【人物列伝】4 孫ピン 前編
孫子の兵法というものをご存知でしょうか。
後世の軍事の戦略戦術に大きな影響を与えたのみならず、
後世の軍事の戦略戦術に大きな影響を与えたのみならず、
つまるところ兵法とは人間心理の分析です。
二千数百年経っても今だ読み継がれるというのは、
二千数百年経っても今だ読み継がれるというのは、
その分析に合理性があり、普遍的な真理の核心を突いているからであり、
孫ピンの百年くらい前に活躍した孫武が記したものということで確定しているようですが、
紀元前4世紀頃活躍。生没年月日不詳。
ひん(月賓)とは刑罰の種類で、足の膝蓋骨のところで切断する刑をいいます。
ですから孫ピンとは、ひん(月賓)刑を受けた孫さんというぐらいの意味になります。
孫ピンは若い頃ホウ(广の中に龍)涓という友人とともに兵法を学び、
ですから孫ピンとは、ひん(月賓)刑を受けた孫さんというぐらいの意味になります。
孫ピンは若い頃ホウ(广の中に龍)涓という友人とともに兵法を学び、
ホウ涓は魏の国で将軍になりました。
しかし後日ホウ涓は孫ピンを魏へ招待し偽りの罪に陥れ、
しかし後日ホウ涓は孫ピンを魏へ招待し偽りの罪に陥れ、
ひん(月賓)刑と額に罪人の印である入れ墨の刑に処しました。
その理由については、
ホウ涓が自分より優秀だった孫ピンを、亡き者にしようとしたからとも言われています。
膝の骨から切断されているわけですら、膝関節は機能せず、
膝の骨から切断されているわけですら、膝関節は機能せず、
自尊心をめちゃめちゃにされ屈辱以外なにものでもなかったと思います。
普通であれば怒り狂って憤死したり、心が折れて精神まで不具になってしまうかもしれません。
しかし孫ピンは自己の自尊心をコントロールし、じっと静かに脱出のチャンスを待ちました。
その後、斉の使者が魏へとやって来た際に、
普通であれば怒り狂って憤死したり、心が折れて精神まで不具になってしまうかもしれません。
しかし孫ピンは自己の自尊心をコントロールし、じっと静かに脱出のチャンスを待ちました。
その後、斉の使者が魏へとやって来た際に、
密かにこれと連絡を通じ、使者と計らって魏を脱出することに成功します。
しかし、相手の警戒心を解き、幾重もの監視をくぐり抜けて斉の使者と連絡を取り、
その中でも自尊心を傷つけられたり、屈辱を受けたりした時の対応が最も不得手かもしれません。
自尊心が傷つけられたり屈辱を受けて、思わずカッとなって逆上し感情的な行動に走ってしまったり、
自尊心が傷つけられたり屈辱を受けて、思わずカッとなって逆上し感情的な行動に走ってしまったり、
自尊心が傷つけられ、屈辱を受けた人間が、その心を完全にコントロールし、
鮮やかに目的を遂げることの爽快感を、読者の方に味わっていただきたかったからです。
長くなりましたので、孫ピンが故郷斉に帰った後の話は後日に。
長くなりましたので、孫ピンが故郷斉に帰った後の話は後日に。