らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】51



 
 
雛たちの
生命(いのち)が尽くす
光かな


もぞ



先日、自分の住む近隣の駅ビルに、
人々が集まって、何かを見ている光景に出くわしました。
なんだろうと思って近づいてみると、
駅ビルの1階のテナントの入り口を照らすライトの上に、
小さな燕の巣が、ちょこんと乗っかっているではありませんか。

ほんの僅かな空間に作られた巣の中に、
すでに大きくなりつつある雛が3匹。
巣からはみ出さんばかりに、力一杯に鳴いていました。

それは小さくて、可愛らしく、しかし力強く、
今にも巣から落ちんばかりの勢いで鳴いておりまして、
見ていてヒヤヒヤするほどでしたが、
道行く人は皆、足を止めて
その雛たちの鳴く姿に見入っていたのでした。



本日8月6日は広島の原爆忌
68回忌といいますから、
当時の記憶のある方でも、現在70代半ばのお年の計算になります。
この日一瞬にして何万人もの生命(いのち)が失われ、
本当に、述べる言葉がありません。

亡くなられた方々の魂を慰めるには、
静かに喪を弔うことも、もちろん大切ですけれども、
自分が見た雛たちのように、
今現在を懸命に、本来、自身のもつ光を放ち尽くして生きることが、
故人の最も喜び、かつ安堵する供養にもなり、
ひいては世の中を明るく照らすようにも感じます。

あまり上手い句とはいえませんが、
自分が耳にした雛たちの鳴き声が
少しでも聞こえてくるように感じられましたら、
まあ、目的は果たせたのかなあと思います。

五十歩百歩かもしれませんが、最初、

雛たちの
生命(いのち)を尽くす
光かな

と迷ったんです。
しかし、これだと光が主役になってしまうので、
雛たちが懸命に鳴いている生命を主役にするため、冒頭紹介した形としました。


なお、今年は8月に書く戦争関連の記事として、
小学3年の時の、広島旅行についての旅記事を書こうと思っています。