らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【10月総括】

 
 

皆様、すっかりご無沙汰しておりますm(__)m

1週間前の、11月7日土曜に引っ越しまして、
部屋もだいぶ片付いてきたものの、
まだ最後の荷物の収納に追われております。
今月もかなり過ぎてしまい、遅きに失した感もありますが(汗)、
先月10月の総括をしていきたいと思います。

先月はなんといってもショパンコンクールの実況記事に尽きます。

今回、ショパンコンクールを通して見て、感じ入ったことがいくつかあります。

まず、ショパンは、本当に作曲者冥利に尽きるということ。
世界中の才能ある若者たちがショパンの故郷ワルシャワに集って、
彼の作曲した曲だけを何十曲も力の限り、自らの解釈を信じて競い合う。 
作曲家として、こんなに嬉しいことがあるでしょうか。

作曲家の名を冠した双璧のコンクールであるチャイコフスキーコンクールでさえ、
演奏する曲目は、チャイコフスキーの作品だけではありませんし、
その他にもそのようなコンクールは存在しません。
偉大な作曲家に敬意を表する素晴らしいものに感じます。


また、出場した世界の様々な国々の若者達の、自らの力を振り絞った熱演の数々。
それはあたかも甲子園の高校野球の試合を見るような、
確かにそれは熟練したプロと比べると未熟で、
完成されているとは必ずしも言い難いのかもしれません。
しかし、それを補い得る、ほとばしる何かがそこにあるのは間違いありません。

今回ショパンコンクールの実況を見ていて、自分はそれを強く感じ、
彼らから、大いにエネルギーを与えられました。
自分の持っているものを全て出し切ろう、
この曲を何としてでも最後まで弾き切ろうという執念。
手に汗握りながらずっと聴いていました。
そして彼らは弾いている最中にも成長し続けている。

長い間、クラシック音楽を聴いてきましたが、
今回のショパンコンクールは自分にとって、非常に愉快で、印象深い出来事でした。
これも、コンクールの演奏が、YouTubeによりライブで聴くことができたという
画期的なことによるところが大きいといえます。


最後に、自分を一番最初にショパンの世界に誘(いざな)った
サンソン・フランソワの演奏を皆さんに紹介したく思います。

出だしから、ショパンコンクールで聴いた演奏と違う、まことに自由奔放なショパンがそこにあります。
鍵盤を愛撫するような大人の香り漂う変化自在の音色といいますか、
聴いていると思わず引きずり込まれてしまう、魔のようなものを感ずる瞬間があります。

コンクールというのは得てして演奏を平準化し 、
演奏者の個性を殺してしまうということがよく言われます。
しかしながら、今回、自分は、自身の音というものを確かに持っている
若き演奏家たちの姿を目の当たりにしました。
これから、彼らが、さらに世界に飛躍してゆく姿を楽しみに観て行きたいと思います。
 
フランソワは今から半世紀も前のピアニストですが、
今を以てショパンといえば彼の演奏を愛聴している人が世界中に数多くいます。
彼のように長く聴き継がれる演奏家になって欲しいと心から願っています。