らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】四季折々に思い出す歌 春編

 
去年のクリスマスに、
この秋冬クリスマス編の記事を書いたと思うのですが、
 http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/12346085.html
今さらながら春夏編の記事を書いてみました。

当初1記事で春夏編の全てを書くつもりでしたが、
夏編がやや長めになってしまったので、今回は春編ということで。

春といえばこれという曲は、まさに人それぞれだと思うのですが、
自分的には真っ先に浮かぶのは、この曲です。



【春】さくら/森山直太朗
http://www.youtube.com/watch?v=rEWz0RHj7Zk


春といえば「さくら」「花」のような雅(みやび)な
おっとりとしたメロディのものが多いのですが、
この曲は、従来の、自分の春のイメージを打ち砕いた歌です。

春といえば別れの季節でもあります。
永遠の別れもあれば、再会を期した別れもあるでしょう。
この曲は、どこか切なさを帯びつつも、
いずれの別れにせよ、自らの心を奮い立たせ、
それぞれ新たに旅立っていく
若さに溢れた力のようなものを併せ持っています。

別れの切なさと、力強く歩んでゆこうという気持ちが絶妙に入り混じって、
この歌は、絶えず自分の心を揺り動かします。



さくら さくら 今咲き誇る 
刹那に散りゆく運命(さだめ)と知って



というフレーズに特にしびれます。

この歌は、聴きようによっては、
永遠の別れをして旅立たねばならぬ者が、残る者を力づけ、励ましているような、
そして、後ろ髪引かれつつも、
残る者達の幸を願ながら旅立ってゆく…
という歌詞にも感じとれます。

素晴らしい作品というのは、音楽でも文学でも絵画でもなんでも、
それに触れた人の様々な感性や想いを
受け入れることができる懐の深さがあるのです。
この作品にはそれがあります。

この歌は、21世紀に生まれた末永く歌い継がれる、
春、ひいては、さくらを象徴する名曲になると個人的には思います。

ところで、今度「永遠の0」の映画を見ようと思っています。
主題歌のサザンオールスターズ「蛍」も、もちろん悪くないですが、
若い感性があふれている「さくら」の方が個人的には心にハマる部分があります。

先の大戦の特攻隊の方々には、
美しく一筋に咲く桜の花がよく似合います。

ただ、若くして死の一択しか許されなかった人生というのは
あまりにも残酷すぎます。
彼らをそういう死地に追いやったものに対しては、
強い戒めをもっていかねばならないと感じます。

命長ければ恥多しとも言いますが、
それは決して悪い意味ばかりではありません。
垢にまみれて天寿を生き抜くのが一番素晴らしい
人生なのではないかと自分自身は思っています。

若者達にそういうものを与えられない世界というのは、
やはり不健全ないびつなものを感じさせます。

彼らを美しく丁重に弔ってやることと
それらを混同してはいけないと、
個人的には思います。



それでは夏編については次回にて。