らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】25 竹取物語

「夏の夜の満月の光が地に降(ふ)りたるを見て詠む」



かぐや姫
降(お)り来(き)たるよな
夏の夜の
煌々(こうこう)と降(ふ)る
満月の光



毎日暑い日が続きます。昨日は仕事でかなり遅くなり、
夜中とぼとぼ家路についておりました。
街灯もついてないのに空から光が降(ふ)ってくる感じがしたので、
ふと空を見上げると、それはそれはきれいな満月の光が地に降(ふ)りそそいでおりました。

地上は暑さで蒸し蒸ししていますけど、
光を放つ月の表情は実に涼しげでした。
みなさん、この記事をお読みになったら、
ぜひ今日の夜空を見上げることをお勧めします。
月の光がひとときの涼を与えてくれるものと思います。

かぐや姫は言わずと知れた「竹取物語」のヒロインですが、
竹取物語」は日本最古の物語であり、SFですよね。

最もSFっぽい部分である月から迎えが来るシーンを紹介しますと



真夜中の子の刻の頃、翁の屋敷の周りがにわかに明るくなったと思うと、
煌々と光り輝く満月から天人が雲に乗って降りて来て、
地面から五尺ほどの宙に浮かんで立ち並んでいる。
詰めていた武士はそれを見て戦い合おうという気もなくなり、
何とか心を奮って弓矢を構えようとしても手に力も無くなり萎えてしまった。
気丈な者が堪えて射ようとしたが矢はあらぬ方へ飛んでいき、
ただ茫然とお互い見つめ合うしかなかった。
すると錠をして締め切っていた戸や格子が即座に開いていき、
奥で嫗が抱きかかえて座っていたかぐや姫は外の方に出てしまった。
外で待っていた天人がかぐや姫に天の羽衣を着せると、
この世に対する物思いがなくなってしまい、
かぐや姫は車に乗って満月の光輝く天に昇って行ってしまった。



月の光をモチーフにしたとても美しいくだりだと思います。
今紹介した「竹取物語」のくだりを彷彿とするような昨夜の美しい満月の光でありました。