らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【万葉集2011】 16 萩の花尾花葛花











 
 
今回感じ入った歌は



萩の花
尾花葛花
なでしこが花
をみなへし
また藤袴
朝顔が花



山上憶良



萩の花
尾花(すすき)、葛の花
なでしこの花
女郎花(おみなえし)
そして藤袴
朝顔(桔梗)の花
(これが秋の美しい花々の名前だよ)



秋の美しい花々の名前を並べただけで歌ができるなんて、
ちょっと美しすぎます。
選者のデジタルアーティスト季里さんはこの歌を読んで頭にひらめいたのが、
白い帯にこれらの花々が色とりどりに刺繍されているイメージだったそうです。

選者は、一見花をならべただけの歌に見えるが、
花の組み合わせ、色の配色や形をどういう風に配置するかで歌のバランスが変わり、
かなり技巧的でテクニックが必要なのではないかとおっしゃってました。
この説明には説得力がありなるほどと思いました。
組み合わせの入れ替えを試しにしてみましたが、
歌がなかなかさらさらと流れないんですよ。

恥ずかしながら自分はこれらの花々の色かたちを全部は知らなかったのですが、
画像で花を確認してから再度歌を読むと、
色とりどりの可憐な花々が秋の風にゆらゆらしている姿が目に浮かんで歌の素晴らしさを実感しました。
皆さんもよかったらやっていただければと思います。


なお添付画像の花は歌の順番に並べてあります。
携帯では5画像しか添付できませんので、残りの2画像は記事を分けて添付します。

おまけ記事として清少納言枕草子にて「草の花々は」(第70段)という文章を書いていますので、
その現代訳を載せておきました。

山上憶良清少納言の感性の違いを読み比べるのもなかなか趣がありますね(^^)