らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】30 蝉の亡骸

 
「仰(あお)向けに転がる蝉の亡骸(なきがら)を見て詠む」



命(いのち)尽くし
蝉大の字の
秋の空



自宅のすぐ近くに大きな寺がありまして、
その広い墓地の敷地内の大きな楠(くすのき)にとまって、
夏の間、蝉がうるさいほど鳴いておりました。
それがこの数日ほどで、楠からはがれ落ちるように、
亡骸が無数に転がっているのを目にしました。
今年は昨年に比べ夏が短かったせいでしょうか。
アブラゼミツクツクボウシ、ミンミンゼミなどいろいろな種類の蝉の亡骸が見受けられます。

蝉って死んで転がっている姿って、ほとんど仰向けなんです。
仰向けに転がっている蝉の亡骸をじつと見て、
自分なりに感じたことを俳句にしました。


最初、句の最後は「青い空」にしていたのですが、
やはり蝉が去り往く秋を強調した方がいいし、
「秋の空」といえば澄みきった青い空を想像するので「秋の空」としました。

あと「蝉大の字に」と「蝉大の字の」と迷いました。
「に」の方が蝉が踏ん張っている感じが出ていますが、
「の」の方がリズミカルで、いい意味で句の深刻さや肩に力が入った感じが消えていると思い、
「の」にしました。

前者の「秋の空」はまあまあ自信があるのですが、
「大の字の」の選択は微妙な感じで、どちらともいえずあまり自信ないです(^_^;)