らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

100分de名著「銀河鉄道の夜」宮澤賢治 第1回 賢治の伝言

見終わった感想は、う~~ん、そうですね。

宮澤賢治及び「銀河鉄道の夜」の事について今回がほぼ初めてという方には、
分かりやすい構成で良かったと思います。
ただし既にそれなりの知識があって、作品も読んでいらっしゃる方には、
やや掘り下げ不足に感じたことだと思います。

冒頭の東日本大震災と絡めた構成を見て、あー、やっぱり、そう来るよなと思いました。

確かに宮澤賢治は東北出身なので、今回の地震と絡めたくなる気持ちはわかりますけど、
そこをあえて淡々と作品そのものについて語って欲しかったような気もします。

「賢治の作品は被災された方々にどんなメッセージを送っているのでしょうか」
というような提起の仕方はあまり好きじゃないです。

パルバースさんがせっかく素晴らしいことを言っても、
被災者の方々への激励メッセージみたいに変換されてしまって、
作品の本質みたいなものがわかりにくくなってしまったような気がします。

下手な気遣いをせず、素直に直接作品の本質に切り込む方が、
今回被災された方々の心にも染み入るのではないかとも思うのですが…

あと進行のアナウンサーやアシスタントの女の子要らないかも。
講師のカルバースさんが視聴者に直接語りかける独白形式にして欲しかった。
スタジオのトークがしっくりかみ合ってない印象を受けて、
なんとなくもたもたして、時間がもったいなかったような気がしました。

実は、今年の1月にNHK教育で「こだわり人物伝」という番組をやっていたんです。
宮澤賢治の作品ごとに毎回解説者が変わるんですが、
銀河鉄道の夜」はパルバースさんで、とても良かったんです。

自分としてはそれと比べると、どうしても今回の番組は分が悪く感じてしまいます。

とはいうものの、あと3回の放送を残していますので、今後に期待したいと思います。

逆に今回良かったのは銀河鉄道のモデルになった岩手軽便鉄道の機関車がかわいかったこと。
今までD51のようなのを想像していましたので。
その他は舞台となった種山ヶ原や北上川などの自然や、賢治直筆原稿が見られたことなどでしょうか。
宮澤賢治、結構子どもみたいなな字を書く人ですね。

なお、パルバースさんの解説をより詳しく読みたい方は番組のテキストがありますので、
それを見てみてください。
ただ注意していただきたいのは、あくまでパルバースさんの宮澤賢治像であり、
一般的な認識と少々異なるユニークな捉え方もあります。

ユダヤ人というのは、自分らが思っている以上に、
宗教的な立ち位置のようなものにこだわる人々なのかもしれません。

本屋でぱらぱら眺めてみて、気に入ったら買うというスタンスでよいのではないでしょうか。

とはいうもののパルバースさんの「銀河鉄道の夜」の感じ方は、素晴らしいものがあるのは確かなんです。
だからこそ、この番組の告知記事を書いたんですから(^^)

なお、この番組、再放送が2回ありまして、
本放送の翌週の水曜日午前5時35分~6時と午前11時30分~11時55分となっています。

見逃した方はぜひどうぞ。