らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

海野十三のSF作品を読むにあたり

 

青空文庫には、純文学の他に、
SF小説やミステリー小説の類もたくさん掲載されています。
自分の好みが、少々、純文学に偏っているので、
なかなかブログに紹介できないんですけども。

というわけで、たまには青空文庫収録のSF小説を読んでみようと思い立ちました。

今回、紹介するのは、
海野十三(うんの じゅうざ)という作家の作品です(肖像下)。

 

 

なんでも彼は日本におけるSFの始祖的存在だそうで、
大正昭和の戦前辺りで活躍し、戦後まもなく亡くなっています。

彼の作品は、青空文庫になんと159作品も収録されており、
ラインアップをぱらぱら見ると、
「空気男」「沈没男」「赤外線男」「断層顔」
という辺りの作品に食指が動きます。

文系出身の自分には、どういう話なのか、
皆目見当がつきません。

文系出身で思い出しましたが、
この作者の海野十三氏、
早稲田の理工科で電気工学を専攻し、逓信省電気試験所に勤務した
根っからの理系人間の方です。

これは、SF小説を書くうえで、とてもいいことですね。

文系の自分は、科学的なことを言われても、
今ひとつピンとこないところがあります。

ウルトラマンに出てくる怪獣で、
ゼットンというのがいまして、
必殺技は、口から1兆℃の火の玉を発射するということなのですが、
そう説明されても、
1兆℃だったら、相当熱いから、
直撃だったらウルトラマンといえどもヤバいだろう。
というくらいの認識なのです。

実際、科学で1兆℃といいますと、
地球から何光年か先の宇宙の星まで、
一瞬で消滅してしまうほどの温度だそうで、
熱いとか、ウルトラマンがヤバいというレベルではないのです。

理系の作者だったら、
その辺りの知識を駆使して、
リアリティあるSF小説が期待できるのでは、
と思っています。

ところで、SF小説は興味ないなあ。という方もたくさんいらっしゃると思います。
特に女性の方などは、そうかもしれません。

自分もSF小説に詳しいわけでもなく、
上手に説得する術も持ち合わせていないのですが、
海野十三氏について、江戸川乱歩が次のような碑文を書いておりますので、
紹介いたします。

「全人類は科学の恩恵に浴しつつも、
同時にまた科学恐怖の夢に脅かされている。
恩恵と迫害との二つの面を持つ科学、
神と悪魔との反対面を兼ね備えている科学に、
われわれはとりつかれている。
かくのごとき科学時代に、科学小説がなくていいであろうか」

うん、やっぱり科学小説は、なければならない。
自分は科学小説も読まなくては。

というわけで、
これからはこういう類の物語も、
たまには読んでみようと思っています。

お付き合いいただけたら幸いです。
理系出身の方々、ツッコミ、フォローの類をいただければ、
更に幸いです(^_^;)