らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【美術】ムンク展 3















「死と春」




暗い冬からにわかに明るい春になると
その春の明るさに耐えきれず憂鬱になることが人にはあるそうです。

作品の中間色の明るい色、静かでどこか虚ろでもあります。
春の光の明るさと虚ろさが交互します。

どこまでも静かな死人の表情。
それをじっと見つめている画家の存在。
ですが、彼には強い感情は感じません
死者に対する悲しみ、慈しみというよりも、
ぼうっとひたすらに死人の表情を見つめている。
一見、無表情で、薄情なように思われるかもしれませんが、
近しい人間の亡くなった姿に対面したことがある人ならば、
共感を得るところがあるはずです。


愛する者の死を描いた作品は他にもあります。
自分もいくつか見てきました。








青に彩られたモネの作品
「死の床のカミーユ
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/13408370.html

悲しみが深く、そしてゆっくりと水の底に沈んで行くような青













赤に彩られたホドラーの作品
「バラの中の死したヴァランティーヌ・ゴデ=ダレル」

https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/13863240.html
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/13869317.html

妻に対する慈しみが死んだ妻の体を暖かく包んで離さないピンク





ではムンクの作品は・・・

喪失、心の空白というものを感じます。


春のまだ薄い太陽の光が
空白になってしまった心の中を
微かに撫でるように差し込んでくる



この絵からそんな感じを受けます。