いの文化について、とても有意義な話ができたと言って、
名刺を渡して、固く握手をしてくれました。

こう書くと、英語を通じているように感じるかもしれませんが、
レベル的には中学の教科書レベルなんです(^_^;)

それにしてもアントンさんは大きかった。
一緒に同乗していたお仲間も同じく(^_^;)
何を食べたら、あんなにデカくなるんでしょうね。
ちなみにオランダ人成人男性の平均身長は182センチだそうです。