クラシック音楽
グールドの、自分なりのイメージは、孤高の求道者、修行者といったものに近い感じなのかなと思うところがあります。例えば、僧侶に例えれば、民衆の面前で素晴らしい説法すれば、それを聞いた人々は興奮し賞賛する。しかし、いつしかそれは何が真理かという…
以前、クラシック音楽の記事で、もし無人島にたった一人の演奏家のレコードしか持っていくことができなかったら…ということで、チェリストのジャクリーヌ・デュプレを紹介しました。今回は、そのデュプレとどちらを選ぼうか最後まで迷うであろう演奏家の話…
ベートーベンというと、交響曲第5番「運命」や第9番「合唱付き」のように、重厚で、心にずしんと来る曲想のものを、思い浮かべる人が多いのではないかと思います。それはベートーベンが耳の重大な疾患にもかかわらずそれに打ち勝ち、人類の至宝となるよう…
指先の感覚が鈍くなってきたことに気付いたデュプレは、最初は過密なスケジュールによる過労くらいに考えていたのかもしれません。しかし、その症状は徐々に悪化してゆきました。チェロの弦もしっかり押さえられなくなり、2年後の1973年頃には、ほとん…
もし無人島にたった一人の演奏家のレコードしか持っていくことができなかったら…という質問が、よくクラシック音楽ファンの間で交わされることがあります。自分も非常に迷いますけれども、間違いなく、最後までその候補の中に入るであろう心に深く留めてい…
あれはいつの時だったか、今から5年くらい前のことになるかと思います。年末も押し迫ってきた暮れの時期、自分は、青森の弘前(ひろさき)に、出張で出向いておりました。月曜朝一番に関連の役所に入らねばならなかったので、前もって週末に弘前入りしてい…
前回予告しました、神尾真由子さんの素晴らしい迫力、集中力と庄司紗矢香さんの豊かな歌心の、両方を兼ね備えているともいえる演奏家とは。その人の名を、五嶋みどりさんといいます。神尾さんや庄司さんのようなコンクール優勝経験はありません。というか、…
今までクラシック音楽の記事で、いろいろな演奏家を紹介してきましたが、残念ながら、もう既に亡くなられてしまった方もいらっしゃいます。が、しかし、今現在活躍中の素晴らしい演奏家もたくさんいます。ことにヴァイオリンにおいては、ここ日本において、…
先日、宮澤賢治「セロ弾きのゴーシュ」の記事で、ゴーシュとは、フランス語で、左利きのことをいい、転じて不器用の意味があるということを申し上げました。そうしましたら、左利きは不器用って、フランス人は左利きの凄さを知らないの?!というツッコミを…
宮澤賢治は、農学校に勤めるようになって、同僚の音楽教師と出会い、その縁でクラシック音楽に触れるようになりました。賢治25歳くらいの時で、最愛の妹トシの死の前後であったといわれます。賢治は、特にベートーベンが大好きで、ベートーベンの交響曲な…
今回は「同詩異曲の魅力」をお送りします。スターバト・マーテルという詩があります。邦訳すると「悲しみの聖母」。中世の13世紀に創られた詩です。悲しみの母は立っていた十字架の傍らに涙にくれ御子が架けられているその間呻き悲しみ歎くその魂を剣が貫…
クラシック音楽を定義すると、西洋の芸術的音楽のこと、となるようです。芸術的って何だ?というと大衆的ではない(=ポップスではない)音楽のことだそうです。ポップスは芸術的ではないと言われると、少々物言いもつけたくなりますが、どちらのカテゴリー…
前回予告した、リストに勝るとも劣らぬ素晴らしい編曲能力を有し、かつ、凄腕の演奏家という、両方に傑出した才能を兼ね備えた人物とは。その人の名を山下和仁といいます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E5%92%8C%E4%BB%81細かな経歴は…
続きです。前回紹介しましたヘンデル「パッサカリア」のように、クラシック音楽は、比較的シンプルで、小規模なものだったのですが、19世紀以降、社会が進むにつれ、次第に複雑で大規模なものになっていきました。そうすると、そのような複雑で大規模な作…
このところ、父の病の話ばかりでしたので、今日は久しぶりに音楽の話をしようと思います。前に「同曲異演奏の魅力」というテーマで書きましたが、今回は、「同曲異楽器の魅力」です。自分のクラシック音楽の好みを一言で言いますと、「シンプルな美しさ」に…
人は、作曲家の創り出す音楽によって、その作曲家がどんな人であるかイメージする傾向にあると思います。例えば、バッハなら静謐、モーツァルトなら優美、ベートーベンなら勇壮、ショパンなら繊細というような感じに。しかし、今日は、ちょっと趣向を変えて…
今日はクラシック音楽のコンサートにつきものの、指揮者についてのお話をいくつか。「踊るおじさん」あれは数年前、子供でも入場できる、ある音楽祭のコンサートに行った時のこと。曲が最高潮に盛り上がり、オーケストラも指揮者もノリノリで、自分も演奏に…
前回、初めてクラシック音楽というものに出会って、またたく間にCD所有4000枚になったという話をしました。へえー、4000曲もいろいろな曲のCDを集めたんだ。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。同じ曲のCDが何…
最初にお断りですが、記事中、音源のページを貼りますが、全部聴く必要はなく、冒頭の2、3分聴いていただければ十分です。ビビビと来るものがありましたら、ぜひ全部お聴きください。また、本を読みながら、パソコンを見ながらの、ながらで聴いていただけ…
この記事は、9月から掲載しようとしているクラシック音楽の記事で、こんな感じのを書きますというお試し版のようなものです。なお、記事中、音源のページを貼りますが、全部聴く必要はなく、冒頭の2、3分聴いていただければ十分です。また、本を読みなが…