らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【映画】デトロイト・メタル・シティ



 

俳優にもいろいろなタイプがありまして、何を演じてもキムタクという人もいますが、
自分は、その作品の役柄そのものを感じさせる俳優さんでなければ、やはり駄目です。
なぜならば、自分はその演じている人そのものを見ているわけではなく、
ストーリーとしての人物を観ているわけですから、
ストーリーに入り込もうとしている時に、
キムタクという演じている人そのものが写り混んでしまうと、
ストーリーが意識から離れてしまうのです。

しかしながら、自分はキムタクのような存在を否定しているわけではありません。
いつ、いかなる時にもキムタクを感じさせるというのは、まさに一流のアイドルだと思いますし、
そういうことも、ドラマや映画を見る楽しみという方は大勢いらっしゃいます。
ただ、それは、自分の趣向に少々そぐわないというだけです。

俳優松山ケンイチさんは、巷では、カメレオンと異名を取っているそうです。
つまりは、どのようなストーリーに入り込んでも、その中に同化して、
松山ケンイチを意識させずに演じてしまう。
自分が、それを実感したのが、年末に観た、この作品「デトロイト・メタル・シティ」。

ストーリーは漫画を原作としたもので、簡単にあらすじを述べますと、
田舎の純朴な青年根岸崇一(松山ケンイチ)は、
ポップミュージシャンを目指して上京するが、
ひょんなことから、悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”の
ギター&ボーカルとして活動することになる。
彼らのデビューシングルは大ヒットを記録し、
崇一は自分の意思とは関係なくカリスマ悪魔歌手に祭り上げられていく。
というようなものなのですが、
http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%83%87%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3/329493/
つまりは、この主人公自体、2つの全く異なるキャラを使い分けているという設定ですから、
ある意味、松山ケンイチさんにぴったりな役柄といえるでしょう。

とにかく優しい気弱な青年根岸くんの時と、
サドっ気全開のデスメタルの帝王クラウザー世の時との演じ分けが絶妙で、
ある時は2つのキャラの間を微妙に揺れ動き、
そしてある時は全てを振り切ってクラウザーさん全開の松山ケンイチさんの演技に、
無条件で笑ってしまいますし、
その勘の良さといいますか、演技のセンスにいちいち感心してしまいます。

最後のシーン、伝説の帝王ジャック・イル・ダークとのメタル対決、
帝王を演じているのは、なんと本物のカリスマロックバンドキッス(KISS) のジーン・シモンズなんですが、




本物のライブの臨場感、緊張感、ワクワク感があり、
普段はデスメタルのデの字も聴かない自分でも、
思わず、そのライヴの迫力と楽しさに引き込まれてしまうところがあります。

その他にも、自分的には、しっとりした優しいお姉さんのイメージだった松雪泰子さんの
悪夢のような怪演など、脇を固めるキャラのタレントも豊富です。

さて、この作品には原作のマンガもありますが、
少々自分的には露骨すぎるところがありまして、ちょっとオブラートに包んだ映画くらいが一番心地よく観ることができます。


ところで、自分、この手の音楽の分野には、とことん疎いのですが、
パンクロック、ハードロック、メタル、ヘビーメタルデスメタルってどう違うんでしょうか(^_^;)
詳しい方どなたか教えてくださいませんか(^_^;)


予告編https://www.youtube.com/watch?v=fr1icHc2-qQ