らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】「青いソファー」ギュスターヴ・ド・スメット

 



 
5月となり、すっかり日射しが明るい季節になりました。
そこで久々にブログの絵も掛け替えてみようと思いまして、
今回、こちらの絵を選んでみました。

「青いソファー」ギュスターヴ・ド・スメット 1928年


19世紀末から20世紀初頭にかけて、
ベルギー北部のフランダース地方にある村、シント・マルテンス・ラーテムに、
何人かの芸術家が移り住み、互いに助け合い、刺激しながら
質の高い豊かな創作活動を展開していました。
ゴッホゴーギャンがアルルで試みようとした芸術家のコロニーみたいなものが
他でも作られていたんですね。

ギュスターヴ・ド・スメットもその中の1人で、
彼は最初、印象派風の風景画などを描いていたのですが、



「花咲く果樹園」

その後大きくその画風を変えまして、
ピカソなどに代表されるキュビズムに依る絵画を描くようになりました。
モチーフも都会風で洗練されたものを描くようになり、
今回の「青いソファー」もそのような作品のひとつになります。

絵全体のパステルカラーの色合いがとても心地よく、おしゃれで、
こんな絵が自宅の居間か玄関の廊下にかけてあったら、
さぞかしステキだろうなと思います。
でも男所帯の独り暮らしには、ちょっと艶っぽすぎる絵かもしれません。
オシャレな30代女性の住む、都内の、夜景が美しいマンション、
というようなシチュエーションの方がぴったりかもしれませんね。


オシャレで洗練されていて、落ち着いた雰囲気、
そして少しアンニュイなものも感じさせる、
まさに都会的な男女というような気がします。

この絵の題名にもなっていますが、
ソファーの青い色がとても映えていますね。
そこに座っている女性の白い肌と金色の髪を非常に引き立たせているように感じます。
思わずその色の明るさにハッとするところがあります。


ところで絵画は大まかに写実主義(具象芸術)と抽象芸術とに分けられますが、
その時々の時流によって流行(はや)り廃(すた)りがあるようです。
20世紀初頭は抽象芸術が台頭してきた時代であり、
ギュスターヴ・ド・スメットもその流れを敏感に察知し、
自らの画風を変化させていったのかもしれません。

このような、絵画の写実主義(具象芸術)と抽象芸術という命題について、
非常にユニークにそれぞれの魅力を面白く解説してくれている
ブロ友さんの記事がありますので、紹介したく思います。
現在ブログを休んでおられるのですが、
自分とブロ友さんとの仲ですから、まあ事後承諾でも大丈夫でしょう(^_^;)
http://blogs.yahoo.co.jp/nemoto_jun/10999827.html