らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

「神曲 地獄編」プロローグ ダンテ


おそらく現在の天国地獄のイメージのほとんどはダンテ「神曲」からきていると思われる。
神曲」はイタリア文学最大の古典とされ、世界文学史上でも最も有名な作品のひとつとされる。

ダンテは日本の鎌倉時代末期に主にイタリアのフィレンツェで活躍した詩人(画像参照)。
ある導きにより地獄から天国の全てを見て回り、それを叙事詩という形で記している。

あまりにリアルな描写に幽体離脱でもして本当に見て来たんではないかと思ってしまうが、聖書やら当時の学問やら伝承などから、ダンテが詩人としてのイマジネーションを働かせ著述したものと思われる。

ただ彼の叙事詩が語る天国地獄は多分にダンテ自身の人生体験及び当時の社会を規律していたカトリックの教えによる影響を受けている。
もっと言ってしまえばダンテ自身の好みにより、天国地獄を振り分けているような部分さえある。

例えば、ダンテ自身、当時のフィレンツェにおける政争により永久追放されていることから、政敵が深い地獄に落ちていたり、カトリックを信仰していない者は総じて低いステージに甘んじるということが挙げられる。
そして最もダンテ自身の願望?が表れているのが、彼が密かに恋い焦がれながらも若くして亡くなったベアトリーチェという女性が、ダンテをあの世に導いた天使として登場していることである。

よって現代人の我々が読んでいて、素朴な疑問もそこかしこに湧いてくるが、逐次その都度述べたいと思う。

ただダンテは書簡にて「人生における道徳的原則を明らかにする」と述べており、できるだけ客観的に記述するよう努めながら、個別的にダンテの願望が記されたという辺りに落ち着くだろうか。

なお自分が読んだ青空文庫の「神曲」は文語体で少々意味がわかりづらいので、他にも現代語訳やら超訳やらが出版されており、興味を持った方は好きなのを読んでみるとよいと思う。デビルマンなどで有名な永井豪さんが書いた漫画版もある。

いつぞやにも述べましたが、自分は父方の実家が曹洞宗の禅寺で、母方の弟がプロテスタント系の牧師という日本人らしい?和洋折衷の宗教観を持っている者です。一般人に毛が生えたくらいですが見聞きしたこともありますので、記事にそれが生かせればと思います。

それでは「神曲 地獄編」具体的内容については来週月曜からのお楽しみということで。
頑張って何回か書きます(^_^;)