【万葉集2011】16 萩の花尾花葛花 枕草子 第70段 草の花は
竜胆は枝振りはそれほどでもないが、
他の花が全て霜で枯れてしまっても、とても華やかな色合いで咲いているのはとても趣がある。
また、わざわざ取り上げて人に見せるほどの花でもないが、
かまつかの花(露草)は可愛い。
ただ名前がちょっと嫌な感じ。鴨跖草と書くそうだ。
かにひの花(仙翁花の一種)は色は濃くないが、
藤の花に似ていて、春と秋に咲くのが素晴らしい。
萩はとても色が濃く、枝もたおやかに咲いているが、
萩はとても色が濃く、枝もたおやかに咲いているが、
朝露に濡れてなよなよと広がり伏している感じは美しく、
実のかたちが余り良くない。どうしてあんな実が生るのだろう。
ぬかづき(ほおづき)の実のように大きくなれば良いのに。
しかし、それにしても夕顔という名前は趣がある。
しかし、それにしても夕顔という名前は趣がある。
しもつけの花(繍線菊)や葦の花も良い。
この中にススキを入れないのはどうしてかと言う人がいるようだ。
この中にススキを入れないのはどうしてかと言う人がいるようだ。
秋の野に一面に広がる素晴らしさはススキが一番である。
穂先が濃い紅色よりも更に濃い色が
穂先が濃い紅色よりも更に濃い色が
朝霧に濡れてなびいている姿は他に比べるものがない。
秋の終わりになると余り見栄えがしない。
秋の終わりになると余り見栄えがしない。
色とりどりに乱れ咲いていた花が跡形も無く散っているのに、
ススキは冬の終わりになっても頭が白く乱れていることにも気が付かず、
昔を思い出すかのように風に吹かれて揺れ動く様子は、
老いた人間の姿にとても似ている。
それをススキになぞらえて、とても哀れに感じてしまう。