らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りの歌】52「父という字を書いてごらんなさい」

 
 
 
父という字を書いてごらんなさい
母という字と違って言葉少なで
シンプルな簡単な字です
 
でも手足を大きくめいっぱい広げて立ちはだかり
こどもたちがしてはならぬことを厳しく戒めています
そしてそれが倒れることがないように
しっかりと重石(おもし)をして支えています

口にはしませんが
お父さんとはそういうものです
これはほんとうのはなしです




父の日…この前の日曜日でしたが、過ぎてしまいましたね。
いろいろ父にまつわる作品を探していたのですが、
なかなかピンとくるものがなく、
それならと久しぶりに自作してみました。

範にしたのは、先の5月の母の日に記事を書いた
サトウハチローさん「母という字を書いてごらんなさい」という作品です。
 http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/12868893.html

サトウハチローさんは、母という漢字を使って
実に上手く母というものの姿を作品にしていましたが、
それならば父という漢字についてもできるのではないかと思い、
じつと見つめて、あれやこれやと考えてみました。

そうしますと、今年初めに亡くなった父のことがいろいろと思い出され、
それは思い出して悲しいというよりも、懐かしく楽しいものに感じました。

父というものは、母とはコミュニケーションの取り方が異なる存在なのかもしれません。
言葉によるコミュニケーションを頻繁にせずとも
黙々と自分の生き方をすることで、立派に心と心に相通ずるものがある。
そのようにも思います。

ウチの父は口数の少ない人で、
偉人であるとか、そのような特別な人間ではなく、ごく普通の父でしたけれども、
そのように感ずるところがあります。

ひょっとしたら、これは女性はピンとこない事かもしれません。
でも男性の方ならば思い当たる節があるといいますか、
わかっていただける部分があるのではと思います。


ところで、母という字の時にも思いましたが、
漢字というのは実によくできた文字だとつくづく思います。
アルファベットなどは表音文字といいまして、音を表す文字なのですが、
漢字は表意文字といいまして、その意味を表す文字です。
この、意味を表す形が非常に奥が深いものがあり、
表意文字を使う国に生まれたことは、素晴らしいことであると感じます。