らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】ショパン 華麗なる円舞曲 作品34の3「猫のワルツ」

 

10月に入ってずっとショパンコンクールの記事を書いています。
よくもまぁ飽きずにショパンコンクールの記事ばかり
書いていられるなと思われるかもしれませんが、実は自分も少々飽きてきまして(^_^;)

コンクールは三次予選、決勝を残しており、まだまだ長丁場ですので、
今日は気分転換に、ショパンコンクールからちょっと離れた話をしようと思います。

というわけで、今回はショパンの曲そのものの話を(笑)

今回紹介するのは、華麗なる円舞曲作品 34の3
通称「猫のワルツ」

ショパンにはよく知られているように、子犬のワルツという曲があります。
なんでもショパンの恋人の飼っていた犬が、
喜んで盛んに尻尾を振っているのを見て、その曲想を得たのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=CNrl3Yiu7rQ

確かに、犬が舌を出しながら喜び勇んで、
ぱたぱたと尻尾を振っている様子が目に見えるようです。
ちょっとお洒落で、エレガントな風になっておりますけれども。


今回紹介する猫のワルツも、ショパンの家で飼っていた猫が、
ピアノの上に飛び上がったり、鍵盤をぴょんぴょん歩き回ったりしたところから、
その曲想を得たと言われております。

では早速、猫のワルツ、いくつか聴いてみましょう。
演奏は全て今回のショパンコンクール二次予選で演奏されたものです。


https://www.youtube.com/watch?v=E2B-kWU7eTM&index=26&list=PLTmn2qD3aSQvQ_gNsIBBKg26IyJI_dYK-
これは元気でやんちゃな猫というところでしょうか


https://www.youtube.com/watch?v=HOpLS6z9PRs&list=PLTmn2qD3aSQvQ_gNsIBBKg26IyJI_dYK-&index=30
こちらはちょっとおしゃまな 飄々とした感じの猫


https://www.youtube.com/watch?v=x7GTj0GmKmo&index=46&list=PLTmn2qD3aSQvQ_gNsIBBKg26IyJI_dYK-
こちらはちょっと優雅な貴婦人風な猫


https://www.youtube.com/watch?v=QDcJv7a0g2U&list=PLTmn2qD3aSQvQ_gNsIBBKg26IyJI_dYK-&index=58
そしてこちらは出足がそろりとした慎重な用心深い猫


どうでしょう。演奏する人の数だけ、猫にもいろいろあり、
たくさん聴いていると、ミュージカル「キャッツ」に出てくる猫たちの多彩な個性と重なるところがあります。

しかし、このショパンの猫には 、おそろしくわんぱくで愛らしい猫が存在します。
1985年 ショパンコンクールで優勝したブーニンの猫をお聴きください。
https://www.youtube.com/watch?v=GeqVjcuEWLA

鍵盤を走り抜けるそのスピードもさることながら、
その堂々としたふてぶてしさと愛らしさ、
あらゆる面において、思わずブーニンの猫に惹き付けられ、 
目(耳?)を離すことができなくなくなってしまいます。
演奏を聴く観衆も皆、その世界にすっかり引き込まれ、魅了されています。
彼の演目の途中であるにもかかわらず、
猫のワルツが終わった時の割れんばかりの拍手。  
もはやこの会場は厳めしいショパンコンクールの会場ではなく、
ブーニンのコンサートの会場のようになってしまっています。
これは、このようなコンクールでは滅多にないことです。

音楽とは、本来、このように喜んだり、楽しんだりするため、
それらを増幅するためにあるものです。
眉間に皺を寄せながら、僅かな音のミスも聴き逃すまいと構え、
まるで工業製品を検品するような聴き方は、自分はあまり好きではありません。

ですから、コンクールに出場して演奏する人も、ここで入賞することは、
確かに、これからの演奏家としてのステータスとして非常に重要なことですが、
それと同じぐらい、演奏を聴く人々に、音楽の楽しさと喜びが伝わるような、
ミスをしないようにと小さくまとまることなく、
大きく広がってゆくような演奏をして欲しいと、切に願っています。
 

 
蛇足ですが、ブーニンはその後、日本人女性と結婚して、
日本に在住し、もう成人した息子さんもいらっしゃるそうです。