らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【美術】ムンク展 5










ムンク展、入場者数66万人あまりという大盛況をもって

先週の日曜に閉幕しました。

最終週など入場待ちに60分はざらだったようです(@_@;)
自分が年明け早々に行った時は、入場待ち30分程でしたが、
それでも、かなりの混雑ぶりでした。

しかし一旦入場してしまうと、意外にスムーズに作品を見ることができました。
確かに「叫び」など有名な作品の前では、大勢人がたまっていましたが、
それ以外のところでは、最前列で見ることができることもしばしば。

それはなぜかと自分なりに考えますと、
ムンクの作品というのはやはり楽しいものではない。
どっちかと言うと、とっつきにくくて暗い絵が多い。
そのせいか、見に来た人々も立ち止まってじっくり見るということはあまりなく、
歩きながら斜め見で作品の前を通り過ぎて行ってしまうんです。

連れ立って来ている人達のおしゃべりが耳に入ったんですが、
「やっぱり暗いね」「ちょっと重いね」という声がやはり多かったです。


自分もムンクの油絵は、何と言うか、太いラインでベタッと塗ったような、
このタッチは果たしてムンクに合ってるのかなとも、ちょっと思ったりしました。


その中で、自分が目を惹いたのは、こちらのリトグラフなどの作品です。




「自画像」






「ブローチ エヴァ・ムドッチ」






「マドンナ」



ぱっと見、非常にモダンで現代的な雰囲気。
細いラインが生き生きとしており、
つい立ち止まって、その細かいところまで何度も見入ってしまいました。



ムンクは自分の作品を色々なパターンで書いていまして
油絵単品だけですと、その良さが今一つはわからなくても、
こうして様々なパターンを並べてみると、
それぞれがそれぞれの魅力を引き出しているように感じます。












ムンクが亡くなって、30年ほど時を経て現れた、
アメリカのアンディ・ウォーホールの先駆けとも言えるような試みであると感じます。













逆に言えば、アメリカで花開いたアンディ・ウォーホールのアートを感じさせるほどの、
モダンで現代的な感覚がムンクにあるのです。









「病める子」



ムンクは主に故郷のノルウェーでその一生を全うしましたが、
北欧のノルウェーという土地は芸術という面では辺境にあり、
もし新しい芸術の新世界アメリカに来ていたなら、

新たなインスピレーションを受けて、
また違ったムンクが花開いていたかもしれないと想像するところがありました。

それはアメリカに渡ってインスピレーションを受け、

様々な曲を作曲したチェコの音楽家ドヴォルザークのように。




ドヴォルザーク作曲 交響曲第9番「新世界より