【クラシック音楽】鈴木舞&小林侑奈ミニコンサート
昨日、ご縁があり、あるパーティーに招かれまして、
そこで、ヴァイオリン&ピアノのミニコンサートが催され、
鈴木舞さんというヴァイオリニストの演奏を初めて聴きました。
https://maiviolin.com/biographyjpn/
40分ほどのミニコンサートは、いわゆるヴァイオリンの小品の名曲づくしの贅沢なもの。
エルガー「愛の挨拶」
最初の1音から引き込まれた、コクのある豊穣なバイオリンの音色。
小林侑奈さんのピアノも音が粒だっていてブリリアントで非常に良かったのですが、
今回のコンサートは鈴木舞さんのヴァイオリンの音色に終始惹き付けられるものとなりました。
クライスラー「愛の悲しみ(苦しみ)」
直訳すると、愛の苦しみの方がニュアンス的に近いらしいです。
鈴木舞さんは歌い回しが上手い。
音がふくよかに豊かに響きます。
彼女の「愛の悲しみ(苦しみ)」は、悲しみというよりは、
昔の恋を思い出して懐かしむという感じでしょうか。
クライスラー「愛の喜び」
恋が成就して、嬉しくて、はちゃめちゃの乱痴気騒ぎ。独り自分の部屋で(笑)という感じの愉しい曲。
彼女とダンスしているのを想像して、独りで部屋でダンスする至福のひととき。
これは今回の演奏を聴いた自分の印象です。
ドボルザーク「ユモレスク」
ゆったりとした曲の演奏は粗が見えやすいもの。
しかし、彼女のヴァイオリンの音色が安定していて、
ゆったりと音楽に身を委ねることができました。
ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」
真面目な日本人の演奏は正確に弾けても、ノリが悪いと感じることもありますが、
彼女は非常にノリがいい。思わず手拍子したくなる。
とにかく歌い回しの巧さに感心しきり。
音がブツブツと途切れることがない。
常に歌を忘れないヴァイオリンの音色。
マスネ「タイスの瞑想曲」
最上の静けさは無音ではない。
それを見事に表現していました。
ヴァイオリンが高らかに鳴り響いても静寂を感じる。
素晴らしい演奏のクラシック音楽を聴いた人ならわかると思います。
サラサーテ「チゴイネルワイゼン」
音色が常に単調でなく、色彩やかに歌いあげる。
変幻するヴァイオリンの音色の素晴しさを改めて再認識して堪能しました。
鈴木舞さんは曲それぞれにそれぞれの表情をしっかりと造ることができる。
とても感性豊かな器用な方だと感じました。
これらヴァイオリン小品メドレー、
CDなどでもよくラインアップされるものですが、
ヴァイオリンが単調だと飽きて途中で聴くのを止めてしまうんです。
しかし、鈴木舞さんの力強い多彩なヴァイオリンは飽きることはありませんでした。
その後、ジブリ主題歌メドレーなどもありましたが、
構造が単純なポップスよりも、やはりがっちりとしたクラシック音楽の曲の方が、
彼女の真骨頂であり、その素晴しさ、凄さがわかります。
今、鈴木舞さんは室内楽的なコンサートをされているようですが、
あの力強い多彩な音色のヴァイオリンなら、オーケストラとがっぷり四つの協奏曲を聴いてみたい気がします。
彼女ならオーケストラと調和する「協奏」ばかりでなく、
オーケストラとスリリングな「競争」も堪能することができるのではと思っています。
おそらく、鈴木舞さんは今後、さらに世の中に広く知られるヴァイオリニストになると感じます。
コンサートの演目の映像はなかったのですが、自分が聴いた雰囲気の一番近いものを。
よかったらぜひ聴いてみてください。
Saint-Saëns - Havanaise Mai Suzuki & Zagrebački solisti - Zagreb Soloists
パーティーで出たデザート。
カシスのシャーベットがひんやりして美味しかったです。