らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】大阪湾台風











台風21号被害映像まとめ


今回の台風21号は、関西地方に多大な損害を与え、
日本列島を走り去っていきました。
今回は特に、関西国際空港をはじめとする大阪湾の沿岸地域に被害が大きかったことから、
大阪湾台風と名付けるにふさわしい台風であったと思います。







ピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんが、
このネーミングは、1959年愛知県を中心とする伊勢湾沿岸地域に、
多大な損害をもたらした伊勢湾台風を範としたものですが 、
今回の21号の上陸地点が紀伊半島であれば、
コース的に伊勢湾台風の再来となった可能性もあったと思います。

自分の母は愛知県の三河地方の生まれで、伊勢湾台風の被災者ですが、
以前当時の体験を語った記事を書いておりますので、
興味ある方はこちらをご覧になってください。
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/2909279.html
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/2931379.html

そして、こちらが現代の台風情報に伊勢湾台風を再現したものですが、
https://youtu.be/fZDVnDx0rU4

今回の21号と伊勢湾台風のその進入コースの形状はほぼ同じで、
上陸時、20hPa大きい事を考えると、
伊勢湾台風がいかに巨大な台風だったかという事を思い知ります。
ちなみに伊勢湾台風の死者5000人余りで、阪神大震災の被害規模に匹敵します。


今回大阪を直撃した台風が、伊勢湾台風よりも少ない被害で済んだのは、
台風の規模が小さかったということもありますが、
今まで幾多の台風で被災された方々の犠牲の上に、
国、地方自治体、個人が各々防災意識を高め、一定の防災措置を設置し、
それなりの成果を得ることができたからではないかとも思います。

東北大震災の津波の場合もそうですが、
数十年かに一回の災害に備えて、
日本列島を完全に要塞化することは、まず現実的には不可能であり、
できる限りの備えをして、ある程度の被害を甘受せざるを得ない。
つまりは、国でも地方公共団体でも個人でも事前に出来る限りのことをして、
あとは賽の目を振るがごとく運を天に任せるしかない。
その辺りに人間の限界を感じます。
いや人間も自然の一部に過ぎないと言うべきでしょうか。
脆弱な、豆腐のようなふわふわとしたものの上に、
日常の至極便利な生活を享受していると思った方が良いかもしれません。

なお、前に、大阪在住の歌人与謝野晶子が台風が来た時の作品の記事を書いたことがあります。
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/12122617.html


関西地方は昔から台風に襲われることが多かったため、
古い木造家屋であっても、屋根の梁を頑丈にし、屋根瓦を重くするなど、
台風で吹き飛ばないようにする工夫をしていたといいます。
ひょっとしたら、関西の人々のそういう意識が効を奏し、この程度で済んだのかもしれません。

もし、これが、いつも台風が逸れて、
よかったよかったで済んでいる首都圏に来ていたら、
人的物的被害はこの程度ではすまなかったのではないかとも感じます。





人工衛星から見た巨大台風の渦巻き