2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧
2日連続して横光利一作品です。さて今回の「蠅」は彼の代表作として挙げられるものだそうです。作品を通して馬のまわりを飛び交う一匹の蠅が登場しますが、感情の類は一切なく一個の無機物として終始します。物語に登場する馬車には息子が危篤の農婦、わけ…
「真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された。」特別急行列車の疾走感を感じることができましたか?自分のイメージ的には新幹線ののぞみとか、地元限定ネタですが京急の快特がこんなイメージでしょうか。…
本日は昼過ぎまでいろいろな用事でてんてこまいの忙しさでしたが、午後は本屋で本を購入したり、久々にレコード屋でクラシック音楽のCDを買ったりしました。今夜は紅茶でも飲みながらCDを聴き買ってきた本を読むつもりです。新しき本を買ひ来て読む夜半…
今日は高浜虚子と共に正岡子規の高弟と並び称される河東碧梧桐の作品です。名前が難しいですが「かわひがしへきごどう」と読みます。南予つまり現在の愛媛県南部を旅した紀行文で、節々で旅の俳句を詠んでいると思いきや一首も詠んでいません。この旅で俳人…
この作品は野球を世に知らしめるための啓蒙書というところです。正岡子規が野球をしていたってご存知でしたか。ユニフォームを着た写真も残っており結構似合っています。明治20年代でしょうからプロ野球が発足するまでまだ50年くらい前の話ですね。子規…
先日、石川啄木独自の打ちひしがれ感というか、挫折感というかが今ひとつ気になって、敬遠気味という趣旨の発言をしました。草に臥ておもふことなしわが額に糞して鳥は空に遊べりという詩はまだかわいい感じですね(笑しかし少年の心、望郷、旅立ちといった…
頬につたふなみだのごはず一握の砂を示しし人を忘れず題名の「一握の砂」は、土葬の際、参列者が一握りの砂を棺桶にかける風習からきているそうです。石川啄木は日本文学史上でも最も有名な人物の一人であり、教科書でも頻繁に取り上げられる存在ですが、自…