らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】真友情パワー









3月に入り、非常に忙しい仕事の日々を送っています(-_-;)
年度末ゆえ忙しいのは恒例なのですが、
今年は格別で、この調子でいきますと、今月の残業は80~100時間にも(^_^;)

そんな忙しい最中の会社での出来事です。
20代後半の或る若い男性社員A 君が、
会社の廊下をよろよろと、かなりバテてた様子で歩いており、
思わず「おい、大丈夫?」と声をかけてしまいました。
それに対する彼の返事は「ダメです。」(笑)

自分と同じセクションにA君と仲のいいF君という男の子がいて、
二人は同期でとても仲の良い友達なのですが、
「A君、かなりヘロヘロだったよ。」と自分が言うと、
F君から予想だにしない意外な返答が(^_^;)

「しょうがないんじゃないですかね。自分の身は自分で守らないと。」

な、なにぬ?!(@_@;)

子供の頃繰り返し読んだ漫画で、
何度も何度も友情パワーを心に刷り込まれ、
自分の一部を割いてでも友に与えることを教えられた、
昭和世代の自分にとってかなり衝撃の言葉でした(笑)

























それはさておきまして、ちょっとうろ覚えではありますが、
友情という言葉は、明治以降にできた比較的新しい言葉で、
その前の幕末では、代わりに同志というよう言葉が盛んに使われたと記憶しています。

今現在、同志というと、同じ主義主張を持った集まりといった、ちょっと硬い感じがしますが、
友情というと、穏やかな連帯感、人との繋がり、そんなものを感じさせます。

日本史的に、友情と言いますと、
幕末は同志という言葉が盛んに使われたこともあって、
坂本龍馬中岡慎太郎近藤勇土方歳三西郷隆盛大久保利通といった
友情の物語は数多く見受けられます。
が、それ以前の時代では、戦国の石田三成大谷吉継くらいしか自分は思いつきません。
幕末以前、日本はきわめて地縁血縁の強い社会だったせいでしょうか、
友情ということに関しては、古代中国の方が数多く見られるような気がします。
管鮑の交わりをはじめ、
http://koyomi.vis.ne.jp/doc/mlko/201207210.htm
数多くの友情の物語が見られますし、
地縁血縁に繋がっていないという意味では、
三国志劉備関羽張飛の義兄弟の物語もそうかもしれません。

翻って、日本において、友情ということをテーマにした小説などをみますと、
友情が貫徹されるのは、太宰治走れメロス」くらいで、
恋愛や他のことで壊れてしまうものが多いような気がします。

夏目漱石「こころ」しかり、武者小路実篤「友情」しかり。

なお、こちらの記事は、走れメロスのベースとなった壇一雄「小説太宰治」の話ですが、
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/11523789.html
走れメロス」の、友情の貫徹というストーリーとは、真逆の結果となった現実が語られており、
ぜひ読んでいただければ面白いかと思います。


しかし、友情というテーマについては、自分も今まであまり深く考えたことがなく、
自分の知らない歴史上の友情の物語があるのやもしれません。
もし、ご存知のものがあれば、ぜひ教えていただけたらと思います。