らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【特撮】平成ライダー「 仮面ライダービルド」見てみた

 

 

仮面ライダーにはご存知の通り、昭和ライダーと平成ライダーありますが、

自分は昭和ライダーを見て育った人間です。

正確には、昭和ライダーと平成ライダーのシリーズの間には十数年の空白がありますが、

その時にちょうど子供で、昭和ライダーの再放送を観て育った世代です。

平成ライダーの頃には、既に仮面ライダーごっこをするような年ではなかったので、

ほとんど見ていません。

 

 

今回連休などで少々時間もありましたので、初めて平成ライダーシリーズを見てみました。

 

見たのは「仮面ライダービルド 」


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仮面ライダービルド 第01話[公式] 平成仮面ライダー20作品記念

 

 

 

一言で、昭和と平成の違いをイメージで言うとこんな感じ。


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昭和


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平成

 

・様々なCG画像技術を駆使した映像

平成の作品は画面からくるインパクトというか、フラッシュが凄い(@_@;)

派手な光彩色が画面から飛び出す感じが、昭和の人間の目にはチカチカします。

昔はフィルムでしたけれども、今はデジタルビデオ撮影で画像修正の技術がかなり進んでいるんでしょうね。

画面を修正することが容易なので、画面効果に対する並々ならぬ意識が感じられます。

 

昔のフィルムはCG技術による修正もできませんし、

そのまま長回ししてしまうと、スピード感が欠けた映像ができてしまいます。

そこで多用されたのがカット割り。

ジャンプして高いところに飛び移ったり、キックしたりというアクションのシーンでは多用されていますが、

この編集が素晴らしい。

ジャンプやキックのスピード感が損なわれておらず、

平成ライダーのCG技術によるアクションに見劣りしません。

 


仮面ライダーV3 第52話[公式]

 

こちら、仮面ライダーV3の最終回。

仮面ライダーV3対デストロンの大幹部ヨロイ元帥との戦いですが、

重量感あるヨロイ元帥がジャンプしたりするシーンなど、カット割りの巧みさで、

非常に身軽でスピーディーな印象を受けます。

あと、個人的にはヨロイ元帥の化身ザリガーナ最後の大技「甲羅崩し」が素晴らしい(笑)

 

 

・人間関係が複雑

大人の自分が見ていても、誰が敵か味方か分からない。

昭和ライダーは実にシンプルでした。

死神博士や地獄大使は名前からしても、生気の無い顔色からも明らかに敵でした(笑)

親父さんは頼りがいのある味方で、実は、敵の黒幕だったということは絶対にありえない設定でした。

ニセライダーも登場しましたが、スカーフの色が違っていました(笑)

昭和ライダーは第1回から敵と味方が明確に区別されていましたが、

平成ライダーは、誰が敵なのか、どうして戦っているのか、

回を経るごとに謎が深まっていき、

最後に明らかになるような謎解き的要素、ミステリー要素を重視しているのかもしれません。

 

 

・変身に意外に手間がかかっている

昭和ライダーは「変身!」と叫んで、ジャンプすると、

ベルトの風車が回り、そのまま変身完了でした。

平成ライダーは、デジタル化も進み、変身もシンプルになってると思いきや、

非常に手間がかかるものとなっています。

まずベルトを装着して、様々なエキスが入ったボトルを振ってベルトに装着し、

非常用ラジオのように手動レバーでぐるぐる回すと変身が始まります。

すると、にわかに巨大な変身装着が現れ、大判焼きの完成のような形で変身完了(笑)

 

 


5分でわかる仮面ライダービルド[公式]

 

言葉で言ってもイメージできないでしょうから、

こちらの「5分でわかる仮面ライダービルド公式」をご覧ください。

 

 

・主人公が明るい

平成ライダーの主人公は軽くて明るい。

昭和ライダーの主人公達は、自分が改造人間であることに苦悩していましたが、

平成ライダーは改造人間ではないという設定だそうです。

石ノ森章太郎さんの原作は、半獣半人の自らの姿に苦悩する姿が描かれ、物語のトーンとしては暗いのです。

平成ライダーはそんな悩みがないので、変身願望が満たされ、生き生きとしているとすらいえます。

どちらかというと、少女漫画の魔法少女ものに近いといいますか。

彼女たちは自分が魔法が使えることに苦悩したりしませんから。

昭和ライダーと平成ライダー、色々違いはありますが、

ここが一番大きな違いでしょう。

 

 

では番組として自分はどう思ったか。

以前放映された仮面ライダーの特番で、V3を演じた宮内洋さんが平成ライダーを見て一言。

「これは仮面ライダーじゃない。」

その言葉にスタジオがシーンとなって凍りついてしまったことがありますが、

昭和ライダーに接してきた者にとっては、そう思うのも無理もない気がします。

本来の仮面ライダーの根幹の部分が無くなっているわけですから。

 

しかし、仮面ライダーというキャラクターは、イマジネーションの余地が非常に広いものに感じます。

そのキャラクターの器の中に、自らの様々なイマジネーションを詰め込むことができる、

いろいろな思いや発想を詰め込める容器と言いますか。

中身が変われば 内容は変わってしまうのは当たり前で、

それは、確かに以前のものとは違うのですが、

しかしながら、それは依然として仮面ライダーという容器の中に留まっている。

ひょっとしたらそれは、原作者が意図していたものよりも、

はるかに広がりを持つ可能性があるかもしれません。

そうでなければ、50年にわたって30以上のシリーズが作り出されるわけがありません。

そのように様々な人々のイマジネーションを 中に入れることができる、

仮面ライダーという器を作った石ノ森章太郎氏はやはり偉大な表現者です。

 

今、昭和から平成を経て、令和ライダーの第一作目が誕生しています。

仮面ライダーという器の中に令和の時代に何を盛ることになるのか。

ちょっと興味のあるところですね。


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