らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【テレビ番組】 歴史秘話ヒストリア「高杉晋作」


視聴した感想ですが、なんといいますか…
例えて言うなら、自分が行ったことのないレストランを他人に勧めて、

いざ自分も食してみて味が今ひとつで、

勧めた人への手前、ちょっとやっちゃったかなというところです(^_^;)

まずオープニングのスペインの牛追い祭りの映像で、

高杉晋作の暴れ牛を表現するという構成に違和感が。
でもこれは好みの問題かもしれません。


さらに辞世の句を、やんちゃで手がつけられない生き方の象徴みたいに紹介していましたが、

その解釈は字面的には可能ですが、内容的にはちょっと…というところ。


あと「愛されヤンチャ」というタイトルにこだわって、

高杉晋作の行動を全てそれで説明しようとする演繹法的論法や、
ナビゲーターの女性の語り口を始め、妙な母性愛みたいなものをくすぐるような

ナレーションや説明も…って感じでした。

とどめは…今回も功山寺挙兵で高杉さん、

言わなきゃいけない大事な台詞をまたもや言わずに出陣しちゃいましたね(^_^;)

そんなこんなで自分の心は吉本新喜劇の侍コントでめった斬りにされた芸人みたいなもんです。

でも愚痴は言いますまい。

高杉の手紙を多用して生の思いを知ることができたのは良かったですし、

剣術試合を挑んで全敗した日の日記が真っ白というのは始めて知って笑いました。
意気込んで臨み結果が得られなかった人にはよくあることです。

あと周布政之助とのエピソードは良かったですね。
それとちらっとですが、功山寺桜山神社の映像があったのは最低限良かったです。

しかし最後にひとつだけ言わせてください。

功山寺挙兵を番組は無謀な企てと称し、破れかぶれの一か八かで勢いで成功し、

勢いで奇兵隊を巻き込んで勝利したタナボタのごとく表現していましたが、

自分は断じて違うと思っています。


詳しくは自分の記事【人物列伝】2 高杉晋作を読んでいただけたらと思います。

総括しますと、高杉晋作夏目漱石「坊ちゃん」のごとき無鉄砲だけど

愛されるキャラみたいな感じのみに描かれていたことがやや残念です。


勝利者とは必ずクールな者なのですから。