らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】ショパンコンクール2015 一次予選2

 
 

 

この記事は、現在開催されているショパンコンクール第一次予選を、 
YouTubeライブ配信していまして、それを聴きながらメモしたものを記事にしたものです。
ですから、演奏を聞き直して、感想を修正するということをしておらず、
音楽に接したファーストインパクトで感じたことを記したものです。


丸山凪乃さん



 
今大会最年少出場者、9月に16才になったばかりの丸山凪乃さん。
1999年生まれ。
自分からすると、まだこの前、生まれたばかりという感じ(^_^;)
写真のような大人っぽいポーズがしっくりこない、まだあどけなさを残した女の子。

そして演奏。
はっとするような明るい華やかな音色。
ショパンは陰翳な香りがしないとダメという人がいるが、
まだ15才16才で人生の陰翳を理解しているとしたら、それは大変なことです(^_^;)
そんなものは、年寄りの演奏家に任せておけばよい。
それよりも、初めてショパンと出会った
ときめきのようなモノを感じさせる初々しい演奏に、
自分は非常に感銘を受けた。
彼女のピアノは音の粒が揃っていて、とても小気味よく、クリアな音色。 
弾き急ぎせず、しっかりと鍵盤を捉えている証拠だと思う。

ショパンというと、どうしても固定概念から、陰のイメージで捉えてしまうけれども、
彼女の演奏はそれを払拭させてくれた。
久々に聴いた爽快感あふれるショパン
もっと彼女のショパンを聴いてみたいと思う。




アレクシア・モーザさん(ギリシャ)





彼女の演奏はとても速い。
ものすごい速さで演奏がどんどん進んでゆく。
ライブ配信に併設されているライブチャットも「too fast」の感想が並ぶ。

一般的にスピードの速い演奏イコールテクニシャンという感じに捉えられており、
また、スピーディーだと、非常にスリリングな演奏になることから、
とても人気があるスタイルではある。
超絶技巧的な曲とされるものは総じてスピーディーなものが多い。

しかし、自分にとって、必ずしも好きな演奏ではない。
それが芸術的と言えるかどうかは、やはり別の次元だと思う。
彼女の演奏は、チャキチャキとした感じで、音の余韻を楽しむ間もなく、
さかさか音楽が進んでいく感じ。

演奏は早ければいいというものではなく、
また遅いからいいというわけでもない。

では、どんな演奏がいいのか。 
ここは本来文学のブログだから、小説の朗読にそれを例えると、
最初から最後まですらすらと間違えずに、早く読めることは、
確かに言葉の読みという意味では優れている。 
しかし、物語を味わって理解しているかはまた別の話。
ドラマチックに全てに抑揚をつけて読むのも、聞いていて疲れるし、
終始淡々と読まれるのも味気ない。
要は、その作品の内容に合った、ストーリーの雰囲気をいかに読み取って、
最も適切な抑揚をつけて読むことができるか。
物語の深奥にあるメッセージを読み取って、それに最も合った読み方をしているか。

音楽の演奏も同じだと思う。
作曲者が伝えたいこと、感じて欲しいことを、
いかに楽譜から読み取り、それを音で表現しているか。

そういう意味からすると、彼女のショパンの解釈は、あまりいいとは感じなかった。
ただ、完成されたピアニストではあると思う。
彼女のテクニックは目を見張るものがあるのも確か。
彼女の演奏で、別の作曲家の作品を聞いてみたいと思った。




中川真耶加さん




ショパンコンクールライブ配信にはライブチャットの機能がある。
つまり、まさにオンタイムで、自分の感じたことを書き込めるというわけで、
結構これが面白い。
彼女が舞台袖から現れると、ライブチャットは「so cute!」のコメントの嵐。
確かに、おっとりとして可愛らしい人。
チャットではこの子まだ10代?という問いかけがたくさんあったが、中川さん22歳だそうです。

さて、彼女の演奏。
柔らかく、そつなく、心地よく、音がブリリアント。
彼女の雰囲気にぴったりな演奏。
ちょうど50年前のショパンコンクールの覇者 
アルゲリッチの雰囲気から激しい演奏が似合うように(^_^;)





しかし、そつなく心地よいというスタイルは、  
実は日本人の演奏家に最も見られるスタイルといわれることがある。
聴いている時は、実に心地よいのだが、
しばらくすると、どんな演奏だったか忘れてしまう。

しかし、中川さんの演奏はそれに似て非なるものに思う。
激しい曲であれ、緩やかな曲であれ、その音色は、とてもブリリアントでクリア。
非常に心に残った。
ちょっと楽器は違うが、バイオリニストの庄司紗矢香さんにも似た感じがする。
柔らかくしなやか。
しかし、その柔らかでしなやかというのは、 
バレリーナや新体操選手の演技に似て、見た目は女性らしく柔らかであっても、
それを支える体の中は、細くとも筋金の筋肉が通っているというか。
そのようなものを感じた。




今回紹介した三人の演奏は、こちらのページの、
https://www.youtube.com/playlist?list=PLTmn2qD3aSQseoFVhcmBsi3m7hDGeU5ml
134-137丸山凪乃さん
152-155アレクシア・モーザさん(ギリシャ)
156-159中川真耶加さん
となります。

ライブそのものの三人の演奏は、こちらのページの、
https://www.youtube.com/watch?v=nspSrZgmkdc

丸山凪乃さん 1:08:30~
アレクシア・モーザさん(ギリシャ)
3:19:00~
中川真耶加さん 3:40:40~


ショパンコンクールは開催中常時ライブ配信されています。
ぜひ一度ご覧になって、コンクールの雰囲気を味わってみてください。
https://www.youtube.com/channel/UCSTXol20Q01Uj-U5Yp3IqFg?feature=em-lbrm