らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】「大きな裸婦」ピカソ

 
 
 
 
 
今回生まれて初めて観た初ピカソの作品「大きな裸婦」。


人によっては、やけにぶよぶよとした体に、
まるで死体のような緑がかった青白い肌の、
ひしゃけてつぶれたような顔をした
へんてこな裸の女の絵と思うかもしれません。

ピカソのこのへんてこな画法はキュビズムと称され、
すなわち単一の視点ではなく、異なる複数の視点から見た物の形を
一つの画面に描き出し、
その形を単純化して表現する画法であるなどと説明されます。

それがどのくらいスゴいことなのか、
正直自分にはよくわからないところがありますが、
要は技法などというものは
自分の感じたことを表現するための道具であって、
キュビズムの画法の作品が最も進歩的な、芸術的に優れたものかというと
断じてそのようなことはなく、
その技法により己の表現したいことが、
十全に表現され尽くされているかが重要ではないかと思うのです。


そして自分は思います。
ピカソは人間の内に秘めたエネルギーのようなものを
究極にデフォルメして作品を描いたのだと。

例えて言うなら書道の楷書というよりは、
紙の平面の上を自在に宙を舞う草書体のように、
対象の内から湧き出る躍動感、ダイナミックな生命感、踊るようなリズム感が
この作品からほとばしっています。
一見生気のない土左衛門のような絵であるにもかかわらず(笑)

確かに、この絵の女性は贔屓目に見ても
女性らしく色っぽいとは言い難いものがあるかもしれません。
しかし、ある意味、女性を超えた、人間そのものとしての生命感にあふれているのです。

そのほとばしる、乱反射するようなエネルギーを余さず受け留めるには、
キュビズムという画法はピカソにとって
最適だったのかもしれません。

この美術館展に展示されている名だたる大家の作品の中でも、
その作品のエネルギー及びダイナミックなリズム感というものは
ずば抜けたものに感じました。

やはりピカソはただ者ではない。
これが自分の初ピカソの偽らざる正直な感想です。