らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【自分枕草子】夏の終わりを告げるもの








夏の終わりを告げるもの



入道雲のない空
夕暮れのひぐらし
つくつく法師の鳴き声

高校野球の甲子園の試合終了のサイレン





まだまだ残暑の厳しい日が続きますが、
それでも、確実に夏は終わりを告げようとしています。
つくつく法師の何か懸命に訴えるような鳴き声、
そして夕暮れにひぐらしがカナカナと鳴き始め、

両者が相和すと、なんともいえぬうら寂しい気持ちになります。


夏の甲子園も終わりましたね。

高校野球というのは、どこが勝った負けたということよりも、
10代の若い高校生たちが精一杯ぶつかり合う、
それは選手たちだけではなく、応援する子たちも同じです。
自分たちの情熱の思いの丈を全力でぶつけ合う、
そういう、夏の、生命が生き生きと燃え出でるようなエネルギーを感じさせる、
そんな舞台であるといえます。

出場した球児たちはもちろん、

母校が甲子園に出場して、アルプススタンドで応援した子達も、
また夏が巡って、甲子園で高校野球が行われるたびに
ああ、私も、あのスタンドで懸命に応援したなあと、思い出すことでしょう。


夏真っ盛りの灼熱のスタンドで、仲間たちと一喜一憂して、泣いたり、笑ったり。
仲間たちと心を合わせたその経験は、

彼らの心の中で、かけがえのない宝として残るはずです。

そういう想いを抱いて、生きてゆくことができるというのは、
本当に素晴らしいことであり、羨ましくもあります。




夏にその生命を熱く燃やし尽くし、
夏が終わると、その思いを静かに高めてゆき、新たに再生を繰り返す。
そして、また、来年、新たな生命を熱くする闘いが繰り広げられる。


今、球児たちの闘いを終えて、

あの熱気がウソだったかのように、ひっそりと静まり返っている甲子園。


ああ、今年の夏は終わったんだな。
心からそう思います。