らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」 前編








この前、ムンクの絵の記事の中で、
ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」を紹介しましたが、

https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/16546039.html

ブログの中で音源を添付するときは、
その記事の内容に合った演奏のものを20ぐらい聴いてその中から選びます。
YouTube で検索しますと、結構掘り出し物の演奏があり、
感心したり、笑ったり、うなったり、非常に興味深いところがあります。

特に、今回はドヴォルザーク新世界より」においては、
へぇーと思う演奏がいくつもあったので、それを紹介してみたいと思います

今回紹介するのは同曲第4楽章の演奏です。


なおドヴォルザークについて簡単に説明しますと、
晩年、ドヴォルザークアメリカに招聘され、同国の音楽教育の振興に尽くしましたが、
素朴な東欧で生きてきた彼はアメリカの水に馴染めず、
故郷チェコへの慕情を託して作曲したのが、この「新世界より」と言われています。

というような説明をしますと、
同曲はホームシックにかかったドヴォルザーク
故郷へのメッセージというように捉えられがちですが、
なかなかどうして、故郷のメロディーに似たアメリカの黒人霊歌の旋律に

インスピレーションを受けて作られたこの曲は、
今や全世界で愛されるメロディーとなっています。




それではまずこちらの演奏。
https://youtu.be/vHqtJH2f1Yk

ぱっと見た目、後ろに座っている白い服を着た人が気になります(笑)
そう、この演奏は、ローマ法王が臨席されて聴いていらっしゃるんですね。

遠目のローマ法王と、何かカクカクしたオーバーアクションの指揮者の動きとのコントラストが、
妙にシュールな摩訶不思議な世界を作っており(^_^;)
ツボにはまって何回も見てしまいました。








これはローマ教皇ベネディクト16世の80歳を記念する公演で、
全ヨーロッパに生中継されたものだそうです。

しかしながら、ローマ法王の御前演奏で、ドヴォルザーク新世界より」とは。
この曲は人気曲ではありますが、ちょっと正統派ではないような気も。






こちら往年の名指揮者マゼールによるニューヨークフィルの大熱演。
https://youtu.be/k70KWD1GzmM






渾身の、と言ってもよいかもしれません。
数ある「新世界より」の中でも、個人的には、アグレッシブで最も好きな演奏です。

しかし、ここで注目するのは演奏者ではなく観客の方です。
実はこちら北朝鮮で公演した映像なんです 。
自分がこの演奏で最も注目したのは、演奏後に北朝鮮の観衆が、
どういうリアクションを取るかということでした。

観衆といっても、自由にチケットを買って入場して来た人々ではなく、
国から選抜された筋金入りの共産党員とその家族のはずです。
彼らからすると西洋音楽などというものは、
唾棄すべき堕落した創造物という感じではないのか?

しかしながら、演奏後の拍手は意外に?血の通ったものに感じました。
拍手が揃っていない。
これが素晴らしいですね 。
それぞれがそれぞれに感じた想いを拍手に乗せているからバラバラになる。
北朝鮮得意のマスゲーム的に揃った拍手は 軍隊の行進のようなもので、
規律というものを感じこそすれ、感動や喜びといった感情は感じません。

北朝鮮の人々にも、それなりにドヴォルザークの音楽が放つ
パッションが届いたのでしょうか?甘いかな?






うってかわって、こちら、
幼稚園児たちが演奏する鍵盤ハーモニカによる「新世界より」 。
https://youtu.be/yJkPzB7HECs

何よりもきちんと「新世界より」の音楽になっているのは凄い(@_@;)
音がスピーカーかどこか他から出ていて、
園児たちは弾く真似をしているだけなのではないかと思うほど音楽になっています 。

正直凄くて驚きました。
小さい子の音楽的感性って素晴らしい。




予想外に記事が長くなりましたので(^_^;)
記事を二つに分けて、後編をまた書きます。


ぜひピンときた演奏をお聴きあれ。