らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】ラ・フォル・ジュルネ ショパン ピアノ協奏曲第1番

 
 

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11

小林愛実 (ピアノ)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ロベルト・トレヴィーノ (指揮)



今回たまたまコンサートの合間の空きの時間があり、
チケットが残っているコンサートに突発で行ってみたところ、
素晴らしい逸材の演奏家を見つけました。





ピアニスト小林愛実さん。

外見は今時の女の子そのものですが、
まず何はともあれ、彼女の小学生の時の、
こちらのショパンエチュードをお聴きください。
https://www.youtube.com/watch?v=6-owL1vM4nE

聴いた瞬間、聴く者の心に飛び込んでくる、ハッとするような、
インスピレーションに満ちた音の煌めき。
その一粒一粒はきらきらと愛らしく輝いており、
いびつに欠けた音の塊はほとんど見当たりません。

そして、その彼女のあどけなさの残る雰囲気からは、
違和感といいますか、戸惑いすら感じる堂々たる音の調べ。


実は、自分が聴いた、今回のコンサートのオーケストラは、
前日、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏したオーケストラで、
ショパンの協奏曲においても、前日に勝るとも劣らぬ重厚で迫力のある演奏だったのですが、
小林愛実さんのピアノはそのオーケストラの迫力に全くひけをとらない、
ややもすれば、彼女のピアノが音楽を支配している感すらする、
堂々としたものでした。

素晴らしい演奏というのは、ぐぐぐぐっと思わず引き寄せられるような
強い引力のようなものを感じることがあるのですが、
終始、その演奏に引き入れられ、
終わってしまうのが口惜しいような気持ちに駆られました。

家に帰って、彼女の、バッハやモーツアルト、ベートーベンの作品の演奏も聴いてみましたが、
やはりショパンが彼女の感性に一番合っているような気がします。
そして、協奏曲のような大曲がまた素晴らしい。
こちらは以前に演奏したピアノ協奏曲第1番です(第1楽章のみ)。
音質は少々悪いですが、コンサートの雰囲気は伝わると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=pwsMh-uvKxk


3歳でピアノを始め、7歳でオーケストラと初共演、9歳で国際デビューして、
今年、20歳になる彼女が、今、一番力をそそいでいるのが、
ピアニストの登竜門の最高峰5年に一度開かれるショパンコンクールだそうで、
今回のコンサートも、予備予選を突破した直後に参加したとのことです。

彼女のショパンは華がありますし、
力強く、かつ、ショパンの音楽独特のナイーブさみたいなものも併せて持っています。
自分的には、かなりのところまでいくと思うのですが、
いずれにしても、コンクールの勝ち負けだけにこだわらず、
今後の彼女のキャリアの糧となるような素晴らしい演奏を期待しています。

こちらは、4月に行われたショパンコンクール予備予選の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=R7T-a33gSq0

彼女を以てしても、やや緊張して硬くなっているのか、
本来の音楽の伸びやかさとしては、今一歩のようにも感じます。
しかし、ここぞというところでの集中力は、さすがで、
他の演奏者と比べても、一歩秀でているように感じました。

10月に行われるショパンコンクールの模様は、ぜひ記事にしようと思っています。