らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番









チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23

ルーカス・ゲニューシャス:ピアノ
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団



今回のラ・フォル・ジュルネにおける自分のメイン。
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番。

クラッシック音楽に興味がない人でも、
その序奏のメロディーは聴いたことがある超有名曲ですが、
ライブで聴くことは実は初めてでした。

冒頭、分厚いホルンの響きとともに流麗に音楽が流れ出し、
まさに華麗なザ・クラシック音楽というようなメロディですが、
ソロのピアノのクリアな音、繊細でシャープな音色が非常に印象に残りました。

それは往年のピアニストのド迫力なピアノとは一線を画するもので、
ああ、こんなチャイコフスキーもあったのかと感心することしきり。

それにしてもオーケストラが素晴らしい。
濃厚にしてよどむところなく、
この曲のオーケストレーションの素晴らしさを改めて実感した思いがしました。

また、第二楽章におけるオーボエのソロの音色の美しさ。
こんなフレーズをこんな楽器が弾いていたのかと今更ながらに発見した思い。

音楽が進むにつれ、オーケストラとピアノの音がより紡ぎ合わされてゆき、
何か湧き上がってくるようなものが感じられ、
ラストに向かって、何かに吸引されるようにぐんぐんと邁進し、
聴いている自分もそれに思わず吸い込まれるように引き寄せられてゆく。

ラストの部分は、迫力はあっても音がバラバラになってしまったり、
音はまとまっていても迫力が欠けてしまったり、
なかなか上手くいくことがないのですが、
このような集中力かつ推進力のある素晴らしい演奏を聴くことができた
自分は、とても幸せでした。

残念ながら、この演奏の画像はありませんので・・
この時の実演を彷彿とさせる演奏をいくつかご紹介します。


往年のピアニストのド迫力なピアノとは一線を画する演奏といえば、
こちらの辻井伸行さんの第一楽章の演奏。
決して勢いに任せて弾き流すことのない
一音一音を大切に慈しむように弾いた美しい演奏です。
https://youtu.be/jWChk74PlvM


ラストの集中力と推進力といえば、
この往年の名演奏、トスカニーニ&ホロヴィッツしかありません。




なんと1943年の演奏。
しかし70年の時を超えて、その音楽は決して色褪せることはありません。
ピアノとオーケストラが龍虎相食む、手に汗握る名演奏。
ながらで結構ですから、ぜひ御一聴ください。
https://youtu.be/4ksVduF2rr4

なお、トスカニーニについて
は、彼を主人公とした映画の記事を書いたことがあります。
興味のある方はお読みになってみてください。


最後に、今回のピアニスト、ルーカス・ゲニューシャスは、
チャイコフスキーコンクールショパンコンクールでともに2位となった俊英ですが、
非常に慈味深い、かつハツラツとした素晴らしい演奏を聴かせてくれました。





ここではショパンエチュードをご紹介したいと思います。
聴かせるものを持っているピアニストであることは間違いありません。