らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【人物列伝】15 廉頗(れんぱ) おまけ







先日中国戦国時代の武将廉頗について書きました。

【人物列伝】の記事を書く時はその人物について通してみるようにしているのですが、
この時代の人物についてまとまっているのは、司馬遷史記くらいしかないんですね。
その理由は、秦の始皇帝が中国を統一した際に焚書坑儒といって
滅ぼした国の歴史書や数多の書物を焼き払ってしまったことにあります。
司馬遷は各地を巡り逸話を収集したようですが、廉頗との時代差は100年前後あるんです。
例えていうなら明治時代の話を我々が収集するようなもので、
「わしが子供の頃、確か死んだ爺さんがそう言っとった」
という再伝聞くらいの曖昧さになってしまいます。

そのせいもあってか司馬遷史記も簡潔な記述の場合も多いんです。
顔や身体的特徴も記されていなければ全くわからない。

ちなみに廉頗は生没年不明で、どういう容貌だったかも全く不明です。
おそらく2番目の画像のようなイケメン老人ではなかったと思います。
その根拠は自分の直感です(^_^;)

しかし翻って考えれば、史記に紹介されている人物はその行間部分を想像する楽しみがあるといえます。

画像3枚目は、現在連載中の漫画「キングダム」の1コマでそこで登場した廉頗のキャラクターです。
この漫画の主人公は秦の若き将軍李信で、当時亡命中だった廉頗と戦場で相まみえる話が描かれています。
史記では廉頗が亡命中客将として秦と戦った記述は皆無なのですが、
作者の想像で伝説の勇将廉頗をひっぱり出してきたのでしょう。

中国春秋戦国時代の人物を数多く描いた作家として宮城谷昌光さんがいらっしゃいますが、
彼も自分の想像力を働かせて小説を書いています。
読んでいて、ここは宮城谷さんと意見が違うなあというところもあるんですが、
それは正しい間違っているという話ではなく、
読み手の人生観やら想像力からくる解釈の違いだと思って、その違いを楽しんでいます。
無理に白黒つけたり、すりあわせる必要はないと思っています。

想像(妄想?)好きの自分としては想像の枠が広く格好の素材というわけです(あと聖書もですが)。

というわけで記事とは違う解釈だと自分は思うという話大歓迎です。

そんな感じで今後ともよろしくお願いします(^^)