らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】「ブロードウェイ・ブギウギ」ピエト・モンドリアン

 
 
お正月から2ヵ月経ち、季節も冬から春に変わろうとしていますので、
そろそろ気分一新で絵に掛け替えようと思います。


この世に存在する絵を何でも1枚あげるといわれたら、
最後の1枚にしぼるのは難しいかもしれません。
でも自分の中で、その候補の中の1つに入るのが、
今回紹介しますピエト・モンドリアンの「ブロードウェイ・ブギウギ」。

パッとみると水平・垂直のみの幾何学的な構図に、
赤青黄の三原色に白の背景という極めてシンプルなもの。

こういう絵画は抽象主義絵画といわれ、
その中でもピエト・モンドリアンのような作品は、
幾何学的抽象といわれるカテゴリーだそうです。


このように一見無機質な感じのこの作品ですが、

何かのふとした拍子に、
それがマンハッタン摩天楼の喧騒と賑やかさを抽象化したもののように見えた時、

白地に三原色の平面の形にしか見えなかった絵が、
急に立体的に浮き上がり、列をなし行き交う何台もの車のライトに、街を明るく彩るネオンに満ちた、
リズミカルで躍動感あふれる現代的な街の様子に見えた時の、驚きといったら…

例えはあまりよくありませんが、
どうしてもわからなかったカラクリが、ふとした拍子で氷解した時の気持ちとでもいうんでしょうか。

見えなかったものが次々と見えてきたような気がして、
なんともいえぬ爽快感、高揚感みたいなものを感じたものです。

そのうえで、この絵を見つめますと、
作者のウキウキとした高揚感のようなものまでも感じられるような気がします。


自分は旅行でニューヨークに立ち寄った時、
ニューヨーク近代美術館にて、この絵の本物を見ました。

本物は130×130ほどのサイズで、
大人がひと抱えするくらいの大きさのものでして、
先ほどの驚き、爽快感、高揚感のようなものを新たに深くしました。


皆さんもこの絵をご覧になってみて、
同じような感覚を味わっていただければと思っています。