【万葉集2018】5 しぐれの雨間なくな降りそ
しぐれの雨
間なくな降りそ
紅(くれない)に
匂ほへる山の
散らまく惜しも
詠み人知らず
冬の冷たいしぐれの雨よ
絶え間なく降らないでおくれ
真っ赤に
染まっている山の紅葉の
散るのが惜しいよ
自分の住んでいる横浜では、今紅葉が真っ盛りといいますか、
終わりを迎えようとしています。
それにしても今年の冬はよく雨が降ります。
雨に打たれて銀杏の黄金色の葉がひらひらと落ちて行くのを見ると、
この歌を思い出します。
千数百年前の万葉の世の人々と、21世紀に生きる自分とが、
散り逝く紅葉を見て同じ思いに駆られている。
自分たちは確かにつながっていると感じる瞬間です。
この歌の作者は詠み人知らず。
一体どんな人がこのような歌を作ったのでしょうか。
思いを同じくするこの方とちょっと会ってみたい気もします。
12月に入って冷たい時雨も降りましたが、
やはり全般的には暖かいです。
横浜あたりは紅葉が散り切ったあたりで、クリスマスという感じでしょうか。
暖冬傾向が続けば、そのうち紅葉で初詣ということもあるかもしれませんね。