らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】カティア・ブニアティシヴィリ





先日10月総括の記事で紹介したチャイコフスキー「四季」秋の歌。
http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/15292566.html
その演奏をしたピアニストについて問い合わせがありましたので、
今回は彼女のブログコンサートを催したいと思います。


チャイコフスキーで、物憂げなしっとりとした演奏を聴かせてくれた彼女。

彼女の名はカティア・ブニアティシヴィリ
ジョージアグルジア)出身の29歳。


彼女の魅力は、なんといっても 決してうるさくなることのない、
羽毛が舞い降りてくるような柔らかなピアノタッチにあると思います。
ちょっと感傷的に過ぎるのではないかと感じられる所もないわけではありませんが、
チャイコフスキーの曲調にフィットした素晴らしい佳演だと感じます。

それにしても、このチャイコフスキー「四季」秋の歌の
コンサートのロケーションが素晴らしい。
森の中でいくつかの椅子を並べて行われたコンサート。
日本でもこのようなコンサートが行われれば良いのですが(^^)


さて、彼女は素晴らしいのは、しっとりとした曲ばかりではありません

バッハ BWV206
https://www.youtube.com/watch?v=LKa5s-1kD8Q


カンタータという声楽の曲をピアノ版に編曲したものです

コロコロと奏でられるピアノの音色のかわいらしさに、
思わずニッコリしてしまいます。
自分的には彼女のこの演奏が一番のお気に入りなんです。
いつまでもひたっていられる安らぎと愉しさが、その音にはあります。



彼女は穏やかな曲だけでなく、激しい曲もなかなか聴かせます。

ショパン ピアノソナタ2番
https://youtu.be/to8yJRPq6H4

数年前に来日したラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでも、
彼女はオールショパンプログラムの演奏をしたそうですから、
ショパンをかなり得意にしてるようです。

ショパンの音楽は、激しいばかりではダメ、優しいばかりではダメで、 
その心のうねりのようなものを捉えないと、
そのブレンド具合で、音楽は生きもしに死にもするのですが、
このピアノソナタは、なかなかのものだと思います。
何度も繰り返して聴いてみたい、滋味豊かな演奏でもあります。



そして大曲をひとつ。
チャイコフスキーピアノ協奏曲1番。
https://youtu.be/4Yzessr6cE0

彼女のピアノ演奏もさることながら、この映像でまず聴いて欲しいのは、
冒頭の、指揮者ズービン・メータの誕生日に送った
オーケストラのハッピーバスデートゥーユーの演奏。
今だかつて、これほど重厚で素晴らしいハッピーバースデーを聴いたことがありません。
オーケストラの魅力とは何か。と問われれば、
あれこれ言葉で説明するよりもこの演奏を聴いてもらった方がいいような気もします。

その直後に演奏されたチャイコフスキーのピアノ協奏曲。
激しい中に優しさがあり、優しい中に激しさがある。
必ずしも完璧とは言えないかもしれませんが、
彼女の演奏にはその両方を秘めていると感じます。
そして華やかさにも欠けていません。



そして最後に聴いていただきたいのは、ムソルグスキー展覧会の絵」。
https://youtu.be/tTjKpH9Spdc


ピアノという楽器の素晴らしさを遺憾なく発揮しているように思います。
ピアノのもつダイナミズムといいますか。
凄い人が弾くと、ピアノ一台でオーケストラのような豊かで厚みのある多彩な音楽を造り出すことができる。
このことを思い知ることができる演奏に感じます。


カティア・ブニアティシヴィリの演奏、いくつか紹介しましたが、
久しぶりに大輪のひまわりのような、
器の大きい演奏を聴いたような気がします。
決して単調ではない、色々なものをピアノの鍵盤に込めることができるピアニスト。
ヴィルトゥオーソ(演奏の格別な技巧や能力によって達人の域に達した、超一流の演奏家
の片鱗が感じられます。

全部とは申しません。
これはと思ったものひとつでも聴いていただけたらと思います。